※この記事は、パーソナルトレーナーを行う専門家が書いています。
気温が高くなると、腕を露出する服装が多くなりますよね。そんな時に、「筋肉質の太い腕」や「引き締まった腕」が見えることで、普段からトレーニングをしているのを感じさせ、健康的な良い印象を与えることができます。
太く逞しい腕や引き締まった腕を作るためには、腕の裏側にある「上腕三頭筋」を鍛えるのが効果的です。
今回は上腕三頭筋を鍛える様々なエクササイズを紹介していきます。
上腕三頭筋はどこ?場所と筋肉の構造
上腕三頭筋とは腕の裏側にある筋肉です。名前の通り、3つの頭(付着部)がありそれぞれ長頭・内側頭・外側頭と呼ばれています。
上腕三頭筋の中で最も長いのが「長頭」です。長頭は肩甲骨から尺骨(前腕を構成する骨)にかけて走行しており、3つの頭の中で唯一肩関節と肘関節をまたいでいる多関節筋です。
上腕三頭筋の中で一番深層にあるのが「内側頭」です。上腕骨と尺骨にかけて走行しており、肘関節だけをまたいでいる単関節筋です。
上腕三頭筋の中で外側に位置しているのが「外側頭」です。内側頭同様、上腕骨と尺骨に走行しており、肘関節だけをまたいでいる単関節筋です。
内側頭と外側頭は、合わせて短頭と呼ばれることもあります。
上腕三頭筋の働きと役割
上腕三頭筋の主な働きは、肘の伸展です。荷物を頭上に持ち上げるなど、肘を曲げたところから力を入れて肘を伸ばしていく時に力を発揮します。
その他にも肘関節が動いていない状態での押す動作や、手を頭上に上げた際に肩関節の内転動作(腕を横に下してカラダに近づけていく)動作などで力を発揮します。
日常生活で使われることはそれほど多くないため、筋力が低下しやすくたるんだ腕になってしまう原因の一つです。上腕三頭筋は上腕二頭筋に比べ筋肉量が多いため、腕を太くしたい場合はしっかり上腕三頭筋を鍛えることが、効率が良く逞しい腕を作る近道であるといえます。
上腕三頭筋を鍛える筋トレ方法5選【自重・器具なし編】
ここでは、ダンベルやバーベルなどの器具やマシンがない場合でもできるエクササイズを紹介します。
■1. リバースプッシュアップ
簡単に行うことができる自重のエクササイズです。
女性でも簡単にできるのでぜひチャレンジしてみましょう。
1. イスに座ります。両手をお尻の横につき、カラダを支えます。
2. 手でしっかりカラダを固定し、お尻を浮かせます。足を遠くにつき、肘をまっすぐ伸ばしましょう。
3. お尻をイスから外し、肘を曲げていきカラダを下していきます。
4. 下ろせるところまでいったら、肘を伸ばしていき、元の姿勢に戻ります。
5. この動作を繰り返します。
カラダを下す時は、カラダを前に動かさず真下に下すようにしましょう。肘があまり曲げられない場合は膝を曲げ、足のつく位置を手前にすると負荷が減ります。
カラダを持ち上げるときは上腕三頭筋でしっかり押すように意識し、足の力を使わずに行いましょう。
■2. プッシュアップ
腕立て伏せも上腕三頭筋を鍛えるのに効果的なエクササイズです。
1. 腕立て伏せの姿勢になります。この時、手幅は肩幅よりも拳2個分外側に広げて床につきます。
2. 肘を曲げてカラダを下していきます。胸が地面にくっつくくらいの位置まで下ろすとよいでしょう。
3. 下ろせるところまでいったら、肘を伸ばしカラダを持ち上げていきます。
4. この動作を繰り返します。
しっかりカラダを下すことで上腕三頭筋に多く刺激が入ります。動作がしっかりできない場合は、膝つきで行うなど負荷を減らし大きな動作ができるように調整しましょう。
■3. ナロープッシュアップ
手幅を狭くして行う腕立て伏せです。手幅を狭くすることにより通常よりもより上腕三頭筋に刺激が入ります。
1. 腕立て伏せの姿勢になります。手幅は手が三角形を作るように親指同士をくっつけ床につきましょう。
2. 肘を曲げてカラダを下していきます。この時、しっかりと脇を締めたまま肘を曲げていき、胸が手にくっつくくらいの位置まで下ろすとよいでしょう。
3. 下ろせるところまでいったら、肘を伸ばしカラダを持ち上げていきます。
4. この動作を繰り返します。
