ダンベルカールのやり方とフォームは?効果的に行う10のコツと重量・回数

ダンベルカールのやり方とフォームは?効果的に行う10のコツと重量・回数

ダンベルを使うトレーニングは様々ありますが、今回はダンベルカールのやり方と正しいフォームを説明します。さらにダンベルカールを効果的に行うコツや、重量・回数についても詳しく解説します。あなたのトレーニングにぜひ役立ててください。


男性にとってあこがれる太い腕。特に腕を曲げた時にグッと盛り上がる力こぶは、男性の力強さをアピールする部分の一つです。女性から見たら、力こぶが盛り上がるだけでたくましさを感じる人も多いのではないでしょうか。そんな太い腕を作るためのエクササイズは数多くありますが、最も基本的なエクササイズの一つが“ダンベルカール”です。

ダンベルをもって腕を曲げる動作は、男性であれば1度は行ったことがあるかもしれませんね。しかし、ただ見よう見まねで行っていることが多く、正しく行えていない人が多いのも事実です。

今回はダンベルカールの正しい動作方法と、効果的に行うためのポイントを紹介していきます。

ダンベルカールとは?どこの筋肉に効く?

ダンベルを使った腕のエクササイズの一つダンベルカールは、上腕二頭筋を主に鍛えるエクササイズです。力こぶを作る際に盛り上がる筋肉が上腕二頭筋です。上腕二頭筋は、肩甲骨から橈骨(前腕部の骨)についていて、上腕部を走行しています。

上腕二頭筋は、主に肘を屈曲(曲げる)際に力を発揮します。例えば、肘を曲げて物を持ち上げたり、肘を曲げながら引っ張ったりする動作などで働きます。

上腕二頭筋を鍛えるエクササイズは数多くありますが、ダンベルカールは最もポピュラーで腕のトレーニングに欠かせないエクササイズといえるでしょう。

ダンベルカールの正しいやり方とフォーム

ダンベルカールの正しい動作とフォームを紹介します。

(0:15 -)①ダンベルを持ちます。この時、ダンベルのグリップの中心をしっかり持つようにしましょう。

(0:23 -)②ダンベルを持った両手は、手のひらが正面になるようにしましょう。

(0:33 -)③背筋をまっすぐ伸ばし、頭の位置を固定します。脚は膝を軽く曲げ、肩幅程度に広げておきましょう。

(0:45 -)④肘を腰より少し前に出し固定したまま、片方ずつダンベルを持ち上げていきます。しっかりと肘を曲げきったら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。動作中、肘の位置が動かないようにしっかり固定しながら行いましょう。元の位置に戻したら、今度は同様に反対側を行います。

ダンベルカールを効果的に行う10のコツ

ここでは間違いやすい動作方法と、効果的に行うためのコツを紹介していきます。
初心者の場合、注意する部分が多いと感じるかもしれませんが、ここで紹介していることを意識することで、トレーニング中に上腕二頭筋に効いている感覚をより強く実感することができるでしょう。

①脇を締め、肘を固定する

ダンベルカールの間違った動作として多いのが、肘を固定せずに前後させてダンベルを持ち上げてしまうことです。肘を動かすことによって動作が楽になるのですが、それは負荷が上腕二頭筋から逃げてしまっている証拠です。

動作中は必ず肘が腰の位置よりも前面に位置し、肘を曲げていくときに前に出ないことと、下す時に肘が後ろに引かないことを意識して行いましょう。脇が開くと肘が動きやすくなりますので、脇をしっかり締めて動作を行うとよいでしょう。

②反動を使わない

ダンベルを持ち上げる際、膝の曲げ伸ばし動作による反動を使って持ち上げたり、上体を振りながら持ち上げている人を良く見かけます。

反動を使うということは慣性の法則のとおり、反動で得た力の分だけ負荷が軽くなってしまうということです。10kgの重りを使っているのに、反動を使うことによって上腕二頭筋には5kgの負荷しかかかっていない、ということが起こり得るのです。

このことをトレーニング用語でチーティングといいます。チーティングもテクニックの一つですが、使い方を間違えば、楽に動作ができ効果が低くなるのです。トレーニング上級者は良いですが、トレーニング初心者はできるだけ反動を使わないようにしましょう。

③腰をそらさない

動作を伴うエクササイズには、一番力が発揮しにくい角度が存在します。それがスティッキングポイントと呼ばれる部分です。アームカールの場合は、肘が90度に曲がった部分がスティッキングポイントになるのですが、その時に腰を反らせてダンベルを無理に持ち上げようとする人が多いです。

反動と同様に腰を反らせることで上腕二頭筋にかかる負荷が減るだけでなく、腰を痛めてしまう原因にもなります。動作中はしっかりと腹筋に力を入れておき、腰を反らさないようにしましょう。

