五十肩とは?五十肩の原因4つと症状・治療方法【専門家執筆】

五十肩とは?五十肩の原因4つと症状・治療方法【専門家執筆】

肩が上がらない、回らないなどの症状と痛みを覚えたら「五十肩」かもしれません。五十肩とは何なのか?原因や症状、治療方法など五十肩を患った人が知りたいと思う内容について詳しく解説します。


このような症状ありませんか?
・肩を上げると激痛が走る
・寝ているときも痛い
・洗顔や洗髪するときに肩が痛い
・肩を後ろに回すのが痛くて、下着(ブラ)が付けられない
・洗濯物が干せない など
スポーツをしたわけでもないのに、症状が突然現れた!という方も多いのではないでしょうか。それは、「五十肩」かもしれません。
「以前まで肩を上げても痛くなかった」
「庭仕事しただけなのに急に痛くなって、肩が上がらなくなった」など、
今までスムーズに上がっていた肩関節が、急に痛みだし、着替えることが困難になるなど、生活する上において支障が出てきます。

今回はそんな『五十肩』について、『五十肩』の原因、リハビリなどの対処方法などをお伝えしていこうと思います。

五十肩とは?

五十肩は、臨床では「肩関節周囲炎」と言います。

肩関節周囲炎;有痛性の可動域制限を伴うさまざまな肩関節疾患の総称です。

<肩関節周囲炎の分類>
1 烏口突起炎
2 上腕二頭筋長頭腱腱鞘炎
3 肩峰下滑液包炎
4 変形性腱板炎(外傷性腱板炎・腱板不全断裂)
5 石灰沈着性腱板炎
6 臼蓋上腕靭帯障害(不安定肩関節症)
7 いわゆる「五十肩」(疼痛性肩関節制動症)
8 肩関節拘縮(腱板疎部損傷)

男性に比べて女性に多く、その名の通り「50歳前後に好発」することからその名が付いています。

「内因性肩関節障害以外に、自動・他動ともに関節可動域制限を特徴とした、はっきりとした原因が無い状態(病態)」という定義がつけられています。医師の場合、はっきりした原因がないが、痛みを伴い、運動制限がある場合、「五十肩」を「肩関節周囲炎」と総称を付けることがあります。臨床では「五十肩」=「肩関節周囲炎」とされています。

しかし、明らかな疾患名が付いていたとしても、肩関節周囲の炎症により、肩関節の屈曲、外転、回旋運動を行うことで痛みが出現し、運動制限が起こり、しだいに拘縮をきたすものでも、広義の意味で『肩関節周囲炎』といいます。
※肩関節周囲炎は単一の疾患名ではなく、さまざまな病態が包括されているということと考えて良いです。

欧米では肩関節周囲炎(periarthritis)、凍結肩(frozen shoulder)などと提唱されていて、関節周囲組織の退行変性が原因であると考えられています。

五十肩の原因4つ

(1)suprahumeral gliding mechanismの障害

いわゆる「肩峰下滑液包の癒着」。簡単に言いますと、大結節が肩峰と衝突しないためのメカニズム(mechanism)で、そこが障害されると五十肩の原因となります。

肩関節(肩甲上腕関節)は、肩関節外転時には上腕骨頭の外旋を伴い、肩関節屈曲時には上腕骨頭は内旋位のままで、大結節が烏口肩峰靭帯の下の中央を通ります。
大結節がスムーズに動くには、滑液包(肩峰下滑液包・烏口下滑液包)の役割が重要なのです。その重要な滑液包が癒着などによって障害されます。これらは、加齢による退行変性で、主に棘上筋の石灰化や不全断裂を認めることが多く(腱板炎)、このことが肩峰下滑液包炎や癒着性滑液包炎へ進行させると考えられています。

(2)biceps mechanismの障害

いわゆる「上腕二頭筋長頭腱腱鞘の癒着」。

上腕二頭筋長頭腱は、滑膜に包まれている関節内部分に付着しています。そのため肩関節の関節窩と骨頭を「固定・安定」させる重要な役割を果たしています。


大結節にある結節間溝は、上腕二頭筋長頭腱や筋の付着部が集まっているため、癒着しやすい部分です。上腕二頭筋断裂などで損傷を受けた方や、肩関節周囲炎で筒状滑膜部分が癒着した方などでは、長頭腱の滑動性が低下し、肩甲上腕関節の動きにも影響することになります。