手幅を狭くすることで負荷が大きく高まります。腕立て伏せがしっかりできる人はチャレンジしてみましょう。カラダを下す時は、肘が開かないように脇を締めたまま動作を行います。また、動作中お尻の位置が上がったり下がったりせず、常に一直線になったまま動作を行いましょう。
■4. ニーリング・ナロープッシュアップ
ナロープッシュアップの強度を低くするために、膝をついた状態で行う方法です。
1. 腕立て伏せの姿勢になります。手幅は手が三角形を作るように親指同士をくっつけ床につきましょう。膝を90度に曲げ、膝を床につけましょう。
2. 肘を曲げてカラダを下していきます。この時、しっかりと脇を締めたまま肘を曲げていき、胸が手にくっつくくらいの位置まで下ろすとよいでしょう。
3. 下ろせるところまでいったら、肘を伸ばしカラダを持ち上げていきます。
4. この動作を繰り返します。
膝をつくことで負荷が低くなり、筋力が低い人でも行うことができます。その際もしっかり脇を締め、下までカラダを下すように意識しましょう。
■5. アイソメトリクス・デスクプッシュ
女性でも簡単に行うことができるエクササイズです。
1. テーブルの上に前腕部をのせます。手は握り拳にして親指が上になるように立て、肘はテーブルから外しておきましょう。
2. テーブルをグーッと押すように拳に力を入れます。
3. 力を入れ続けたまま、決められた時間キープします。
力を入れる意識によって強度が変わります。せっかくならできるだけ力を入れるように意識して行いましょう。
上腕三頭筋を鍛える筋トレ方法4選【ダンベル編】
ダンベルを使って行う上腕三頭筋のエクササイズを紹介します。
■6. フレンチプレス
ダンベルを使って長頭を刺激するエクササイズです。
1. 両手でダンベルを持ちます。プレートの部分を両手で支える形でダンベルを保持するとよいでしょう。両腕は肘を伸ばしたまま頭上に伸ばします。
2. 肘の位置を固定したまま、ゆっくりと肘を曲げていきます。動作中、肘が開き過ぎないように注意しましょう。
3. 曲げれるところまで曲げたら、肘を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4. この動作を繰り返し行います。
肘を曲げきった際に反動を使って持ち上げてしまうと、肘に大きなストレスがかかり傷めてしまう原因になります。肘を曲げた時に肘が痛む場合は、曲げる角度を浅くして痛みがないところまで下ろすようにしましょう。
初心者の場合、動作中に肘が前後に動いてしまう人が多いです。動作中に肘が動いてしまう場合は片腕ずつ行い、反対の手で肘を固定するとよいでしょう。
■7. トライセップス・キックバック
ダンベルを使って行う基本的な上腕三頭筋のエクササイズです。
1. 左手でダンベルを持ちます。ベンチなどに右手と右膝をのせ、カラダを前傾します。
2. 左腕を垂らした状態から、肘を持ち上げ脇腹に固定します。この時、肘が90度になるようにしましょう。
3. 肘の位置を動かさないようにして、曲げた肘を伸ばしていきます。
4. 伸ばしきったらゆっくりと肘を曲げていき、元の姿勢に戻ります。
5. この動作を繰り返し行います。反対側も同様に行いましょう。
しっかり肘を伸ばしきったところでグッと力をいれ上腕三頭筋を意識することがポイントです。重すぎる重量設定は、肘をしっかり伸ばすことができず反動などを使ってしまいがちになり効果が半減してしまいます。
ダンベルのプレート部分を天井に向けるように意識すると、動作がやりやすくなります。
■8. ライイング・ダンベル・トライセップス・エクステンション
寝た姿勢で行うエクササイズです。
1. ダンベルを両手で持ち、ベンチの上に寝ます。肘を伸ばし顔の前にダンベルを構えましょう。
2. 肘の位置を固定したまま肘を曲げ、ダンベルを下していきます。
3. 下ろせるところまでいったら、肘を伸ばしダンベルを持ち上げていきます。
4. この動作を繰り返します。
ダンベルは両手で重い一つのダンベルを持っても良いですし、左右それぞれ1個ずつダンベルをもって行ってもどちらでも大丈夫です。ダンベルはしっかり持って、顔に落下してこないように気をつけましょう。初心者の場合は、両手で一つのダンベルを持った方が安全です。
