女性なら誰しも考え、悩んでしまうヒップアップ。
うまくいかない理由は鍛え方が足りないだけでなく、日常の姿勢やシューズ、下着選びにもあるのです。
まずはお尻が垂れる理由を分析。そして、定番であるスクワットをはじめ、ヒップアップに効果的な10の方法をご紹介しましょう。
お尻がたるむ・垂れる4つの理由
■1. 骨盤を突き出した座り方
「お尻がたるむ・垂れる理由」…このタイトルを読んでいる時、皆さんはどんな姿勢でいましたか?
そのまま姿勢を正さずに、自分の座り方をチェックしてみてください。
椅子に深く腰かけて、肩甲骨を閉じるように少し胸を張った姿勢で座っていた方、OKです! 日頃からお尻がたるまない、正しい座り方ができていますね。
では、椅子に浅く腰かけて、背中は丸め気味で背もたれに寄りかかっていた方、残念ながらNGです。骨盤が傾いてしまい、お尻がたるんだり垂れやすい座り方になってしまっています。こうした座り方は腰痛の原因にもなりますし、背中が丸まって肩甲骨が開いていることで肩こりや頭痛ににもつながってしまいます。
椅子に浅く腰かけているということは、背骨の真下にある骨「仙骨(せんこつ)」に体重がかかっている状態です。骨盤全体ではなく、骨盤の一部である仙骨に上体の体重のほとんどがかかってしまうため、腰痛につながりやすいのです。
何気なくネットを見ている時に浅く腰かけていたということは、仕事や日常生活でもこの座り方がクセになってしまっている証拠。座り方のクセはなかなか直らないため、「深く腰かける」「肩甲骨を閉じて胸を張る」という2つのポイントを、日頃からしっかり意識するようにしてくださいね。
■2. 膝を出して歩く
日頃から高いヒールを履いている方は、膝を曲げて歩くケースが目立ちます。
不安定な姿勢になるため自然とバランスを取ろうとして膝が曲がってしまうのですが、はた目から見てあまり美しい歩き方といえないばかりか、足首とふくらはぎだけに負荷がかかるため、太ももとお尻の筋肉が使われず、たるみの原因となってしまうのです。
つま先から太ももまでが一直線になるように意識して、つま先から着地するように意識して歩くと、バランスが改善され、下半身全体の筋肉を使うことができます。慣れてきたら、頭を上下させず、頭からつま先まで一直線になった姿勢を目指すと、さらに美しい歩き方になりますよ。
靴の選び方も大切。かかとが極端に細いピンヒールは避けるのが無難です。
■3. 正座やあぐらを避ける
日本の伝統的な座り方である正座やあぐらですが、骨盤が傾きやすい座り方であるため、小さく引き締まったお尻を目指すという点では、あまり向いているとは言えません。
和服を着こなす時には、むしろお尻がやや低い位置にある方が映えるのですが、ひとまず今回の目標とは外れてしまうので脇に置き、なるべく椅子を使うように心がけましょう。
■4. 内股
「内股は女性らしい姿勢」という固定観念が定着しているため、自ら意識して内股にしている方もいます。たしかに可愛らしさを演出することはできますが、実はお尻がたるむ原因となる姿勢なのです。
内股とは、つま先が内側を向いているだけでなく、膝頭も内向きになっている状態を指します。この時、脚のラインはねじれるように歪んでしまうため、脚全体がカーブを描く「O脚」、膝下から外に開く「X脚」、両者の組み合わさった「X脚」になりやすいのです。内股まではま愛らしいで済んでしまいますが、O脚やX脚になると一転して女性特有の悩みになってしまいます。
O脚やX脚のように脚がカーブすると、股関節がひねられてしまい、骨盤が傾いてしまいます。するとお尻の筋肉が下がってしまい、たるみの原因となるのです。
お尻を引き締める!簡単ヒップアップエクササイズ方法18選
■1. スクワット
下半身トレーニングの定番。大臀筋を中心に鍛えられるのが特徴です。多くの方が膝を曲げることを意識してスクワットしていると思いますが、実は膝痛につながりやすい間違った方法です。
正しいスクワットのコツは「お尻を落とす」こと。膝がつま先より前に出ないことを意識しながらまず、腰から沈めていきます。膝の曲がる角度は浅いままですが問題ありません。
手は伸ばして身体の前に突き出しておきましょう。身体の上げ下げに合わせて腕を振るパターンもありますが、この方法は反動がつきやすいため自然と膝を深く曲げてしまいがちです。
■2. ショルダーブリッジ
あおむけに横たわって行う、初歩的なトレーニングです。「ヒップレイズ」の呼び方もあります。膝を立てて寝た姿勢からお尻を浮かせて、また戻すだけというカンタンさです!