(3)腱板疎部の病変

腱板疎部(rotator interval)は烏口突起の外側の肩甲下筋と棘上筋の間のことを指します。腱板の抵抗減少部位であると同時に、肩甲下筋と棘上筋の走行の違いを緩衝するための調節機構でもあります。

腱板疎部が内旋位において癒着すると棘上筋腱と肩甲下筋の滑らかな動きが減少し、さらに烏口上腕靭帯の癒着によって著名な関節拘縮が生じます。

逆に外傷により離開した場合にはinstability(不安定性)や可動域の増大を生じます。

(4)肩甲上腕関節の癒着性病変

五十肩などの重篤な関節拘縮例では、「関節包の膨らみ」が関節造影時に認められないことから、肩甲上腕関節構成組織の癒着性病変が関節運動の直接的な制限へ繋がります。

関節包の後下部は臼蓋から起こりますが、前方は臼蓋から離れた滑膜という弛みの部分から始まっていることにより、関節包の前方は後方に比べゆとりが大きく、五十肩では前方の関節腔や下方のinferior pouch(下位嚢)が縮小しやすいと言われています。

五十肩は加齢による腱、靭帯の収縮性低下・滑液の減少などさまざまな要因が原因となります。また若年時に肩の損傷、事故、肩の使い過ぎなどが原因で上記のことが発生します。

五十肩の3つの病期

五十肩には3つの病期があります。

典型的な五十肩は急性期freezing phase、慢性期frozen phase、回復期thawing phaseの3つの時期を経て、約1~2年で治癒します。

①freezing phase(freeze:凍る):疼痛性痙縮期 または 凍結進行期
<特徴>
・安静時・夜間時痛が著名(夜間時痛が特徴的)
・疼痛で自動運動が制限される
・夜間痛を伴うため、睡眠障害の訴えがある
・肩を内転・内旋位にした疼痛回避肢位をとる
・この時期の拘縮は反射性の筋性拘縮である

②frozen phase(frozen:凍った):拘縮期 または 凍結期
<特徴>
・可動域制限が主症状となる(拘縮が完成。関節は、あらゆる方向に制限)
・疼痛はfreezing phaseに比べ軽い
・肩の運動は肩甲胸郭関節で代償され、最終域での疼痛が見られる
・肩甲帯周囲筋の過活動による疼痛、三角筋や棘下筋の萎縮も目立つようになる
・中間可動域で抵抗を与えた場合、上腕二頭筋長頭筋腱や腱板炎では疼痛を生じるが、
凍結期では、症状は出現しないことが多い

③thawing phase(thaw:溶ける):解凍期
・拘縮は徐々に改善
・疼痛、不快感が減少し可動域も改善してくる
一般的には経過の長いものでも2年程度と言われるが、7年のフォローアップ調査において機能的制限はないものの半数には軽い疼痛やこわばりあったとの報告もある。
再発はほとんどなく、再発した場合は腱板断裂などの疾患を考慮する必要がある。

五十肩の主な症状4つ

①疼痛(痛み)
・病期によって異なり、痛みは病期の判定にも用いられる
・触診では肩峰付近で上腕二頭筋長頭腱腱鞘に圧痛を認める

②疼痛による関節可動域制限
・痛みによって関節に制限が生じる。
・可動域制限はどの方向にも生じるが、外転・外旋が著しく制限される。

③拘縮
・痛みによって不動となり、拘縮になる

④ADL制限
・痛みによって更衣動作や洗顔、洗髪動作が行えないなどといったことが多くある

五十肩かどうかのチェックポイント

整形外科的テスト

肩関節周囲炎により起こる疼痛を調べる評価のことです。

・speed test
肘関節を伸ばした状態で手のひらを上に向けます。Dr.またはPTが手首に抵抗を加えた状態をキープします。これで痛みが生じた場合は上腕二頭筋長頭の腱鞘炎の可能性があります。

・ヤーガソンtest
肘関節を直角に曲げて内側にこぶしを向けます。Dr.またはPTが肘関節を支えながら、ドアノブを回すようにこぶしを外側に向ける動作を行います。これで腕の付け根に痛みが生じたら、上腕二頭筋長頭の腱鞘炎です。

