「加齢臭」。この言葉にどのようなイメージを持っていますか?満員電車の中で近くになったおじさん。年齢を重ねたお父さんの枕。おじいちゃんのコート。あくまでもイメージですが、中年男性や高齢男性を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
確かに年齢を重ねることによって中年以上の男性に加齢臭が生じてくることはあります。しかし、最近女性で加齢臭に悩む方も増えてきました。また、あくまで自分の体から発生する臭いであるため、加齢臭が出ていることに気づかない場合もありますし、生活習慣によっては20代、30代、40代といった年齢を問わず加齢臭が生じる場合もあるのです。
今回は、そんな女性の加齢臭について原因と対策を探っていきたいと思います。
加齢臭とは
そもそも「加齢臭」とは何なのでしょうか。ずばり、「2-ノネナール」という物質が増えることによって生じてくる体臭です。この2-ノネナールの大きな発生原因は「加齢」。そのため、中高年特有の体臭のことを指して「加齢臭」と呼ばれています。「オヤジ臭」なんて呼ばれ方をすることもあります。
しかし、加齢だけが原因だという認識は誤りです。それでは対策のしょうがないものということになってしまいますが、あくまで大きな原因が加齢なのであって、他にも発生の原因があります。ノネナールの様々な発生の原因やメカニズムを知り対策をとることで予防したり軽減することが可能です。正しい知識を身につけて、加齢臭を予防していきましょう。
加齢臭が発生するメカニズム
では、どのようなメカニズムで加齢臭は発生するのでしょうか。前述のとおり、加齢臭の原因は2-ノネナールという物質です。この物質は一体どこから来るのでしょうか。発生の原因を探るために、まずは大きく人間の体のつくりから考えていきましょう。
そもそも、人間の体は様々な物質から複雑に構成されています。最も多い成分は水。成人では身体の60~65%を占めます。次にたんぱく質、脂質、ミネラル・・・と続くのですが、ここで注目したいのは脂質。細胞を作ったり、肌の潤いの元になったりする重要な物質で、皮脂ももちろんこの脂質で作られています。
この皮脂に含まれる脂肪酸、9-ヘキサデセン酸という物質がノネナールの素。これが酸化分解されることでノネナールができ、加齢臭が出てきてしまうのです。
女性の加齢臭の原因5つ
■1. 食事が原因!?注意したい脂質の摂りすぎ
メカニズムのところでも記載しましたが、脂質は人間の身体にとって必要不可欠な物質です。しかし、必要以上に摂取してしまうと、余分な脂質が皮下脂肪となったり、血管の内側にたまったりと身体の様々な場所に蓄積してしまいます。そして、一部は過剰な皮脂となり、皮脂腺から分泌されます。
皮脂の中には9-ヘキサデセン酸が含まれますので、それが多くあればあるほど酸化分解されて生じるノネナールも増え、加齢臭が発生してしまいます。揚げ物のとりすぎ、ファーストフードのとりすぎには注意し、食事内容を見直すことが必要です。
■2. 臭うから洗う、は逆効果!注意したい肌の乾燥
人間の肌には適度な油分と水分が必要です。肌は最近などの外敵が体内に入らないためのバリアの役割を果たしているため、その機能が失われないように身体は日々肌を整えようと調整しています。そんな肌を、臭いが気になるからとがしがし洗ったらどうなるでしょうか。
石鹸による過度な洗浄は、肌に必要な水分や油分を奪ってしまいます。すると、肌の表面は乾燥しバリア機能が低下してしまいます。バリア機能の低下は身体にとって一大事ですので、乾燥を防ぐために潤いを保たせようとするのですが、人間の肌表面に存在する潤い成分を分泌できるものは皮脂腺のみ。つまり、水分は補充できず油分で何とか肌を潤そうとするのです。
すると、皮脂の分泌が増加するため、脂質を摂りすぎたときと同様にノネナールが増加してしまい、加齢臭の悪化につながります。洗浄もやりすぎると逆効果になってしまうので、気をつけましょう。
■3. 女性ホルモンの減少が皮脂増加につながる!
