※この記事は、心理学の博士号と心理士資格を持つライターが書いています。
生きていくと、嫌なことがよくあります。でも、少し休んだり、好きなことをして気分転換をすれば、すぐに心が晴れやかになります。
しかし、時として圧倒されるような強烈な体験をすることがあります。例えば、地震や津波などの自然災害や交通事故などの事故・事件、強盗や殺人などの犯罪に巻き込まれた場合です。
そんなときにはどんなに強い人であっても、心に大きな傷を負います。心にできた大きな傷は、生活を一変させるほど私たちを苦しめます。適切な治療を受けないと、いつまでも苦しみ続けることになります。
この記事では、トラウマとは何かを説明し、どうやったらトラウマによってできた心の傷を克服することができるのかを紹介します。
トラウマの意味とは?
平たく言うと、トラウマとは大きな精神的ショックや恐怖が原因でできる心の傷のことです。通常のショックであれば、時間が経つにつれて過去の記憶として語れるようになり、自分の過去の一部として統合することができます。長くても、1ヶ月もすると大体落ち着いてくるものです。
しかし、トラウマによる傷は心の処理能力で処理できない程大きなものです。そのため適切な治療を受けないと、いつまでも心の傷として残り続けます。
よくトラウマと一緒にPTSDという名前が出てくると思います。PTSDとは、正確にはPost-Traumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害)と言います。トラウマとなるストレスを受けた後の障害のことです。
PTSDになるぐらい、トラウマはその後の生活に支障をもたらし続けます。具体的な症状としては恐怖の記憶に苛まれたり、トラウマに関する感情や行動を無意識に抑え込む、神経が常に高ぶり過敏な状態になるなどが挙げられます。
トラウマの原因2つ
トラウマの原因となる体験は、大きくは2種類に分けられます。
「①生死の境目となるような圧倒的な体験」と「②長期に渡るストレス経験」です。
①生死の境目となるような圧倒的な体験
地震や津波などの自然災害や、交通事故などの事故・事件、強盗や殺人、性犯罪などの犯罪に巻き込まれた場合などがこれに該当します。ただし、体験に直接遭遇した本人だけではなく、目撃した人がトラウマを受けることもあります。
例えば、目の前で大津波により友人が流されて行くところを目撃してしまう、自分の子どもが目の前で殺されてしまうといったものです。
他にも職業柄、消防士や警察官はトラウマとは切り離せません。消防士は火事で火ダルマになった人を見てしまいますし、警察官は無残な惨殺死体を見なくてはいけないことがあります。そのことがトラウマとなってしまう危険性はあります。
②長期に渡るストレス経験
長期に渡って強いストレスを受け続けることがトラウマとなってしまうこともあります。例えば、身体的虐待やネグレクトなどの虐待行為、いじめなどです。
トラウマの具体例
「子どもの頃に友人の犬と一緒に遊んでいたら、いきなり犬から手を咬みつかれたので、それからは犬がトラウマになった」という話を聞くことがあるかもしれません。確かに、犬からいきなり手を咬みつかれたら怖いでしょうし、その治療も大変だったと思います。
しかし臨床心理学的には、それはトラウマというよりも恐怖体験やショックと呼んだほうがいいものです。
トラウマの場合、何カ月も恐怖記憶が突然よみがえって怖い思いをしたり、感情マヒや不眠といった様々な症状に悩まされます。それは日常生活を送るのも困難になるほどです。それほど、トラウマとなる出来事は強烈な体験なのです。
以下に、生死の境目となるような圧倒的な体験の具体例として大地震のケースを、長期に渡るストレス経験の具体例として児童虐待のケースを載せます。日常的に使われているトラウマとの違いを明確にしたいため、少し具体的に書いています。
■①生死の境目となるような圧倒的な体験の具体例
生死の境目となるような圧倒的な体験として、地震や津波などの自然災害や、交通事故などの事故・事件、強盗や殺人といった犯罪など、色々あります。