持ち上げた時、背中からお尻までが一直線になるように心がけてください。エビぞりのように腰が突き出ていたり、少ししか浮いていない状態では大臀筋を刺激できません。
ポイントはお尻を浮かせた状態を5秒間キープすること。この時、鍛えたい部位であるお尻(大臀筋)に意識を集めて、固めるようにしてください。固める(=筋肉を緊張させる)だけで筋トレの効果がまったく違ってきます。
最初は10回×2セットを目標にしましょう。
■3. ヒップレイズ・シングルリフト
ショルダーブリッジを片脚だけで行うバリエーションメニューです。負荷が増えるのはもちろんですが、不安定な姿勢になるため、バランス感覚の育成や体幹のトレーニングにもなります。ショルダーブリッジ15回×3セットが無理なくできるようになったら移行する目安です。
あおむけに横たわった姿勢から片脚だけ伸ばして行います。
10回×2セットを目標にしましょう。
■4. タオル・ストレッチ
用意するものはフェイスタオルだけ。骨盤のゆがみを矯正する方法です。
脚をまっすぐ伸ばし、約90度にひらいて座ります。片足のつま先にタオルをひっかけ、腰を前に傾けるようにして上体を前に倒します。身体が固い人はタオルにつかまるようにして、息をゆっくり吐きながら前に倒しておきましょう。
倒す角度は浅くてもかまいませんが、腰が曲がらないように気をつけて! 骨盤から背中にかけてのラインが一直線になるよう、腰から倒すことを意識してください。
左右5回ずつ行います。
■5. ヒップエクステンション
大臀筋とハムストリングスを同時に鍛えられるエクササイズです。
四つん這いの体勢になります。両腕はしっかり伸ばし、猫背にならないよう注意してください。手と足は肩幅と同じに揃えます。息を吐きながら、片脚を伸ばして腰の高さまで持ち上げます。上げるというより、まっすぐ後ろに伸ばすイメージです。
脚を上げきったところで3秒静止。息をゆっくり吸いながら元の位置に戻します。ポイントは脚を伸ばした時、足のうらが天井を向いていること。天井を意識することで自然と脚全体がピンとする効果があります。
もうひとつ大切なのは上げきったところでの静止。これがないと筋肉への負荷が半減し、反動で脚を上げ下げするだけになってしまいます。
左右10回×2セットが目標ですが、意外とハードなので最初はできる回数分だけでもかまいません。
■6. ヒップアブダクション
ヒップエクステンションと角度を変えて大臀筋を攻める方法です。
身体を横向きにして床に寝ます。下側の手は頭の上にまっすぐ伸ばしてください。息を吐きながら、上側の脚を伸ばしたまま斜め45度に上げます。ヒップエクステンションと同じく、上げきったところで3秒間キープします。
息を吸いながらゆっくり脚を下します。ただし、床や下側の脚につかないようギリギリで止めてから再び上げる動作に入りましょう。静止時のキープと同じく、下がったところで一度筋肉を緩めさせないことにより筋肉に負荷を与えるテクニックです。
左右10回×2セットが目標ですが、これも最初はできる回数分だけでかまいません。苦しいとつい膝が曲がってしまいますが、脚は一直線をキープします。
今回はお尻の引き締めが目標なので、上げる時に大臀筋を固めるようにしますが、太もも引き締めを狙う場合には足の内側(内転筋)を意識してみてください。鍛えたい部位の違いによって同じエクササイズでも意識するポイントを変えていくのがコツです。
■7. バックエクステンション
大臀筋から背筋までが鍛えられ、美しい姿勢作りに役立つエクササイズです。
うつぶせになって横たわり、両手は頭上に突き出します。脚は肩幅に開いておきましょう。息を吐きながら、エビぞりのように両手両足を持ち上げます。これまでのメニューと同様に上げきったところで3秒静止します。息を吸いながら戻し、床に触れる手前で次の動作に入ります。
10回×2セットが目標です。無理すると腰に負担がかかるので、エクササイズの最中に不安を感じたらすぐにストップしてください。
■8. バックキック
四つん這いの姿勢から片脚を蹴りだすエクササイズです。ロバ(ドンキー)のしぐさにたとえて「ドンキーキック」とも呼ばれます。
方法はいたってシンプル。片足を後方の空中に向かって蹴りだすだけです。
これまでのエクササイズは膝を伸ばしたり、背中からお尻を一直線にしたりと、まっすぐに姿勢を維持することに重点を置いてきましたが、バックキックだけは別。軽く膝が曲がり、蹴り上げた脚が半円形にしなるフォームを意識しましょう。遠心力と勢いを利用した方が股関節の可動域が広がって、よいストレッチになるからです。