④可動域を最大限動かす

ダンベルを途中までしか持ち上げない人や、しっかり下まで下ろさずに次の動作に移る人も多く見かけます。それは効果的なやり方とは言えません。

筋肉には、鍛えた角度(動作を行った角度)の筋力は高まる反面、それ以外の角度では強くならないという特徴があります。動作範囲を狭く行ってしまうと、いつも動かしている狭い範囲だけしか強化していないことになるのです。

弱い部分を作らず筋肉全体をしっかり鍛えるためには、必ず関節の可動域をフルに動かすようにしましょう。

⑤ダンベルを持つ手首の角度

ダンベルカールをしていると、上腕二頭筋よりも前腕が疲れてしまって動作ができなくなるとか、前腕は効いている感じが強いのに上腕二頭筋の効いている感じは少ないという人がいます。それは動作中にダンベルを持つ手の角度が原因です。

そのような人の多くは、持ち上げることを意識するあまり手首が掌屈(手のひら側に曲がる)し、ダンベルを巻き込みながら持ち上げています。そのような動作では、ダンベルの負荷がかかったまま掌屈することになるので、前腕部の筋力発揮が必要になり繰り返し行うことで前腕が疲労してしまうのです。

ダンベルカールを行う際は手首を過度に曲げ過ぎず、まっすぐにしておくように意識して行いましょう。

⑥捻りを加えて

ほんの少しの工夫で、より上腕二頭筋を刺激させることができます。それは肘を曲げきった時に前腕部を捻り、手のひらを外側に向けることです。そうすることによって上腕二頭筋の収縮が強くなり、筋肉を意識しやすくなります。

試しにその場で、肘を90度に曲げて手のひらを上にしてみてください。反対側の手を曲げた腕の上腕二頭筋に触れたまま、その状態から肘を動かさず手のひらを外側に向けてみてください。肘を曲げ伸ばししていないのに上腕二頭筋が固くなるのを実感できるはずです。

些細な違いですが、しっかり筋肉を収縮させるには重要なポイントです。

⑦動作をゆっくりと

ダンベルを勢いよく持ち上げて行っている人も多いです。意識して速く動作を行う方法も確かにあります。

しかし、素早い動作は関節の可動域が狭くなりやすく、また、ケガのリスクも高くなる方法です。まずはしっかり正しいフォームを保ち、ゆっくりダンベルをコントロールしながら行うように意識しましょう。

⑧鏡を活用しよう!

トレーニング中は動作やフォームを確認するために、鏡があったほうが効果的です。自分でしっかりやっているつもりでも、正しくできていないことの方が多いです。鏡を見ながら行うことでフォームをチェックできるだけでなく、動いている筋肉を見ることができ意識しやすくなるというメリットもあります。

できるだけ鏡の前で行うようにし、正面や横など色々な角度からフォームをチェックしながら行いましょう。

⑨筋肉に触れて意識

筋肉をより強く意識するために、鍛えている筋肉に触れるというテクニックがあります。片方の手にだけダンベルを持ち、片側だけ動作を行いながら反対側の手で上腕二頭筋を上から覆うように触れておくのです。

この方法は肘が動かないように固定する役割も果たしてくれるので、正確なフォームにつながり一石二鳥です。

⑩時間短縮の場合は両手で、しっかり意識して行う場合は片手ずつ

ダンベルカールは片腕ずつ動かす方法と、両手同時に動かす方法があり、それぞれメリットデメリットがあります。

片腕ずつ動かすやり方は、片腕ずつしっかり意識しながら動作できるため正しいフォームを維持しやすく、丁寧に行うことができます。また、両方同時に動かすやり方で起こりやすい反動を使ったり腰の反りなどの間違った動作を防ぐことができます。

両手同時に動かす方法は、一度に両腕を鍛えることができるので、片腕ずつ動かす場合の半分の時間に短縮して鍛えることができるといメリットがあります。状況に合わせて使い分けるとよいでしょう。

ダンベルカールの初心者におすすめの重量

ウエイトトレーニングを行う際の重要なポイントの一つが、使用重量です。使用重量が適切でなければ期待している効果が現れない場合があります。もちろん、今までの運動経験や日常生活の内容、体格などによって異なりますが、初心者の場合5kg~10kg程度を目安に始めてみるとよいのではないでしょうか。

重いものを使えば効果が高いかといえばそうではありません。自分の筋力以上のダンベルを使うと、反動を使ってしまったり可動域が狭くなるなどフォームや動作が崩れ、効果的に上腕二頭筋を刺激することができなくなってしまいます。かといって軽すぎるダンベルでは効果が薄くなってしまいます。

正しいフォームで10回×3セット程度できる重量を探し、そこから始めてみましょう。

ダンベルカールの最適な回数

ダンベルカールに限らず、適切な実施回数は目的によって異なります。回数が異なれば現れる効果も変わってくるからです。

●筋肥大させるためには、8~12回で限界がくるくらいの重量設定で行います。

●筋力を高めるためには、5~7回で限界がくるくらいの重量設定で行います。

●筋持久力を高めるためには、5~7回で限界がくるくらいの重量設定で行います。

目的に合わせた回数を目安にして、重量を設定するとよいでしょう。

ダンベルカールの平均的な重量や回数

特に初心者の皆さんは、他の人はどのくらいの重量・回数で行っているのだろうかということが気になるのではないでしょうか。自分は平均より強いのか弱いのか…、軽い重さでやっていて恥ずかしくないだろうか…と不安な人もいるかもしれませんね。

