食事で痩せるダイエットの中で、プロテインを活用する方法があります。プロテインと聞くと、筋肉をつけるために飲むものなのにダイエットに効果があるの…?と疑問を持つ方も多いと思います。
実はプロテインをダイエットに活用することは、手軽で効果的な方法の一つなのです。プロテインとは何かを理解し、その活用方法を知ることはダイエットを効率よく進めていくことにつながります。
ここではプロテインを効果的に使ってダイエットする方法 “プロテインダイエット” について、その効果を詳しく紹介していきます。
プロテインダイエットとは
プロテインダイエットとはどのような方法なのでしょうか。
■食事置き換えダイエットの一つ
普段の食事をプロテインドリンクに置き換える方法がプロテインダイエットです。一昔前から食事を低カロリーの栄養補助食品に変えることでダイエットするという方法が手軽にでき効果的ということで女性を中心に行われてきました。プロテインダイエットも、3食のうち、1食(もしくは2食)をプロテインドリンクに変えることで、摂取カロリーを抑え、効果的にダイエットすることを目的としています。食事内容を変えるだけなので、手軽に始めることができるダイエット方法といえるでしょう。
■なぜプロテインなのか?
では、なぜ “ プロテイン ” に置き換えるのでしょうか。
そもそもプロテインとは「たんぱく質」のことで、皆さんが普段から口にしている肉や魚、卵、大豆、乳製品などに多く含まれている栄養素です。たんぱく質は筋肉をはじめとするカラダの細胞を構成するだけでなく、ホルモンの働きや免疫、カラダの代謝を司る酵素など、生命活動を続けていくうえで欠かせない働きを担っています。
ダイエット中は、摂取エネルギーを気にするあまり、全体的に栄養バランスが悪くなりがちです。特にたんぱく質である肉や卵、乳製品などは太るイメージを持っている方が多いようで敬遠されがちなのですが、それらの食品を摂らないようにするとたんぱく質の摂取量が低下し、カラダを守る働きが弱まったり代謝が低下し痩せにくくなったりするのです。
そのため、たんぱく質が不足しないよう食事の代わりにプロテインでたんぱく質を摂取するのです。
■たんぱく質は食事でエネルギーを多く消費する
食事をすると栄養素は消化されて、体内に吸収されやすい形へ変化していきます。実はその消化の際にもエネルギーが使われています。これを食事誘発性熱生産といいます。
たんぱく質は、この食事誘発性熱生産の消費エネルギーが糖質や脂質に比べ高く、食べるだけで他の栄養素に比べ多くのエネルギーが消費されていることになります。
糖質は約6%、脂質は約4%熱生産が高まるのに比べ、たんぱく質は30%という高い熱生産の値となります。
食事誘発性熱生産は、総消費エネルギーの10%といわれています。一回だけの食事でみれば大した消費量でありませんが、これが1週間・1か月・1年と積み重ねられていくごとに差が大きくなり効果として現れてくるのです。
プロテインダイエットの効果
プロテインダイエットにはどのような効果があるのでしょうか。
プロテインを使うことで、ただ単に体重が減るということだけでなく、健康的にダイエットすることができるのです。
■筋肉量の維持・増加
痩せるために摂取カロリーを抑えるだけなら、食べる量を少なくしたり、野菜中心の食事にすればいいのでは…と思っている人も多いと思います。確かに摂取カロリーだけをみればその通りです。食べなければ摂取カロリーが0になりどんどん痩せていきます。しかし、それは健康的なダイエットとは言えません。
摂取カロリーが少なくなると、カラダを動かすためのエネルギーが不足してしまいます。そうするとカラダは不足エネルギーを補おうとして筋肉を分解しエネルギーとして消費するため、筋肉量が少なくなってしまいます。筋肉量が少なくなることで基礎代謝が低下し、リバウンドしやすいカラダになってしまうのです。食べなければ一時的に体重は落ちますが、食事を元に戻した途端、筋肉量が少ないために以前より太ってしまうのです。