ここの例では地震を取り上げることにします。テレビ画面のテロップで地震速報がよく流れますよね。私たちの生活は地震とは無縁ではいられません。日本という国で暮らしている以上、いつどこで大きな地震が再び起こるか分からないのです。
もしあなたの街で地震が起こったとしましょう。緊急地震速報のけたたましいアラームが鳴るやいなや、前震が来ます。地震だ!そう思い、あなたは机の下に避難するでしょう。ただの前震だと思っていたのに、いつまでも揺れ続けている。いつになったら、揺れるのが終わるのだろう。…。やっと、揺れが終わった。と思っていたら、アラームが鳴ってまた揺れだした。いつまで揺れるんだろう…。うわぁぁぁぁ。這いつくばっていても体が飛んでしまいそうだ。電子レンジや皿、テレビが飛び落ちた。もしかして、このまま家がつぶれて、死んでしまうんじゃないのか。怖い。早く終わってほしい。
■②長期に渡るストレス経験の具体例
長期に渡るストレス経験として、身体的虐待やネグレクトなどの虐待行為、いじめなどが挙げられます。2015年度に児童虐待件数は10万件を超えました。
一昔前の昭和の頃は、サザエさんのように家にはたくさんの人がいて、お父さんも早く家に帰ってくるため、余裕をもってみんなで子どもの面倒を見ることができました。でも、核家族化された現在、家にいるのはお母さんと子どもだけです。
誰にも助けを呼べない中での密室育児。自分の子どもを傷つけたくないけど、イメージしていたのとは異なる育児にどうすればよいのか分からなく、気付いたときにはお母さんは子どもを傷つけてしまっているのです。そんな子どもの虐待例です。
お母さんがご飯を作ってくれました。でも、私は遊びに夢中で、そのことに気づきませんでした。「もう遊ぶのを止めて、ご飯にするよ!」お母さんが引っ張ってきました。私はついバランスを崩して、壁で頭を打ってしまいました。頭が割れそうに痛く、涙が出てきます。「うるさい!泣き止みなさい!」お母さんが叩いてきました。
急いで、泣き止まなきゃいけない。泣き止まなきゃ、お母さんにもっと怒られる。でも、叩かれるのは痛いしつらいので、もっと泣けてくる。「あんたなんか、いなくなればいいのに!」私が悪い子だからお母さんは怒っているに違いない。とても悲しい。
トラウマの症状11個
トラウマの症状として、以下のような症状が1ヶ月以上、長い人の場合では何年も続きます。その結果、家族や友人とこれまでのように親しみをもって接することができなくなり、自分は孤立していると感じます。また、学校での勉強や仕事が手につかなくなり、日常生活が破綻してしまいます。
■1. つらい記憶が突然よみがえる
トラウマは本人にとって過去にはなっていません。ふとした瞬間に、トラウマの原因となった出来事が鮮明によみがえってきます。このことはフラッシュバックと呼ばれます。通常、何かきっかけがあったり、思い出そうとしたときに私たちの記憶はよみがえります。しかし、トラウマの人のフラッシュバックはいきなり起こります。そのため、トラウマの問題が終わったものではなく、現在も続いているように感じられるのです。
■2. 神経が常に張りつめている
本人にとってはトラウマとなった出来事は終わったわけではありません。そのため、常に危険状態にあると脳が判断しているので、神経が張りつめています。ちょっとした音に対してもビクッと過敏に反応します。また、不安になりやすかったり、イライラしやすかったりします。神経過敏な状態なので安心して眠ることができず、不眠にも陥りやすいです。
■3. 悪夢を見やすい
眠れたとしてもなかなか熟睡できません。人間は熟睡できないと夢を見やすいです。特にトラウマを抱えた人は、トラウマとなった出来事の悪夢を何度も繰り返して見やすいです。また幼い子どもの場合は「なんか怖い夢を見た」と泣くことも多いです。
■4. 怖い記憶を思い出すような場面を避ける
トラウマとなった出来事は、本人にとって非常に怖いものです。フラッシュバックがなくても、トラウマとなった出来事に関連したものがあると、ついその出来事を思い出しかねません。そのため、トラウマの出来事に関連した人や場所、会話、行動などを避けようとします。