・ドロップアームtest
肘関節を伸展させて腕を横にあげた状態を保ちます。状態を保てるようであれば、Dr.またはPTが抵抗をかけていきます。状態を保てない、もしくは痛みが生じる場合は腱板損傷や肩峰下滑液包炎の可能性があります。

・ホーキンスtest
肩関節と肘関節を90°に曲げた状態のまま、Dr.またはPTが肩関節を内側に向かって動かしていきます。痛みが生じる場合は腱板損傷や肩峰下滑液包炎が疑われます。

・Painful arc sign(ペインフルアークサイン)
肩関節を外転し、60°~120°の範囲内で痛みがあるか、また120°超えた角度で痛みはないか確認します。次に挙げた手を下ろしていくときに、60°~120°で痛みがあるかどうかを確認します。痛みがある場合は腱板断裂や肩峰下滑液包炎、腱板炎の可能性があります。

・Neerのインピンジメント徴候
肩甲骨を固定させて、肩甲上腕関節(肩関節)だけで動かしていきます。肩関節を内旋位で他動で上げていきます。その時に痛みが出現したら、腱板損傷や肩峰下でのインピンジメントが疑われます。

X線

X線像上、肩板(rotator cuff)~肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋~内に石灰化を認めることがあります。

五十肩の治療方法2つ

治療としてはオペを伴わない保存的治療、そして薬物による疼痛軽減目的の薬物治療となります。

①保存的治療

急性期の疼痛が強い場合は、積極な運動は禁忌です。
運動は避けて、炎症軽減を目的とした安静を促す肢位、日常生活動作を心がけてください。

【安静肢位】

<三角巾を利用しても案楽を得られない場合>
その場合には、疼痛側の手で上着の一部をつかませる、またはポケットに手を入れるようにしましょう。坐位では、前腕部をクッションの上に置きましょう。
※場合によっては疼痛を助長することもあるため、肩の高さを左右で揃える必要はありません


【臥位(がい)での安静肢位】
肩峰下滑液包炎の症例では、肩関節内外旋中間位および
scapular plane上30°の肩甲上腕関節角度を維持させ、
枕などを使用します。

※急性期が過ぎたら、リハビリでの運動が開始になります。

②薬物治療

肩甲上神経ブロック、疼痛点へのステロイドホルモンや局麻薬の混注、消炎鎮痛薬の内服などが行われます。

五十肩は病院で何科に行くべき?

肩が痛い、動かせないといった場合に行く診療科は、ズバリ整形外科です。
整形外科で、検査・診察をしてもらい、理学療法士のリハビリを受けることで、時間はかかりますが、次第に疼痛は軽減し、関節可動域も拡大していきます。

「整形外科に行っても湿布もらって、薬もらうだけだから・・・」そう思うのも無理はありません。ですが、疼痛がある際は「痛みを抑える」「安静にする」ということが先決になります。鎮痛剤を飲み、痛みで苦しむ時間を少しでも減らし、少しでも動作を行いやすくするためです。「鎮痛剤は飲みすぎると体が慣れて、効き目が悪くなる」といって、鎮痛剤を飲まない患者さんも時々おられますが、医師から服用を勧められたときは、痛みを我慢せずに鎮痛剤を服用してください。

また薬で痛みを散らしているときは、その時は痛みが軽減しているだけなので、無理に肩を動かさないようにしてください。薬の効果が切れた時に、以前よりも痛みが増悪することがあります。お気をつけください。

五十肩のリハビリにおける理学療法

急性期を過ぎ亜急性期(関節包や筋の短縮、癒着がROM制限をひき起こす)から、局部注射の治療と併用して、理学療法士、作業療法士による理学療法(リハビリ)を開始していきます。慢性期になると、医師による治療は終了し、理学療法が主体となります。

<理学療法士が行う評価、検査>

①痛みの把握
安静時痛、運動痛、夜間痛や圧痛部位の所見をとる。
急性期には前方にあり、慢性期になるにつれて後方へ移動する傾向がある。

②MMT(徒手筋カテスト)
筋萎縮の有無を確認しながら行う

③ROMテスト(関節可動域)
肩甲骨の代償の程度も把握する。

④知覚検査(しびれ感の有無も含める)