動作を片腕ずつ行う方法もあります。その場合は反対の手で肘が動かないように固定するとより正確な動作を行うことができます。
■9. クローズグリップ・ダンベルベンチプレス
ダンベルベンチプレスの手幅を狭くすると、上腕三頭筋を刺激することができます。
1. ダンベルを両手にそれぞれ持ち、ベンチの上に寝ます。肘を伸ばして顔の前にダンベルを構えます。手のひらを内側に向けるようにしてダンベルを持ち、両手は肩幅よりも狭めになるように近づけておくようにしましょう。
2. 脇を締めたまま肘を曲げながら、ダンベルを下していきます。ダンベルは胸の位置まで下しましょう。
3. 下ろせるところまでいったら、肘を伸ばしダンベルを持ち上げていきます。
4. この動作を繰り返します。
手幅が広くなってくると、上腕三頭筋よりも大胸筋にかかる刺激が増えます。そのため、動作中キツくても手幅は肩幅よりも狭めにするように意識しましょう。
ダンベルを持ち上げる時に反動を使いやすので注意が必要です。反動を使うことで肘にかかるストレスが増え、ケガのリスクが高まります。
上腕三頭筋を鍛える筋トレ方法9選【器具・マシン編】
トレーニングマシンなど専用の器具を使った上腕三頭筋のトレーニング方法を紹介します。
■10. トライセップス・プッシュダウン
ケーブルマシンを使って行うエクササイズです。
1. ケーブルマシンの前に立ちます。アタッチメントはストレートバーやトライセプスVバーを使います。
2. ケーブルを一番上にセットし、バーは順手で握ります。
3. 肘が前後に動かないように固定したまま、肘を伸ばしていきます。
4. しっかりと肘を伸ばしきったら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。
5. この動作を繰り返します。
バーを握る手幅によって、ターゲットとなる部分が変わります。手幅を広めにしてバーを握ることで外側頭に、手幅を狭めに握ることで内側頭に刺激を入れることができます。
バーの握り方にも注意が必要です。親指をひっかけて手全体で握るサムアラウンドグリップよりも、親指を他の4本と同じ並びで握るサムレスグリップほうが、動作を行いやすいという人も多いようです。サムレスグリップはサムアラウンドグリップに比べ、手が滑ったりした場合にバーがすっぽ抜ける危険性があります。初心者の場合は、慣れるまでしっかり親指もしっかり握るようにしましょう。
■11. ロープ・トライセップス・プッシュダウン
ロープのアタッチメントを使って行うトライセップス・プッシュダウンです。
1. ケーブルマシンの前に立ちます。ロープを使います。
2. ケーブルを一番上にセットします。ロープは順手で握り、手のひらが内側を向くようにします。
3. 肘が前後に動かないように固定したまま、肘を伸ばしていきます。
4. しっかりと肘を伸ばしきったら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。
5. この動作を繰り返します。
ロープを使用することで長頭を刺激することができます。肘を伸ばしきった時に手首を返し掌が下を向くようにグッと力を入れると、より刺激を与えることができます。
■12. リバースグリップ・トライセップス・プッシュダウン
トライセップス・プッシュダウンのグリップを変化させたエクササイズです。
1. ケーブルマシンの前に立ちます。アタッチメントはストレートバーやトライセプスVバーを使います。
2. ケーブルを一番上にセットし、バーは逆手で握ります。
3. 肘が前後に動かないように固定したまま、肘を伸ばしていきます。
4. しっかりと肘を伸ばしきったら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。
5. この動作を繰り返します。
逆手で握ることで、内側頭を意識しやすくなります。
順手よりもバーがすっぽ抜けやすくなるので、サムアラウンドグリップでしっかり握るようにしましょう。
■13. ケーブル・オーバーヘッド・トライセップス・エクステンション