■9. レッグランジ
スクワットとならぶよく知られた下半身のエクササイズです。「フロントランジ」とも呼ばれています。ここで紹介した10の方法はいずれも自重のみを利用して行うものですが、レッグランジはダンベルを持つことによって負荷を増すことができます。ダンベルがなくても重い本や、ペットボトルで代用できますよ。
まず腰に手をあてて、脚を肩幅にひろげて立ちます。
次に一歩大きく前に踏み出し、息を吐きながらゆっくり腰を落としていきましょう。腰を落とすめやすは膝が90度に曲がるところ。そこから息を吸いながら上体を持ち上げます。
左右の脚で10回ずつ2セットが目安です。公園など広い場所で行う場合は左右交互に脚を踏み出し、前進しながらでもできます。
■10. バックランジ
上で紹介したレッグランジを逆の動きで行うだけです。大臀筋だけに与えられる刺激としては、今回紹介した中で指折りの強度を誇っています。
腰に手をあて、脚を肩幅にひろげて立った姿勢から、3歩分くらい大きく後ろに踏み出します。腰を落とす動作はレッグランジと同じです。膝は90度以上に曲がってもかまいませんので、床ギリギリまで下げていきましょう。下がりきったところで一度動きを止めて体勢をキープすると、さらに大臀筋を追い込むことができますよ。
■11. ヒップヒンジ
ヒップヒンジは股関節を意識して動かす、いわばお尻を鍛えるための基本動作をカラダに覚えさせる種目といっても良いでしょう。ヒップヒンジの姿勢や動作がしっかりできることで、他のエクササイズの姿勢も意識しやすくなり、お尻に対する刺激が増えるのです。
まっすぐ立った姿勢から軽く膝を曲げ、膝の角度を固定したままお尻を後ろに突き出すように動かし上半身を前に倒していきます。この時、頭だけが下がったり、背中が丸くならないように頭から腰までが一直線になるように気をつけましょう。いけるところまで行ったら、元の姿勢に戻ります。この動作を繰り返します。
それほど大きな負荷がかかる種目ではありませんが、姿勢を作るうえで大切なエクササイズです。10回×3セット姿勢を崩さず苦なくできるようになったら、負荷をかけたデッドリフトやルーマニアンデッドリフトに挑戦してみましょう。
■12. ダンベルデッドリフト
トレーニングのBIG3ともいわれるデッドリフトは重い重量を扱うことができ、下半身全体に大きな負荷をかけることができる種目の一つといえます。バーベルやダンベルを活用する必要がありますが、持っていない場合はペットボトルや袋に重いものを入れるなどして代用しましょう。
足を肩幅程度に開いて立ち、両手にダンベルなどの重りを持ちます。お尻を後ろに下げるように意識しながら、太ももやすねなどカラダの前面に添わせるようにしながら膝を曲げて重りを下していきます。この時、背中が丸くならないようにして股関節を曲げるように意識しましょう。床につくギリギリのところまで下ろしたら、元の姿勢に戻ります。戻る際もカラダの前面を添わせるように意識しながら戻していきましょう。
お尻への刺激を増やすためにはどんどん重りを重くしていく必要がありますが、重量を増やすと姿勢が崩れやすくなってしまいます。重さよりも正しいフォームで行うことを厳守し、10回×3セットを目安に行いましょう。
■13. ルーマニアンデッドリフト
デッドリフトに似た動作ですがカラダの後面を主に刺激する種目なので、お尻にかかる刺激が多いエクササイズといえます。
足を腰幅程度に開いて立ち、両手にダンベルなどの重りを持ちます。膝を軽く曲げたまま、お尻を後ろに下げるように意識しながら重りを下していきます。この時、膝は曲げ伸ばしをせず固定したまま背中が丸くならないようにして、股関節を曲げるように意識しましょう。上体が床と平行になるところまで下ろしたら、元の姿勢に戻ります。
ルーマニアンデッドリフトは股関節だけを動かす難しい種目になります。カラダを前に倒すという意識よりも、お尻を後ろに突き出すような意識で行うと動作がスムーズになります。カラダを前に倒した際にもしっかりお尻の筋肉を意識し10回×3セットを目安に行いましょう。動作が難しく感じる人は、ヒップヒンジを練習するとよいでしょう。
■14. ヒップスラスト
背中を乗せられるイスがあれば、お尻だけをターゲットとしたエクササイズが可能です。また、重りを使用することで強度が高まります。ペットボトルや本などを活用しましょう。