プロテインを摂取することでたんぱく質を効率よく補給できるため、筋肉の分解をできるだけ抑えて筋肉量を維持・向上し、痩せやすく太りにくいカラダを作ることに繋がります。
■空腹感を減らすことができる
食事量を少なくすれば当然お腹が減ります。空腹に勝てずについ食べてしまうことが、ダイエットを失敗させる原因の一つです。特に間食は甘いものやスナック菓子など、糖質や脂質が多く含まれているものを食べることが多いのではないでしょうか。
そんな時にプロテインを摂取することで、空腹感を減らし余計な糖質や脂質の摂取を防ぎます。
また、プロテインは食物繊維が多く含まれていたり消化まで時間がかかるため、腹持ちが良く空腹感を感じにくいので、精神的にも楽にダイエットを続けることができるのです。
間食にお菓子を食べてしまった…という罪悪感を感じる人は、プロテインに変えるだけでダイエットを頑張っている!とプラスに考えることができ、ダイエットへのモチベーションが高まります。
プロテインダイエット方法のコツ3つ
プロテインダイエットの方法は3つの方法に分かれます。プロテインダイエットも長期的に行わなくては効果はすぐに現れません。継続できそうなものを行うようにしましょう。
■①3食のうちどれか1食(もしくは2食)をプロテインに変える
基本的なプロテインダイエットは、3食のうち1食(もしくは2食)をプロテインドリンクに置き換える方法です。置き換えた1食は、プロテイン以外に摂取しません。
どの食事をプロテインに置き換えるかは、個人の自由です。
例えば、朝食をしっかり食べたい人は昼食や夕食をプロテインドリンクに変えたり、夜にお付き合いで外食が多い人は朝食と昼食をプロテインにするなど、個人個人のライフスタイルに合わせて決めましょう。
またプロテインに変える食事を固定せず、日によって今日は朝食プロテイン、明日は昼食プロテインなど、スケジュールに合わせて行っても問題ありません。昼食にプロテインの予定だったけれど、急遽食事の予定が入ったので代わりに夕食をプロテインにする、など臨機応変に調整することができます。
■②毎食プロテインを摂取し、その分食事量を減らす
筋肉を効率よく作るためには、たんぱく質が常に体内に補充されている状態が好ましいです。そのため、毎食時にプロテインを摂取し、その分、食事量を少なくするという方法も筋肉づくりには効果的です。
ただこの方法は筋肉づくりに効果的な反面、どのくらい食事量を減らせばいいかわかりにくかったり、学校や仕事時にもプロテインを持参して摂取しなければいけないなど、行いづらいというデメリットもあります。食事量が多いままプロテインを摂取してしまうと、体脂肪増加の原因になってしまいますので注意が必要です。
■③間食としてプロテインを活用する
プロテインを摂取する習慣がなく、初めてプロテインダイエットを行う場合はこのくらいから始めるといいかもしれません。ただし3食の食事量が多ければプロテインを摂取した分だけ摂取カロリーが増え太ります。必ず3食の食事量を減らすように気をつけてください。
また、この方法はついつい間食してしまう人向けの方法です。普段から間食をしない人はわざわざ間食としてプロテインを摂取する必要はありません。そのような方は上記2つの方法で行うようにしてください。
プロテインダイエット方法のコツ2つ[運動]
今までの食事をプロテインドリンクに置き換えることだけでも体重は落ちていくと思いますが、せっかくプロテインを摂るのであれば運動も加えることでダイエットの効果が高まります。筋肉を効率よくつけるためには運動が欠かせないのです。
■①プロテインダイエット × 筋トレ