今回のテーマは女性の加齢臭についてですが、なぜ元々「加齢臭」が男性のイメージなのかというと、それはホルモンによるものです。男性ホルモンは皮脂の分泌を増加させるため、女性に比べて男性の方が加齢臭の大元となる皮脂を多く持っていることになります。
男性には男性ホルモンが、女性には女性ホルモンが主に存在しますが、実は人間の身体には両方のホルモンが備わっていて、多いほうのホルモンの作用が主に身体に現れるのです。女性ホルモンは30代後半から減少しますので、それに伴って男性ホルモンの影響が大きくなり、皮脂の分泌が活発化します。それが加齢臭の悪化につながっていくのです。
■4. 活性酸素が全ての老化を司る
「活性酸素」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。呼吸によって取り込まれた酸素が身体の中で化学反応を起こしてできる、反応性の高い物質の総称です。
この活性酸素、細菌やウイルスなどが増殖しないようにする働きを担う非常に重要な物質ですが、過剰な活性酸素は身体の老化を促進することがわかってきました。加齢臭発生のメカニズムのところで9-ヘキサデセン酸が「酸化分解」されることでノネナールになる、と記載しましたが、この「酸化分解」という反応を引き起こす物質こそが活性酸素なのです。
若いうちは抗酸化作用といって過酸化酸素に対抗する力が強いのですが、加齢と共に抗酸化作用は弱まってきます。それにより皮脂の酸化が進み、加齢臭の増加につながるのです。
■5. 腸内環境の悪化は間接的な原因
加齢臭の原因は「ノネナール」という物質であることは間違いありませんが、それだけに注意をしていればよいかというとそれもまた違います。いわゆる体臭や口臭が強くなると、加齢臭と悪い相乗効果を生み、より嫌な臭いを強く感じてしまうためです。
口臭・体臭を悪化させる原因として考えられるのが腸内環境の悪化。元々人間の腸内にはたくさんの菌が住み着いています。大きく「善玉菌」と「悪玉菌」に分類されるこれらの菌は常に絶妙なバランスを保つことで腸内の環境を整えていますが、様々な原因によってこのバランスが崩れると腸内で大量にガスが発生します。
このガスは食べ物が発酵してできるもので、メタンや硫化水素、アンモニアなどを指します。大半はおならとして体外に出て行きますが、多くは腸から再度体内に吸収されます。この再吸収されたガスが体中を回り、分解仕切れなかった分が皮膚表面や呼気に混じって排泄されます。これが嫌な口臭や体臭として感じられ、加齢臭をより強く嫌なものに変えていくのです。
加齢臭が発生する場所
加齢臭は身体の全ての部位から臭ってくるわけではなく、特に発生しやすい部位があります。原因のノネナールは皮脂が分解されてできますので、皮脂がより多く分泌される場所にできやすいのです。頭皮は皮脂腺が非常に多く、また耳の後ろは体温が高く臭いが出やすい部位です。そのため、よく加齢臭を感じやすいものが「枕」といわれます。
その他にも皮脂腺が発達していて汗の蒸れやすい脇や背中、意外に汗をかく胸元、皮脂腺が案外多い顔があげられます。
女性の加齢臭対策方法22個
■1. 脂肪の摂取を控える
何度も言うように、加齢臭の原因ノネナールの元は皮脂に含まれる9-ヘキサデセン酸です。身体に取り込まれる脂肪分が多ければ多いほど、排泄される分も増え皮脂も増えてしまいます。揚げ物やスナック菓子の摂取は控えましょう。
■2. 肉はできるだけ赤身のものを
ホルモンやカルビ、とてもおいしいですよね。しかし、これらの部位には脂が多く含まれています。たんぱく質はとても重要な栄養素ですので肉の摂取自体を制限する必要はありませんが、できるだけ赤身の部分を食べるようにし、スーパーなどで購入する際もバラよりこま肉などより赤い部分が多いものを選びましょう。
■3. より良質な脂をとろう
脂質もからだにとっては必要な栄養素なので、摂取をやめる必要はありません。しかし、マーガリンのような飽和脂肪酸や酸化しやすい動物性の脂、スナック菓子・ファストフードなどに含まれる酸化しやすい脂は良質なものとは言えません。
オリーブオイルのような植物性の良質な油や、コレステロール値を下げる効果もある魚の脂などより良質な油分を摂取するようにしましょう。ただし、どんなに良質なものでもとりすぎはNGです。ナッツの食べすぎなどには十分注意しましょう。
■4. 野菜から食べよう