■5. トラウマと類似した出来事に対する身体症状
トラウマと類似した出来事があると、身体症状が出ます。頭やお腹が痛くなったり、冷や汗をかいたり、吐き気がしたり、震えが止まらないなどです。例えば、大地震がトラウマとなった人の場合、今まではそんなに怖くなかった小さな揺れでも恐怖を感じ、冷や汗が出てしまうのです。
■6. 感情がマヒする
トラウマを思い出してしまうと、非常に苦しい思いをします。そんな苦しい思いから自分を守るため、感情がマヒするということもあります。
■7. トラウマと関連したネガティブな考え方をしてしまうようになる
世の中は良い人だけではなく悪い人もいますが、概ね平和であると私たちは考えています。しかし、トラウマを持ってしまった人は違います。例えば、強盗の被害にあったことがトラウマの人の場合、いつまた被害にあうか分からず常に恐怖感を抱えています。そのため、「誰も信用できない」と思うでしょう。
また、地震がトラウマの人の場合は「世界は危険で安全な場所などない」と思うでしょう。警察官や消防士で残酷な犯罪や火事を見たことがトラウマになった人の場合、「自分が何とかしていたら助けることができたに違いない」と強い自責感を持つこともあります。
このように、自分自身や他者、世界に対して過剰にネガティブな考えをしやすくなります。
■8. ネガティブ感情が続き、ポジティブ感情が失われる
恐怖や苛立ち、罪悪感、恥などのネガティブ感情に常にとらわれています。反対に、幸福や満足感、愛情を感じることができなくなっています。また、これまで楽しめていた趣味への関心もなくなり、趣味を持てなくなります。例えば、災害ボランティアの人が来てくれて色々な支援をしてくれることに対して、ありがたいなぁとは思えても、それで幸せを感じることは難しいです。他の人が死んでいる中で自分が生き残っていることへの罪悪感を感じて、申し訳ないという思いが募ります。
長期に渡るストレス経験がトラウマとなっている場合、症状はより深刻です。それというのも小さな頃からの虐待やいじめは単にトラウマとなるだけではなく、人格形成にも影響しているからです。上記の症状に加え、以下の症状を持っていることがあります。
■9. 強い自己否定感や罪悪感
強い自己否定感を抱いている場合があります。一般に、子どもの頃に褒めてもらうことで、自信が身につき、自分はこれでいいという自己肯定感が育ちます。そのような時期に、常に「お前が悪い」と言われながら過ごすのです。自分は生きていてはいけないという自己否定感だけが育っていきます。
特に親からの虐待である場合、強い罪悪感も抱きやすいです。どんなにひどい虐待をする親であっても、子どもにとっては唯一の親です。どんなにひどい虐待を受けても、子どもは親からの避難先と親の傍なら、親の傍にいることを望みます。そのぐらい子どもは自分の親のことを否定できません。虐待を受けるのは自分が悪い子どもだからという罪悪感を抱くのです。
■10. 他人と親しい関係になるのが難しい
子どもの頃から接するはずの親や友達に否定されてきたので、周りは自分を好きになってくれないという考えや、他人は自分に何か危害を加えるのではないかという恐怖感を抱いています。そのため、他人とコミュニケーションをしたり、親しい関係を構築することが困難です。
■11. 自傷行為
いわゆるリストカットなどです。虐待やいじめがトラウマとなっている場合、いくつかの理由から、自傷行為が行われることもあります。
①助けや理解を求める気持ちがあり、それを自傷という形で表現していることがあります。誰かに分かってほしい、でも分かってもらえないという苦しみや孤独感があり、それを自分を傷つけることで意図せず表現しているのです。
②大きな悩み、混乱、孤独のただなかにいるため、自分が生きているという実感が得られません。そこで、生きているという確実な感覚を得たいために、自分を傷つけるということもあります。
③自傷行為を行った後、エンドルフィンという脳内麻薬が分泌されます。その結果、安堵感がもたらされるため、そのことも自傷行為を促してしまいます。