イスやソファーなどの座る部分に背中を軽く乗せ、寄りかかるような姿勢になります。腰幅程度に足を開き、膝を曲げて床につけます。重りを太ももの上に乗せ、肩・腰・膝が一直線になるようにお尻を持ち上げていきます。一直線になるところまで持ち上げたら、ゆっくり元の姿勢に戻ります。
動作中、お尻を上げようとして腰を反らせてしまう人が多いようです。腰を反らせることでお尻への負荷が少なくなるだけでなく、腰を痛める原因にもなります。それを防ぐためにもお尻を持ち上げる際に、顔の向きを天井方向ではなく、正面方向を見るようにあごを引くようにしましょう。また、お尻をぎゅっと締めるように意識することも重要です。10回×3セットを目安に行いましょう。
■15. ワンレッグランジ
レッグランジやバックランジが正確に行えるようになったら、強度の高いワンレッグランジにも挑戦してみましょう。左右交互に行う種目なので、よりお尻への意識がしやすく強度が高いエクササイズといえます。
ランジの姿勢のように脚を前後に開き、後ろ足をイスの上などに乗せましょう。前側の股関節に体重がかかるように、股関節と膝を曲げてカラダを下していきます。前の膝が90度になるくらいを目安にカラダを下ろしましょう。下ろせるところまで行ったら、元の姿勢に戻ります。片方10回行ったら反対側も同様に行います。左右それぞれ3セット行いましょう。
後ろ足はほとんど力を入れません。前に出した足の股関節を意識して、お尻に体重がかかるように膝を前に出さずに行うことがポイントです。膝がつま先よりも前に出るようであれば、一歩前足を前に出しより脚を大きく開くようにするとよいでしょう。
■16. サイドウォーク
横への動きでお尻を鍛えるエクササイズです。何も使わずにもできますが、チューブを使うことでよりお尻へ刺激が入りやすくなります。チューブを持っているようであれば、ぜひチャレンジしてみてください。
足を腰幅程度に開き、膝を軽く曲げます。上半身は軽く腰を反り、胸を張った姿勢になります。両手は腰にあてましょう。その姿勢を崩さないようにして左足を横へ一歩踏み出します。右足をひきつけ元の姿勢に戻ります。左側に10歩歩いたら、今度は同様の動作で右側へ10歩移動するようにしましょう。
動作中、上半身の姿勢が崩れたり膝や股関節がまっすぐに伸びてしまうと、お尻への負荷がなくなってしまいます。姿勢を変えずに動くということを意識して行いましょう。チューブを使う場合は丸く結んだチューブの中に両足を入れ、足を踏み出した時にチューブが伸びるようにすることで負荷がかかります。
■17.スタンディングヒップアブダクション
ヒップアブダクションを立った姿勢で行うエクササイズです。寝た姿勢で行うよりも負荷が軽くなります。
足を肩幅程度に開き立ちます。壁やイスの背もたれなどに手をつき、カラダを安定させましょう。片方の足を地面から少し浮かせます。膝をまっすぐにし足首を90度にしたまま、脚を横に開いていきます。この時、つま先の向きが外を向かないようにしっかりと正面に向けておきましょう。持ち上げられるところまで行ったら、元の姿勢に戻ります。反対側の脚も同様に行います。この動作を片方10回×3セットずつ行いましょう。
負荷は低めですが立ったまま簡単にでき、何かしながらでもできるので“ながらエクササイズ”として活用できる種目です。動作はできるだけ大きく行い、動作中常にお尻に力を入れておくように意識しましょう。
■18. ファイヤーハイドランド
消火栓の動きに似たことから名前がついたこのエクササイズですが、動きはまさに“犬のおしっこ”と表現した方が分かりやすいのではないでしょうか。
四つんばいの姿勢になります。肩の真下に手をつき、股関節の真下に膝をつくようにしましょう。つま先は地面につけておきます。この姿勢から片方の膝を真横に持ち上げていきます。この時、膝の角度が変わらないように股関節だけを動かしましょう。上げれるところまで上げたら元の姿勢に戻ります。片側10回行ったら反対側も同様に行い、左右3セットずつ行います。
脚を上げた際に、カラダが捻じれて左右の肩の高さが変わってしまうことがないように、しっかりお腹にも力を入れておきましょう。脚を高く上げる意識よりも、姿勢を崩さずに股関節だけを動かすような意識で動作を行うとよいでしょう。
美尻になるために心がけると良い日常行動3つ
■1. いつでもつま先重心