食事の順番は非常に大切です。脂をあまりとらないようにしていても、出先で脂ものを食べることになることもあるでしょうし、何より、おいしい揚げ物やお肉を食べたくなることもあるでしょう。そんなときは野菜を最初に食べましょう。野菜に含まれる食物繊維を最初に摂取すると、後から腸に入ってきた脂肪分をからめとり、身体に吸収される分を減らして体外へ排出してくれます。
■5. 古い皮脂をふわっと洗い流そう
脂は時間がたつどどんどん酸化が進みます。ノネナールも「酸化」によってできる物質です。そのため、古い皮脂はしっかり洗い流しましょう。
しかし、強くゴシゴシこすってしまうと肌の表面を傷つけバリア機能が下がってしまい、肌の乾燥につながります。シャンプーもボディソープも洗顔フォームも、たっぷり泡立ててやさしくしっかり洗いましょう。
■6. 保湿で皮脂を撃退
肌が乾燥すると、潤いを保つセラミドなどの層が乱れてバリア機能が下がり、皮脂がどんどん出てきてしまいます。お風呂上りは特に肌が乾燥しやすいといわれていますので、身体をふいたらできるだけ早く、できれば10分以内に保湿剤を塗りましょう。
お風呂上がりは肌が水分を含んだ状態ですので、そこに保湿剤を塗ることでそのまま水分を閉じ込めて潤った状態を保ってくれます。
■7. 汗をぬれタオルで拭く
汗は肌表面から蒸発することで体温を下げる役割を担っています。とても大切な働きですが、体温と一緒に肌に必要な水分も蒸発させてしまうため、乾燥の原因になります。
こまめに濡れタオルでふき取ると、その水分が汗と一緒に蒸発してくれますので肌の乾燥を防ぐことができます。市販されている汗拭きシートには毛穴を詰まらせてしまうパウダーなどが配合されている場合もあるため、シンプルなぬれタオルが最も適していると言えます。
■8. ビタミンAを含む食品で皮膚を健康に
ビタミンAは皮膚を健康に保つビタミンです。他にも粘膜を正常に保ったり、目の機能を改善したりと様々な嬉しい効果を持ち合わせています。ビタミンAは脂溶性ビタミンに分類されるため、油と一緒に摂取すると効率よく吸収することができます。
食品としては、レバーやウナギ、人参、かぼちゃなどに多く含まれていますので、積極的に摂取しましょう。脂溶性なので水で溶け出す心配はありませんが、高温や乾燥で壊れてしまいますので、例えばオリーブオイルをドレッシングに使った人参サラダなどが良いでしょう。
■9. 大豆製品で女性ホルモンの低下を防ごう
女性ホルモンの低下は加齢臭の大きな原因となりますが、年齢を重ねるとどうしても起こる自然現象です。止めることはできませんが、大豆製品を摂取することで急激なホルモン低下によって起こる不調を緩和することができます。
大豆に含まれるイソフラボンが女性ホルモンに似た構造をしているためです。例えば牛乳を豆乳に変えると、大豆イソフラボンを摂取できるうえ、牛乳に含まれる動物性油脂も摂取を控えることができます。
ただし、あまりに凝縮された豆乳を大量に摂取したり、サプリメントなどを多く摂取するとホルモンバランスの乱れを引き起こしますので、食品からバランスよく摂取していきましょう。
■10. 過度なダイエットをしない
急激なダイエットはホルモンバランスを大きく崩します。また、肌荒れを起こして皮脂の分泌が促進されたり、抗酸化作用が低下して老化が促進されます。結果、加齢臭が悪化するだけでなく、女性にとっては良くないことが多く起こります。
「痩せたい」というのは全ての女性の願いですが、運動や食事のバランスを整えるなど適切なダイエットを行い、無理な食事制限はしないようにしましょう。
■11. アルコールを控える
「酒は百薬の長」と言うように、少量のアルコールは血行を促し、身体に良い影響を及ぼします。しかし、一定量を超えると体内で活性酸素の生成を促し、皮脂など身体の様々なところで酸化を促進します。
これにより加齢臭の原因となるノネナールが発生します。同時に、アルコールが体内で分解される際、アセトアルデヒドという物質に変わります。
このアセトアルデヒドは更に酢酸に分解され体外に排出されますが、日本人の多くはこのアセトアルデヒドから酢酸に分解する酵素が弱いと言われています。アセトアルデヒドの臭いはノネナールの臭いと近いため、これもまた嫌な臭いの元となります。アルコールは控えめにしておきましょう。
■12. 禁煙する
タバコの有害性は近年特に叫ばれてきましたが、その悪い作用のひとつとして活性酸素の活性化があります。これによりノネナールの生成が促進されます。また、タバコに含まれるニコチンなどの有害物質は血液に溶け込み、体臭の原因となります。