⑤ADLテスト
更衣動作、食事動作など実際の動作を確認していく。また最大、最小結髪角度、指椎間距離も測る。

⑥X線所見の確認
挙上X線で第2肩関節の機能障害に注目し、大結節が肩峰の外、肩峰下、肩峰内のいずれに位置しているのか調べる。また関節造影にて肩板断裂のないことを確認しておく。

⑦肩甲上腕リズムの把握
一般的に挙上時、肩甲上腕関節の運動と肩甲骨の回旋との比率は2:1とされている。

<理学療法>

3つの病期によって目的、理学療法(リハビリ)が変わってきます。

■病期①:freezing phase
<目的>
疼痛の緩和、患部の安静

<理学療法>
アイシング、TENS、超音波(非温熱)、テーピング

■病期②:frozen phase
<目的>
疼痛の緩和、可動性の維持・改善

<理学療法>
ホットパック、超音波(非温熱)、TENS、マッサージ、関節モビライゼーション、可動性改善トレーニング(自動・自動介助運動)

■病期③:thawing phase
<目的>
可動性の改善、筋機能の改善

<理学療法>
ホットパック、超音波(温熱)、可動性改善トレーニング(ストレッチング)、筋機能改善トレーニング、ADL指導

五十肩のリハビリにおける運動療法4つ

1. 徒手運動療法

(関節内運動、関節可動域運動、筋力増強運動、筋緊張緩和など)

<一般的な実施内容>
A:関節内運動(モビライゼーション)
患者を背臥位(仰臥位)にし、肩周囲筋群をリラックスさせます。上腕骨頭が臼蓋に対して求心位をとるように操作し、すべり(gliding)や転がり(rolling)を考慮しながら下方へ牽引したり回旋したりします。これは肩甲骨面(scapula plane)で行います。

回旋運動は大結節の位置に(肩峰の外では下垂位や屈曲・外転位、肩峰下では外転90°や水平内転位でも行う)注意します。外旋制限の強い場合は前方路を利用して挙上確保するのも良い方法です。

B:筋緊張緩和(ストレッチ・リラクゼーション)
腹臥位(うつぶせ)にて棘下筋、小円筋、広背筋などの緊張をとるマッサージを行います。

C:調整
坐位もしくは立位で関節可動域範囲内での正しい肩甲上腕リズムの獲得を図ります。

D:関節可動域訓練
肩関節の可動域は複合関節としての可動域で、一部の運動制限を他の関節で補っています。そのため慎重に行わなければ他の部位に支障がでることが稀にあります。

<急性期(炎症期)の方場合>
end feel(他動運動終末時の抵抗感)がなく、突然な疼痛出現による可動域制限を来す方は、関節内の損傷程度が重度であることが多く、この時期は積極的な運動は避けましょう。

訓練の実施というよりはむしろ、「炎症の軽減」を目的とした安静を促すべき肢位・日常生活上の留意点についての指導をしていきます。

<関節包など軟部組織の柔軟性に問題を有する方の場合>
end feel 増強に伴い運動制限が出現する方は、目的とした線維の走行に合わせた伸張訓練が適しています。その強度は筋による防御反射を誘発しない程度の、伸張刺激を加える程度の負荷で行います。

<筋緊張による問題の方の場合>
end feel を感じた時点において、制限の原因と考えられる筋に対し圧迫を加えることにより、自発的な運動を起こすことができるので、温熱療法等の物理的療法やマッサージなどを用います。

2. 器械器具を用いての運動療法

棒体操、振子運動(Codman体操など)。

3. 物理療法

・温熱療法(ホットパック、極超短波、超音波など)
・寒冷療法(アイスパック、アイスマッサージ、コールドスプレーなど)

4. ADL訓練(日常動作訓練)

食事・整容・更衣・トイレ・起居動作、その生活関連動作の問題・困難点を中心に訓練を行っていきます。具体的には頸部、肩甲骨周囲筋群のリラックスをはかり、鏡を利用して肩甲骨と上肢の動きを誘導し正しい肩甲上腕リズムの確得を行います。