ダイエットを成功させるためには筋肉量を増やし、基礎代謝を高めることがポイントです。筋肉量を増やすには食事だけでは効果は現れません。筋トレをする必要があります。筋トレをすることで筋肉が傷つき、それを修復することで筋肉が太くなり筋肉量が多くなっていきます。そして、筋肉を修復し増やすためには、たんぱく質の摂取が欠かせません。
プロテインダイエット中は普段からたんぱく質を多く摂取しているので、筋トレの効果も合わさることで筋肉がつきやすくダイエットの効率が良くなります。
■②プロテインダイエット × 有酸素運動
ダイエットの成功は、筋肉量は増やし体脂肪を減らすことです。体脂肪を燃焼させるためには、筋トレよりも有酸素運動が効果的です。
有酸素運動は、筋トレよりもカロリーを多く消費します。そのため筋肉内のエネルギーが不足しがちになります。プロテインでたんぱく質を摂取し、エネルギー不足による筋肉の分解を防ぐことで効果的に体脂肪を燃焼させることができます。また、たんぱく質は、筋肉の疲労回復を促す効果もありますので、有酸素運動後のプロテイン摂取は運動を継続していくためにも大きなサポートとなります。
プロテインダイエット方法のコツ3つ[食事]
ダイエット中は食事量を制限し少なくするため、栄養のバランスが崩れがちです。プロテインダイエットでも3食で摂っていた栄養素を2食で摂る必要があるため、バランスの良い食事内容が必要になります。
■①糖質は少なめに
せっかく普段の食事をプロテインに置き換え、糖質や脂質を減らしてたんぱく質の摂取量を高めたとしても、残り2食でいつも以上に糖質や脂質を多く摂取してしまったらプロテインダイエットは成功しません。
特に糖質を多く摂ることは体脂肪の蓄積につながります。プロテイン以外の食事でも糖質(ご飯やパン、麺類、イモ類など)の摂取は控えめにした方が良いでしょう。
3食のうち夜の糖質摂取は、他の食事の時よりも少なめにすることを意識するとよいでしょう。
■②たんぱく質は多めに
プロテイン以外の食事時もたんぱく質を中心にすることで、ダイエットの効果が出やすいです。
短期間で一気に体型を変え痩せさせるトレーニングジムが流行っていますが、そのようなジムでの食事管理はたんぱく質を多くとり、糖質は極力摂らない方法で行われていることが多いです。
特に筋トレをしている人は、普段の食事でもたんぱく質をしっかり摂取する必要があります。肉や魚などのおかずを中心に食べるように心がけるとよいでしょう。
■③ビタミンやミネラルなどのサプリメントの活用も検討
食事回数が少なることにより必要な栄養素が不足してしまい代謝が悪くなってしまっては、ダイエットの効率も悪くなってしまいます。特に代謝にかかわるビタミン類や鉄分、ミネラルなどは不足しがちになってしまいます。その際は食事バランスを整えるだけでなく、サプリメントを使い不足分を補うことも必要になります。
プロテインダイエットを始めたら体調がいまいちよくない気がする…という場合は栄養素が足りていない可能性がありますので、サプリメントの活用も検討してみましょう。
おすすめのプロテイン3選
ここでは、プロテインダイエットとして使うのにオススメなプロテインを紹介します。
味や価格、使いやすさなど、好みのプロテインを探す参考にしてみてください。
■①[Kentai]ウェイトダウン ソイプロテイン
健康体力研究所が販売しているソイプロテインです。大豆から作られた植物性たんぱく質のプロテインをソイプロテインといいます。たんぱく質含有率が70%以上と他のダイエット用プロテインに比べ高く、筋トレをしながらプロテインダイエットをする人にオススメのプロテインです。
食物繊維が含まれているため腹持ちが良く、ダイエット時に不足しやすいビタミンやミネラルも配合されている高品質のプロテインといえます。
■②[DHC]プロテインダイエット
DHCから発売されているプロテインです。たんぱく質の含有率は低めですが、ダイエット時に不足しがちな栄養素を含んだ、置き換えダイエット用に作られた商品です。1食ずつ小分けになっているので、携帯しやすくどこでも摂取しやすいのは嬉しいポイントです。