トラウマから起こるフラッシュバック
トラウマの症状でも少し触れましたが、フラッシュバックとはトラウマの原因となった出来事が突然よみがえることです。
トラウマを持っている人にとって、トラウマの出来事は過去に終わった出来事ではありません。むしろフラッシュバックでよみがえったトラウマ体験は、実際よりも嫌なことを鮮明に追体験させます。
そのため、フラッシュバックで症状を追体験することは知識として分かっていても、その出来事が現実のように感じられて呼吸が苦しくなったり、動悸が激しくなったり、目眩、震えといった身体症状も引き起こされるのです。
トラウマの克服方法8個
トラウマを克服するのは非常に困難です。可能であるならばメンタルクリニックへ行き、専門の医師や臨床心理士によるセラピーを受けることをお勧めします。
以下にトラウマの克服方法を8個をご紹介します。どれも1人で実践するのは難しいものですので、クリニックへ行ったときにどういう治療を受けるのかの参考に読んでください。
■1. 安心できる環境にいる
難しいことですが、トラウマを抱えている人が安心できる環境にいてもらうことが大切です。フラッシュバックがよみがえるためという意味では、どこにいてもトラウマから逃れることはできません。しかし、過度に緊張している心と体を少しでも休めることができるように、安心・安全な環境下にいてもらう必要があります。
この環境は土地や家といった物理的な環境だけではなく、人も含みます。よくいじめや誘拐・犯罪があった小学校にスクールカウンセラーが沢山派遣されますよね。それは、子どもが安心して恐怖や不安感を吐き出せる環境を作るためです。
■2. 認知処理療法
認知処理療法はトラウマの症状や、トラウマから生じてくる強い抑うつ感情や罪悪感に対して効果的な心理療法です。トラウマを抱えると、それまでの世界観や他者の見方、自分自身の考えが劇的に変わります。例えば、地震を経験した人なら、「この世には安全な場所などなく、いつ大きな地震が起きるか分からない」といった具合です。この極端な考えをマイルドな考えに認知処理療法では変えていきます。
トラウマを抱えた人は、上記の地震の例のように、その人特有の「引っかかり」のある考え方をします。認知処理療法ではこれを見つけて、ほぐしていくのです。
多くの場合は以下の5つの考え方について見直していきます。
①安全「この世には安全な場所などない」
②信頼「他人は私に危害を加えようとするので信頼できない」
③コントロール「自分は無力であり、何もできない」
④価値「自分は汚されてしまったので、価値がない」
⑤親密さ「誰とも、もう二度と親しくなれない」
■3. 「今ここ」にいるということを強く意識する
トラウマによるフラッシュバックが起こると、まるで当時の悲惨な状況に自分がいるかのように錯覚してしまいます。そんなときに自分が「今ここ」にいることを意識して、自分と現実をつなぎ留めておく方法にグラウンディングがあります。
グラウンディングは「ground」が語源であり、「地に足をつける」ことを意味します。現実感を失ってどこかに行きそうになる自分の意識を、現実につなぎとめるテクニックのことです。
具体的なグラウンディング方法として、以下の例を挙げます。
◯54321法
今ここで聞こえている音を5つ確認する(車の通行音、パソコンの駆動音、上の階からの物音、エアコンの空調音、自分の呼吸の音など)、今ここで体に触れているものを4つ確認する(服の布、いす、机、組んで座っている自分の足)など。
◯簡単な計算をする
足し算、引き算、掛け算、割り算など。数や正解不正解、スピードに拘らず、とにかく計算することに没頭してください。
◯ツボ押し
手のひらのツボを押したり、肩を軽く揉んだりし、押している手や押されている肩に意識を集中させてください。心地よい刺激をじっくり味わいましょう。
◯香りに集中する
あらかじめ好きなアロマオイルなどを持ち歩いていて、必要なときにティッシュに数滴たらし、その香りに意識を集中させるという方法もあります。