ケーブルマシンを使って、頭上で動作を行うエクササイズです。
1. ケーブルマシンの前に立ちます。アタッチメントはロープを使います。
2. ケーブルを一番下にセットし、ロープを握ります。ケーブルマシンに背中を向け、ロープを握った手を肘を曲げたまま頭上に持ち上げましょう。
3. 肘が前後に動かないように固定したまま、肘を伸ばしていきます。
4. しっかりと肘を伸ばしきったら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。
5. この動作を繰り返します。
動作中に脇が開かないよう、肘がしっかり正面を向くようにして動作を行います。
肘を伸ばす時に反動を使ったり上体を前後に動かしたりすると、負荷が低くなってしまいます。上体はしっかり固定して動作を行うようにしましょう。
■14. ディップス
ディップスバーを使って行うエクササイズです。
1. ディップスバーを使用します。ディップスバーには手幅を変えられる(広め・狭め)のものがあります。手幅は狭めにすると上腕三頭筋に効かせやすくなります。
2. 両手でディップスバーを握り、カラダを持ち上げます。脚はまっすぐ伸ばすか、膝を曲げて後ろで組みカラダを安定させましょう。
3. 肘を曲げながらカラダを下していきます。しっかりカラダを下せる場合は、肩が肘と同じ高さくらいになるまで下ろしていきましょう。
4. 下ろせるところまでいったら、肘を伸ばしていき、元の姿勢に戻ります。
5. この動作を繰り返します。
負荷が高いエクササイズです。初心者の場合は、ディップスマシンを使い体重よりも軽い負荷から始めてみましょう。自重だけで何十回もできる人は、ウエイトで加重しましょう。雑な動作は肘や肩を傷めます。反動を使わず動作スピードをコントロールしながら行いましょう。
■15. クローズグリップ・ベンチプレス
ベンチプレスも手幅を狭くして行うと、上腕三頭筋に強い刺激を与えることができます。
1. ベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます。
2. 手幅は肩幅よりも握りこぶし1個分内側くらい狭めにしてバーを握ります。この時、しっかり肩甲骨を寄せ、胸を張った姿勢を作っておきましょう。
3. 肘を曲げていきバーをゆっくりと下していきます。動作中、脇を締めながら肘を曲げるように意識しましょう。
4. 乳首の上あたりを目安に下します。下ろせるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
5. この動作を繰り返します。
動作中に手首が反ったり肘が外側に開かないように注意しましょう。反動を使わず正しいフォーム・動作ができるように、適切な重量設定で行うようにしましょう。
■16. バーベル・ライイング・トライセップス・エクステンション
バーベルを使って寝た姿勢で行うエクササイズです。
1. ベンチの上に仰向けに寝ます。肩幅程度に手を広げてバーベルを持ち、肘を伸ばして顔の前でバーベルを構えます。
2. 肘の位置を固定したまま肘を曲げ、バーベルが顔の前にくるように下していきます。
3. 下ろせるところまでいったら、肘を伸ばしバーベルを持ち上げていきます。
4. この動作を繰り返します。
バーベルをしっかり保持して行いましょう。普通のバーベルシャフトでは長さが長く安定させるのが難しいです。EZバーやショートシャフトなどを活用しましょう。
■17. チューブ・トライセップス・エクステンション
チューブを使って行うエクササイズです。
1. 片手でチューブを持ちます。チューブの端を足で踏み、固定します。チューブを持った腕は肘を伸ばしたまま頭上に伸ばします。
2. 肘の位置を固定したまま、ゆっくりと肘を曲げていきます。反対側の手で肘を固定すると肘が動かずに安定して動作を行うことができます。
3. 曲げれるところまで曲げたら、肘を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
4. この動作を繰り返し行います。