もちろん直接煙を吸い込むため口臭も悪化します。「百害あって一利なし」と言われるタバコ。この機会に禁煙を試みてはいかがでしょうか。
■13. 紫外線から肌を守る
紫外線による日焼けは肌の表面にダメージを与え、乾燥を促してしまいます。また、活性酸素が発生する要因にもなります。日傘や帽子など肌が紫外線に晒されないような対策をとりましょう。日焼け止めももちろん有効な手段ですが、高価な日焼け止めの中には非常に強い成分が含まれるものも多く、肌荒れを引き起こす原因となる場合があります。
日焼け止めは数値が高いものばかりを選ばず、できるだけ肌に優しいものを選びましょう。それを一日に何度かつける方が効果が高いと言われています。
■14. ビタミンEを含む食品で活性酸素から身体を守る
ビタミンEは活性酸素に対抗する力を持つビタミンです。細胞の表面の膜は脂質でできているのですが、このビタミンEは脂溶性ビタミンという油に溶けやすい種類で、細胞膜に多く存在します。
活性酸素が細胞膜の脂質を酸化しようとすると、このビタミンEが代わりに酸化されるため、細胞膜の脂質が酸化されずに済むのです。同様に、皮脂の中の9-ヘキサデセン酸が酸化されてノネナールに代わる反応も酸化ですので、ビタミンEがこれを阻止することで加齢臭の発生を抑制してくれます。また、血流を改善することで肌の健康状態を改善したり、紫外線から肌を守ったりという効果もあります。
積極的に摂取したいビタミンです。ビタミンEはナッツやウナギ、アボカド、かぼちゃ、モロヘイヤ、菜の花などに多く含まれています。ビタミンAと同様に、油と一緒に効率よく摂取しましょう。
■15. ビタミンCを含む食品で更に防御力アップ
ビタミンCはビタミンEと同様に活性酸素に対抗できるビタミンです。しかし、ビタミンAやビタミンEが脂溶性ビタミンだったのに対し、こちらは水溶性ビタミンに分類されます。水溶性ビタミンの場合、過剰に摂取してしまっても身体の外に流れ出てくれるので、蓄積などの心配がありません。
また、ビタミンEを再生する働きも持っていますので、一緒に摂取すると相乗効果が期待できます。ビタミンCは赤ピーマンやゴーヤ、サツマイモ、レモン、キウイ、イチゴ、みかんなどに多く含まれているため、野菜や果物を積極的に摂取しましょう。
■16. 飲み物は緑茶がマスト!
緑茶にはカテキンという成分が含まれています。このカテキンは抗酸化作用を持つため、活性酸素の働きに対抗して加齢臭を予防してくれます。また、前述のビタミンCも多く含まれますので、日中の飲み物は積極的に緑茶に変えましょう。
ただし、緑茶にはカフェインが含まれます。カフェインは眠りを妨げてしまうので、肌荒れなどを引き起こさないためにも夜の摂取は控えましょう。
■17. 食物繊維摂取で腸の中をクリーンに!
加齢臭を悪化させる間接的な要因として、腸内環境の悪化がある、と原因のところで前述しました。老廃物を身体に溜め込まないよう腸の中を綺麗にすることで、嫌な臭いが全身に回ることを防ぐことができます。食物繊維は、分解されて吸収されることなく、腸の中の老廃物を絡め取って身体の外に出て行ってくれます。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、どちらもバランスよくとることが大切です。
水溶性食物繊維はこんにゃく、柿や桃などの果物、ひじきなどの海藻類などに多く含まれ、血糖値を穏やかに上昇させるようにしたり、コレステロールの吸収を阻害する効果があります。
不溶性食物繊維はごぼう、さつまいもなど繊維を多く含む野菜や、玄米、そばなどに多く含まれ、腸の動きを活発にしたり、便を排泄させ腸の中を綺麗に掃除する効果があります。女性には嬉しい効果がたくさんあるものですので、毎日の食事からしっかり摂取していきましょう。
■18. 発酵食品で腸内フローラを健康に
腸内には、多くの細菌が住みついています。大きく善玉菌と悪玉菌に分けられ、それらの細菌は腸内で腸内フローラという層を作り、消化を助けたり腸内の環境を整えてくれます。
通常、乳酸菌などの善玉菌が多く存在しますが、食生活の乱れやストレスなどで悪玉菌が増えると、腸内環境が悪化し体臭を嫌なものに変えたり、下痢や便秘などの症状を引き起こします。