このようなグラウディングを行うことで、現実の世界に意識をつなぎとめようとするのです。グラウンディングは説明を聞いたからといってすぐに実践できるものではありません。日頃から意識して訓練しておくことで、フラシュバックの時にも効果を発揮します。
■4. EMDR
EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)とは眼球運動による脱感作と再処理法という心理療法です。この治療方法は今までの心理療法と異なり、セラピストとトラウマについて話す必要はありません。
トラウマの場面を思い出しながら、リズミカルに左右に眼球を動かすだけです。眼球を左右に動かすことで、脳が直接的に刺激され、記憶の情報処理が促進されます。その結果、フラッシュバックなどの症状が徐々に和らいでいくのです。
ただし、EMDRは誰でもできるわけではありません。しっかりトレーニングを受けた専門家の元で行わないと、効果はありません。
■5. 瞑想
瞑想をすることでトラウマを解消できるというわけではありません。しかし、トラウマの症状である神経過敏や不眠には瞑想が有効です。姿勢を正し、雑念から離れて、今している呼吸に集中してみてください。
コツとしては、吸った空気が肺の中に流れ、肺が膨らみ、そしてまた肺が小さくなりながら鼻から息を吐き出すのをイメージしてください。そうすることで、精神状態が落ち着いてきます。
■6. VR
VR(virtual reality)によるトラウマの追体験も、トラウマ克服に有効であることが近年の研究により明らかにされました。そのため、VRによるトラウマの追体験も、トラウマ克服の方法として用いられています。
これは、VRのトラウマを追体験させることで、「トラウマの状況でも安全である」とトラウマ本人に示すことで恐怖や不安を減らすことができるからだと考えられます。
■7. 報酬
2018年に発表されたfMRIを用いたある脳研究によると、報酬を与えることで恐怖の記憶が無意識に書き換えられることが分かりました。
ある実験では脳が恐怖を感じた時の活動パターンが見られた時に、被験者に1日最大3,000円の報酬を与えました。5日ほど実験を続けると、恐怖の記憶が和らいだ結果、汗をかく量などが大幅に減りました。
上記の知見は最新の研究であるため、具体的な治療への応用はまだです。しかし、怖い思いをした時こそ、そのような体験を乗り切った自分にご褒美をあげる、つまり優しくしてあげたほうがいいという教訓になります。
また、虐待やいじめなどの長期に渡る人間関係でのストレス経験がトラウマの場合、以下の克服方法もあります。
■8. 相手の立場を演じてみる
ゲシュタルト・セラピーに「エンプティ・チェア(空の椅子)」と呼ばれる技法があります。この技法では2つの椅子が用意されています。1つは自分の椅子です。もう1つの椅子は、自分が話したいことがある相手の椅子です。もちろん、相手を連れてくることはできません。自分が座って、相手だったらどんなことを言うのかを想像して話すのです。そうして、自分とその相手との対話場面が演じられていくのです。
例えば、子どもの頃に母親からネグレクトを受けてきたことがトラウマの人を例にしましょう。自分の椅子に座って母親に尋ねます。「なぜずっと私のことを無視してきたの。」次は、母親の椅子に座り直し、自分に答えを言う番です。
実際に相手の立ち位置というものになってみることで、新しい考えが生まれることがあります。
特にトラウマを抱えている人は慢性的な罪悪感を抱えているため、どうしても「私が悪かったからだ」と考えてしまいがちです。しかし、相手の立場に強制的に座らせることで、自分を縛りつけている罪悪感を脇において考えることができるようになるのです。
まとめ
どんなに強い人であっても、トラウマを抱えてしまうことはあります。しかし、トラウマを克服するための方法はどんどん研究されています。EMDRのようにクライエントに話すという苦痛を与えずに、治療する方法もあります。
もしトラウマで悩んでいるのなら、一人で抱え込むのではなくトラウマ克服を専門にしているメンタルクリニックを受診してみてください。必ず、トラウマの闇のトンネルから抜け出ることができます。