動作中、肘が開き過ぎないように注意しましょう。チューブを張れば張るだけ強度が高まります。肘を伸ばした時にしっかりと負荷がかかるようにチューブの長さを調整しましょう。
■18. チューブ・プッシュダウン
チューブを使ってプッシュダウンの動作を行うエクササイズです。
1. チューブを頭上より高い場所で固定します。チューブを順手で握り、手のひらが内側を向くようにします。
2. 肘が前後に動かないように固定したまま、肘を伸ばしていきます。
3. しっかりと肘を伸ばしきったら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。
4. この動作を繰り返します。
ケーブルで行うエクササイズに比べ、肘を曲げて戻す時の動作の負荷が弱くなりやすいので、チューブを短めに持つとよいでしょう。自宅でも簡単に行えるため、女性にオススメのエクササイズです。
毎日やるべき?上腕三頭筋の筋トレを行う頻度と回数
上腕三頭筋はどのくらいのペースで鍛えると効果的なのでしょうか。
■上腕三頭筋の筋トレを行う頻度
上腕三頭筋のエクササイズを行いしっかり追い込むのであれば、週1~2回くらいが適当です。上腕三頭筋は胸や肩のトレーニングの時も使われるため、あまり高頻度で行うとオーバーワークになってしまい成長が停滞したりケガにつながるなど逆効果になってしまいます。
上腕三頭筋をメインとしたトレーニング日を設けるのであれば週1回にしましょう。
■筋トレメニューの組み方
上腕三頭筋は協働筋として使われることが多いため、トレーニング部位の組み合わせ方が重要です。
胸や肩のトレーニングの時に上腕三頭筋が疲労していたり筋肉痛の状態であると、メインの胸や肩のエクササイズを高強度で行うことができない場合があります。
また、上腕三頭筋の状態が万全でも先に鍛えてしまうと、筋肉の小さい上腕三頭筋が先に疲労してしまい大きい筋肉である胸や肩の筋肉を効果的に鍛えることができません。
胸や肩のトレーニングを行った後に、上腕三頭筋のトレーニングを行う方が効率的です。
■上腕三頭筋の筋トレを行う回数
トレーニングの効果を左右する一つの要因は反復回数です。トレーニングを行う目的によって回数を定め、できる回数に合った重量設定を行う必要があります。
<筋力の向上>
筋力の向上(重いものを持ち上げられるようになる)を目指す場合、5~7回で限界がくるくらいの重量設定で行います。
<筋肥大>
筋肉を大きくする筋肥大が目的の場合は、8~12回で限界がくるくらいの重量設定で行いま
す。
<筋肉の持久力>
筋肉の持久力(同じ動作をしても疲れにくくなる)を高める場合は、13~15回で限界がくるくらいの重量設定で行います。
上腕三頭筋の場合は、高強度のエクササイズでしっかり追い込むことで筋肥大しやすい筋肉なので、10回×3セットで効果が停滞してきたら高重量で行うようにしてみましょう。
上腕三頭筋の効果的な鍛え方のコツ8つ
ここでは上腕三頭筋を鍛えるためのコツを紹介していきます。トレーニング時の参考にしてみてください。
■①肘を固定する
上腕二頭筋のトレーニング同様、しっかり上腕三頭筋に刺激を入れるためには肘を固定し動かないようにすることがポイントです。
高重量を扱うと、どうしても肘が前後に動いてしまい他の部分に刺激が逃げやすくなります。しっかり肘を固定したまま動作を行える重量を扱いましょう。
■②可動域を最大限に動かす
関節可動域をフルに動かすように肘をしっかり伸ばすことも、しっかり刺激するためには欠かせません。ウエイトを動かす範囲が狭ければ、その分動作時間も少なくなり負荷が低くなります。
ただし、肘をロック(完全に伸ばしきる)すると関節への負担が増えたり、力を入れなくてもウエイトを保持できてしまいます。故障や筋肉に効果的に刺激を入れるためにも、肘は完全に伸ばしきらないようにしましょう。
また、最大屈曲をすると肘が痛む場合は無理をせず、痛みを感じない程度のところに留めておきましょう。
■③反動を使わない
動作中に反動を使ってしまわないように注意しましょう。重い重量を扱う場合には特に注意が必要です。