上の「膝を出して歩く」でも解説しましたが、つま先に重心を置くことは、お尻のひきしめにとってとても大切です。つま先に重心がかかることによって、自然とお尻の大部分を占める筋肉である「大臀筋(だいでんきん)」が刺激されるようになるのです。さらに、太ももの裏側にある筋肉「ハムストリングス」や、「ひらめ筋」などふくらはぎの筋肉にも負荷がかかるので、美脚も作ることができるのです。
つま先重心の使いどころは「いつでも」。歩く時はもちろん、階段を上る時も足全体でステップに乗るのではなく、つま先で踏むようにしてください。階段をつま先で上がると、ハムストリングスへの刺激を特によく感じられるはずです。
電車待ち、信号待ちの時も両脚を揃えてつま先立ちで。慣れないうちは長い信号を我慢できないはず。それほどつま先立ちは地味に筋トレとして効くのです。家に帰ってもつま先重心はまだまだ続きますよ。特にキッチンに立っている時はつま先立ちのチャンスです。
一ヵ月間ほどつま先重心を意識して生活していると、もう少しくらいつま先立ちを続けても、まったく疲れないはずです。同時に鏡の前に立つと、脚のラインに変化が見られていることでしょう。ここまでくると大臀筋と脚の筋肉が鍛えられているので基礎代謝がアップし、これまでと同じ食生活でも消費カロリーは増えています。いわば痩せやすい体質になりつつあるのです。
もうつま先立ちに慣れてしまったら、今度は片脚ずつ交互に5mmから1cmほど浮かせて、さらに負荷をアップさせてあげましょう。
■2. 大股でウォーキング
歩く時、つま先重心と並んでもうひとつ意識してほしいのが大股で歩くこと。「大股歩きダイエット」という方法もあるほど、大股歩きはお尻や脚の引き締めに有効なのです。
特別なテクニックは必要ありません。通勤、通学の際、ただ大股で歩けばよいだけです。「ドスドスした歩き方になるのでは?」なんて心配は平気。つま先重心を心がけていれば、自然とさっそうとした歩き方になります。脚の裏全体に体重をかけてしまうと、ドスドス、ノシノシになってしまうので気をつけましょう。
ひとつポイントを挙げるとしたら、踏みしめるように歩くのではなく、振り子のように脚を振るイメージで。上半身と脚がひもでつながっており、交互に振りながら歩くという感覚です。
実際に身体の構造を見てみると、脚と骨盤は「腸腰筋(ちょうようきん)」という、ひものような筋肉でつながっています。腸腰筋が発達するとお腹が引き締まり、内臓が正しい位置に持ち上げられてコンディションがアップします。アスリートの中には、1日数百回も脚を振り続ける腸腰筋トレーニングに取り組んでいる方もいます。お尻の引き締めと一緒にぜひ、大切な筋肉である腸腰筋の存在を思い出してあげてください。
■3. 下着に凝らない!?
これまで日常の姿勢や歩き方など、身体的な面に注目してきましたが、身につけている下着も重要な要素です。お洒落な下着、セクシーな下着をつけている方はちょっと注意が必要なのです。
お尻の肉は筋肉や骨盤によって支えられていますが、下着の働きも見逃せません。お尻全体にフィットする下着で包まれ、持ち上げられることで、たるみや垂れから守られている一面もあるのです。ブラを着けていないとバストが垂れてしまうのとまったく同じ理由です。
お洒落でセクシーな、言い換えれば布の面積が狭い下着ではお尻全体をカバーできません。ここ一番! という日にはもちろんOKですが、普段使いはなるべくお尻全体を包み込んでくれる下着を選びましょう。太ももからカバーしてくれる補正用下着もおすすめです。
太ももも一緒にスリムにするコツ
太ももも併せてスリムにしたいと考えている方は、大腿筋エクササイズの際、太ももの表側の筋肉である大腿四頭筋も意識するようにしてみましょう。
腰を落とす動きの時に大腿四頭筋、持ち上げる時に大臀筋というように一動作の中で集中するポイントを変えていきます。ヒップアダクションなら足の内側を狙います。ひとつのエクササイズでも意識するポイントを変えることで、複数の部位を効率的に鍛えることができるのです。
まとめ
・椅子に浅く腰かけ、下腹が突き出るような座り方はNG。お尻が垂れるだけでなく、腰痛や肩こりの原因にもなります。
・高すぎるヒールは膝が曲がりやすくなり、お尻のたるみにつながります。
・歩く時はつま先重心で大股に!
・レッグランジと、そのバリエーションであるバックランジは大臀筋に効くのはもちろん、大腿四頭筋も効率的に鍛えられます。
トレーナーとして活動しています。ダイエットやトレーニング方法についてお伝えします。