発酵食品は乳酸菌などの菌の力を借りて食品を発酵させ作られますので、納豆やキムチなどの発酵食品を摂取することで腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラを正常に保つことができます。腸内のガスの発生を抑制したり、肌を健康に保つことで、加齢臭の悪化を防ぎましょう。
■19. 汗を良質なものに変えよう
同じ「汗をかいている」状態でも、ベタベタした汗を流している人とサラッとした汗を流している人がいることは何となくお気づきではないでしょうか。その違いは汗にどれだけのミネラル分が含まれているかによります。
普段からあまり汗をかかないと、汗にミネラル分が溶け出し、べたつきのある汗になります。この汗は雑菌が繁殖しやすく、嫌なにおいの原因になります。
一方、汗をかく習慣のある人はミネラル分の少ないサラッとした汗を流すことができます。海草などから良質のミネラルを摂取しつつ、運動や岩盤浴、入浴などで良質の汗をかく体質に変えていきましょう。
■20. 運動する習慣をつける
運動には様々なよい効果が期待できます。血行が促進されることで肌の代謝があがり、皮脂のバランスが保たれたり、活性酸素による酸化を防いだり、腸のぜん動運動を促進することで便秘を防いだり。加齢臭の原因となっている様々なトラブルを解消してくれます。
ただし、一気に身体に負荷をかけるとそれが身体的ストレスとなってしまいますので、無理のない範囲で継続的に運動を続けるようにしましょう。
■21. 生活リズムを整える
生活リズムの乱れは気づかないうちに身体にストレスを溜め込んでしまいます。肌荒れを引き起こして皮脂の分泌を促進したり、ホルモンバランスの乱れを引き起こしたり、活性酸素の働きを強めたり、便秘になったり。これに睡眠不足が加わると、トラブルは更に深刻化していきます。日々のリズムをできるだけ整え、良質の睡眠をとりましょう。
■22. 冷えを防ぐ
女性で冷えに悩む方も多いのではないでしょうか。身体の冷えも生活リズムの乱れ同様、便秘など様々なトラブルを引き起こします。夏だからと冷たいものをたくさんとったりせず、できるだけ身体を温め血流を良くしましょう。
生姜やねぎなど体を温める食品の摂取や、シャワーではなく湯船につかる習慣をつけることが大切です。ただし、生の生姜はかえって身体を冷やしてしまいますので、必ず加熱して摂取しましょう。
女性の加齢臭は何歳から?40歳・50歳?
女性は、40歳を超えると少しずつ卵巣の機能が低下してきます。それに伴って女性ホルモンの分泌量が減っていき、50歳前後で閉経を迎えます。そのため、いわゆるアラフォー世代の女性は特に加齢臭に注意をし始める必要があります。女性ホルモンが減少すれば、皮脂が増え、ニオイの原因になります。
ホルモンの分泌量やその増減には個人差がありますが、早ければ30代のうちから女性ホルモンの低下は始まりますので注意しましょう。そして、女性ホルモン以外の原因は年齢に係りませんが、早く気をつけていくに越したことはないでしょう。
女性と男性の加齢臭は同じ?
では、加齢臭は女性のものも惰性のものも同じなのでしょうか。答えは半分正解で、半分不正解です。加齢臭の原因は何度も出てきているように「ノネナール」という物質ですので、そういう意味では女性と男性の加齢臭は同じものと言えます。
しかし、男性の場合は、元々男性ホルモンの影響で多く出た皮脂が原因で加齢臭が発生しますが、女性の場合は元々女性ホルモンによって抑えられていた皮脂が、女性ホルモンの減少に伴い増加することで加齢臭が発生します。
つまり、元々の皮脂量や分泌の増減のタイミングは男女で異なりますので、性別や年齢を考慮して対策をとる必要があると言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?22個も対策があるなんて大変!と思われるかもしれませんが、ひとつひとつを見ていただければ分かるように、そんなに難しいことではありません。何より、生活リズムを整えたり、冷えを防いだり、運動の習慣をつけたりすることは、一言で言うと「健康的な生活を送る」という事です。
身体は日々何かしらのストレスに晒されています。身体を労わり、健康的な生活のベースを作った上で、より加齢臭に効果的な食品を摂取するなどの対策を行っていけば、相乗効果で様々な嬉しい効果を得ることができると思います。無理のないところから、ぜひ日常に取り入れていってください。
薬剤師をしています。ヘルスケア分野の情報をわかりやすく説明します。