上腕三頭筋のエクササイズでは、肘を大きく曲げた後の伸ばす動作へ切り替える際に反動を使ってしまいがちです。反動を使うと肘への負担が増し、ケガを引き起こすリスクが高くなります。
■④長頭と内側頭・外側頭のターゲットを意識して
上腕三頭筋のエクササイズに慣れてきたら、より高度なテクニックである長頭・内側頭・外側頭にそれぞれターゲットを絞りエクササイズを選択してみましょう。
長頭は頭上にダンベルを持ち上げて行う種目、内側頭は肘を絞って行う種目、外側頭は肘を開いて行う種目というように覚えておきましょう。そのエクササイズがどこに効いているかを意識することでも効果は高まります。
■⑤戻す動作(エキセントリック)も意識して
上腕三頭筋の場合、肘を伸ばすように力を入れていくところだけでなく、肘を曲げて元の姿勢に戻していく場面でもしっかり動作スピードをコントロールして行うようにしましょう。
筋肉が引き伸ばされながら力を発揮するエキセントリックといいますが、エキセントリック局面で脱力してしまうと筋肉に対する刺激が少なくなったり、ケガにつながる恐れがあります。逆にしっかりとエキセントリック時も筋肉を意識して行うことで、筋肉に大きな刺激を与えることができます。
■⑥高重量を扱う場合は両手で、意識して行う場合は片手ずつ
上腕三頭筋は小さい筋肉の中でも高重量を使ってトレーニングを行うことが多い部位です。
バーベルやダンベルで高重量を扱う場合は、安全面から見ても両手で保持して行うものを選択しましょう。片手で保持するエクササイズでも高重量を扱うことはできますが、不安定性が高くケガなどのリスクが高まるので、トレーニング上級者のみにオススメです。
片手で保持して行うエクササイズはより筋肉を意識しやすいため、追い込む際の軽い負荷でのエクササイズに適しています。高重量のエクササイズを行った後に、片手で軽めの負荷で高回数のエクササイズを行うと筋肉を限界まで追い込むことができるでしょう。
また、初心者の場合は反対の腕で肘を支え固定できるため、エクササイズに慣れるまでは負荷を少なくし、しっかり肘を固定して片腕ずつ行うのも良いでしょう。
ケーブルマシンも片手用アタッチメントを使えば、片手ずつトレーニングを行うことができます。
■⑦腕だけのトレーニング日を作る
基本的に胸や肩のトレーニング日に一緒に上腕三頭筋を鍛えることが多いですが、たまには腕だけを集中して鍛える日を設けても効果的です。トレーニング時間を長くとることができるのでいつもよりも多くのエクササイズを実施することができたり、疲労していない状態で始められるため高重量を扱え、大きな刺激を与えることができます。
腕だけのトレーニング日を作る場合は、トレーニングメニューを調整する必要があります。次の日に胸や肩のトレーニングを計画していると、上腕三頭筋の疲労や筋肉痛が抜けずにメインの胸や肩のトレーニングの強度も低下してしまいます。腕のトレーニング後は休養日にしたり、背中や脚のトレーニングなど上腕三頭筋を休ませることができるメニューにしましょう。
■⑧手首の角度
ケーブルでのプッシュダウンやライイング・トライセップス・エクステンションなどを行う際は手首の角度にも注意しましょう。手首が反っていると負荷が逃げてしまうだけでなく、手首の関節に大きなストレスがかかり痛みを感じる原因にもなります。
動作中は手首を返さず、前腕部から真っすぐな状態をしっかり保って行いましょう。もし、手首を固定するのが難しいようであればリストストラップなどのギアを使うことで効果的にエクササイズができるようになります。
まとめ
上腕三頭筋は、魅せるカラダに欠かせない部分です。しっかり鍛えることで、腕の裏側のたるみを減らし引き締まった腕を作り上げることができます。
上腕三頭筋は日常生活で使われることがそう多くはありません。そのためトレーニングで意識的に鍛えておきたい部分の一つでもあります。専用のマシンやダンベルがなくても、自重でのトレーニングやチューブやペットボトルなどを工夫して使うことで自宅でも効果的にエクササイズすることができます。
上腕三頭筋を鍛え、引き締まった腕を作り上げましょう!
トレーナーとして活動しています。ダイエットやトレーニング方法についてお伝えします。