化粧品メーカーとしても有名なDHCが出しているプロテインということで、女性の方は手に取りやすい商品だといえます。
■③[ZAVAS]シェイプ&ビューティー
お菓子で有名なmeiji(株式会社 明治)が発売している女性向けに販売されたプロテインです。このプロテインにはコラーゲンが配合されており美容にも効果があります。ソイプロテインは女性ホルモンと似た働きをしてくれるイソフラボンを豊富に含んでいるため、ダイエット効果の他に美容効果や女性に多い骨粗鬆症や更年期障害などを予防するのに効果的なプロテインです。
プロテインの種類はいくつかありますが、ダイエット目的に使う場合は、カゼインプロテインかソイプロテインをオススメします。
プロテインの効果的な飲み方と時間
プロテインの飲み方や時間も意識してみましょう。基本的には大きな違いはありませんが、プロテインを継続しやすいよう、自分好みにアレンジしましょう。
■プロテインの効果的な飲み方
プロテインを飲むときに、何で溶かせばいいのか悩むことがあります。
味や飲みやすさなど自分の好みに合わせて選べば、基本的にはどんなものでも問題ありません。ただ、少しでもこだわりたいという人は水で飲むことをオススメします。
プロテインを水で飲むことをオススメする理由は、水にはカロリーがないということです。
牛乳やジュース、スポーツドリンクなどで溶かすことで少なからず摂取カロリーが増えてしまうのですが、水の場合はその心配がありません。少しでもストイックにダイエットしたいという人は水で溶かして飲むようにするとよいでしょう。
その他の飲料でも様々なメリットがあります。
牛乳で飲むメリットとしては、味が美味しくなり飲みやすくなることが挙げられます。ただ、牛乳で摂取する場合、牛乳に含まれる乳糖という成分によりお腹が痛くなったり緩くなったりする人がいます。そのような症状が現れる人には牛乳でプロテインを飲むことはオススメできません。
スポーツドリンクや果汁100%ジュースで溶かして飲む方も多いようです。そのような飲料には疲労回復効果のあるクエン酸や、ビタミンやミネラルなども摂取できるというメリットがあります。ただ、糖質が多く含まれており、摂取カロリーが増えてしまうためダイエット時にはあまり適していません。
■プロテインの効果的な摂取タイミング
プロテインダイエットの場合は、普段の食事に置き換える方法でプロテインを摂取するので朝食・昼食・夕食時に摂取することが基本ですが、食事時に飲まずに筋肉づくりに効果的なタイミングで摂取するという方法もあります。
筋肉づくりに効果的な摂取タイミングは2つあります。筋トレ直後と就寝前です。
<筋トレ直後>
筋トレ直後は筋肉の合成が効果的に行われるタイミングです。筋トレ直後にたんぱく質を補給することで効果的に筋肉がつくられます。筋トレをしっかり行うのであれば、30分以内にプロテインを摂取するようにしましょう。
<就寝前>
就寝中は成長ホルモンが多く分泌されるため、筋肉がつくられやすい時間帯です。就寝中にたんぱく質を補給できればいいのですが、寝ているため食事することができません。そのため、就寝前にしっかりとたんぱく質を補給しておくことで、就寝中の筋肉づくりを効率よく行うことができるのです。
まとめ
プロテインダイエットだからといって、すべての栄養摂取をプロテインに頼ってしてしまっては健康を害しますし、そんな方法は長続きするはずありません。健康的にダイエットするためには栄養バランスを整えたうえで、摂取カロリーを減らす必要があるからです。
普段の食事に+αとしてプロテインを活用することで、必要な栄養素を補給しつつ摂取カロリーを減らすことができますので、食事制限のダイエットをする前に手軽に行えるプロテインダイエットに挑戦してみましょう。
トレーナーとして活動しています。ダイエットやトレーニング方法についてお伝えします。