入浴中・後は筋緊張が緩和されているときでもあり、ホームエクササイズを行うには適しています。肩外転・外旋・伸展方向の動作には特に意識し、ゆっくりと体幹の動きを加えるよう行っていきます。

痛みのない範囲でADLが可能となると、自信が出ます。その際、負荷が高い動作を長時間行ってしまい、炎症を強め治療を長びかせる結果となるので注意が必要です。

・起き上がり動作
疼痛側を上にして側臥位となり、肘をつき、肘を伸展させ、地面を押しながら起き上がる。

・上位更衣
疼痛側から腕を通し、頭、健側の順で着る。(患側→頭→健側)
脱ぐときは健側、頭、疼痛側の順で脱ぐ。(健側→頭→患側)

五十肩のリハビリにおすすめのセルフエクササイズ4つ

セルフエクササイズ(自主訓練)は実施方法によっては非常に有用ですが、実施方法の選択を誤ると逆に症状の増悪を来すことがあります。
肢位や方法などを十分に理学療法士、作業療法士に指導してもらい、実施してください。

①チューブエクササイズ

目的は筋力増強と再発の予防です。
元々の筋力が低下したことから肩関節、肩甲骨が正しいポジションにないこと、また疼痛から来る可動域制限によって起きた筋力低下に対し、チューブを用いて筋力増強訓練を行います。

<方法>
肩甲下筋、小円筋に対して肩内旋外旋を行う。大円筋に対しては伸展を行う。チューブは手に巻いて行う。

タオルなどを挟んでひじを動かさないようにし、手を右に動かします。

②棒体操

棒体操は両手動作で実施できるため、左右対称を確認させることで正しい運動を自覚させやすく有用です。しかし、関節可動域改善として用いる場合は、疼痛を増強させない程度の伸張刺激を加えるにとどめてください。

<左上>両手で棒を持ち、腕は伸ばしたまま持ち上げます。
<右上>棒を背中側に持ち、上下させます。
<左下>棒の両端を持って、片側へ持ち上げます。
<右下>棒を持ち上げ、頭の後ろへ下ろします。

③コッドマン体操(アイロン体操)

コッドマン体操は本来、関節窩に対し垂直に伸張刺激を加えることにより、周囲の軟部組織を伸張することを目的としています。そのため、重量物では逆に筋緊張が増し目的に適しません。また前屈位で腕を垂らした状態にすることで目的は達せられるので、大きく腕を振る必要はありません。

伸張刺激に対する不安を軽減させるために腕を振らせることもありますが、この場合でも健側で補助しながら実施したり、腕の振り幅もごくわずかに実施することが良いです。

※アイロンは、他の重りでも構いません。

④滑車運動

十分な可動域を得られた後の運動リズムの獲得や、他動的伸張に対する不安を緩和させるために用いるごく狭い範囲での伸張としては有用です。しかし、十分な可動域が獲得されていない状態で、挙上可動域改善のために実施する無理な滑車運動は逆に肩峰下での炎症を助長または誘発する可能性があります。痛みのない範囲で行うようにしてください。

そのほかにも
・患側の内外旋の自己ストレッチング(痛みが無い範囲)
・リラクセーションを目的とした振り子運動
・肩甲骨の運動(肩甲骨周囲筋を十分に動かしていく)

治療目標としては、正常ROMの80%、筋力4レベル、指椎間距離30㎝を目標にしていきます。安静時痛・夜間痛が消失し、運動時痛(主に回旋)が軽減すると、ADLに多少困難さが残存していても、予後は良好と言われています。

まとめ

大事なことは、
①痛いときは動かさない!
②「動かさないと固まる」は信じない! 
③整形外科への受診をする
ということです。

痛みがあるうちは「安静」にすることです。痛みによって肩が挙がらないだけで、健常者においては関節が固まることはありません。痛みが落ち着いて、関節内運動、関節可動域運動、筋力増強運動などを実施していくことで、またいつもの生活は取り戻すことができます。

また、もっとも大事なことは「焦らないこと!」です。
痛みがあることで、イライラしやすいです。また思うように動かせないことでイライラしたり、落ち込んだりする患者さんは多数おられます。

しかし焦ったモン負けです。気長に治療、リハビリを行うようにしていきましょう。

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