その点に関しては何も心配ありません。ウエイトトレーニングは他人と勝負する競技ではありません。周りの人がどうであれ、自分に合った重さで行うことが重要なのです。

とはいえ、でも知りたい…という方もいると思いますので、だいたいの平均を紹介します。

片腕10kg×10回ができるようであれば初心者卒業、
15kg×10回できれば、そこそこ自慢できます。
20kg×10回できるようであればかなり筋力は強いといえるでしょう。

ダンベルカールの重量を増やすポイント3つ

ここでは、ダンベルカールで扱える重量を増やすためのポイントを紹介します。なかなか重量が増えないなぁ…と感じる人や、筋肥大・筋力向上が停滞している人は参考にしてみてください。

①パートナーと一緒に

ウエイトトレーニングの効果を高めるポイントは、筋肉を最大限追い込むということです。まだ続けられるけれど、目的の回数行ったから動作をやめようなんてことをしていたら、筋肉は成長しません。逆に目標回数に到達しなくても限界ギリギリまで動作を続けることで、筋肉を大きく成長させることができます。

トレーニングパートナーと一緒にトレーニングを行うことで、限界近くになった時にサポートしてもらうことができ、安全に限界まで動作を続けることができるようになります。また、お互い励まし合いながらトレーニングへのモチベーションを高め合うことにも繋がるでしょう。

ダンベルカールの場合は、片方の腕ずつ行いながら、反対側の腕でサポートする方法も可能です。限界まできて持ち上がらなくなったら、1~2回反対の腕でサポートしながら動作を続けましょう。この時、支え過ぎは禁物です。サポートは最低限にするようにしましょう。

②エキセントリック局面をゆっくり意識して

動作には筋肉が縮まりながら力を発揮する“コンセントリック”と筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する“エキセントリック”という二つの局面があります。コンセントリックよりもエキセントリックの方が発揮する力が強いとされ、動作としてはコンセントリックは速く、エキセントリックはゆっくり行うことが効果的であるとされています。

ダンベルカールの場合、肘を曲げていく局面がコンセントリック、肘を伸ばしていく局面がエキセントリックとなりますので、肘を伸ばす時はできるだけゆっくりな動作を意識するとよいでしょう。

エキセントリックを意識してゆっくり行うことは、筋力向上の効果が高いという研究報告もあります。ただ、エキセントリックは筋肉痛が起こりやすいというデメリットがあります。筋力を高めるためには多少の筋肉痛は覚悟するようにしましょう。

③ドロップセット法を活用する

ウエイトトレーニングのテクニックの一つに“ドロップセット法”というものがあります。最初行った重要から徐々に重さを減らしながら継続して動作を行うというかなりハードな方法です。

例えば10kgを限界の10回まで行った後すぐに7kgに重りを下げ10回、更に4kgに下げ10回というように軽くしながら動作を継続します。

重量を変更する際はインターバルをほとんどとらないため、とてもキツイ方法ですが筋肉への刺激はとても多く、筋力・筋肥大向上に効果的です。

ダンベルカールの種類5つ

ダンベルを使った上腕二頭筋のエクササイズには、ダンベルカール以外にも少し動作を変えるだけで刺激か異なるものがあります。ここではダンベルカールのバリエーションを紹介します。

①ハンマーカール

ダンベルを持つ手のひらを正面でなく内側に向けたまま、ダンベルカールの動作を行うエクササイズをハンマーカールといいます。ダンベルカールとの違いは、上腕二頭筋の外側にある上腕筋に刺激が多く入ることです。

②コンセントレーションカール

ベンチなどに座り、肘を太ももなどで固定しながら行う方法をコンセントレーションカールといいます。肘が固定され反動も使えないうえ、片腕ずつ動かすのでしっかり上腕二頭筋を意識することができます。筋肥大に効果的です。

③リバースカール

ダンベルを持つ手のひらを正面ではなく後ろに向け、手の甲を上にしたままダンベルカールの動作を行うエクササイズをリバースカールといいます。ダンベルカールよりも上腕筋や前腕にかかる刺激が多くなるのが特徴です。

④インクラインダンベルカール

角度をつけたベンチなどに座り、上体を後ろに倒した姿勢で行う方法をインクラインダンベルカールといいます。関節の可動域を大きく使えるのが特徴です。

⑤スタンディングダンベルカールとシッティングダンベルカール

ダンベルカールでも立った姿勢で行う(スタンディングダンベルカール)のと、座った姿勢で行う(シッティングダンベルカール)では違いがあります。

立った姿勢の場合は反動を使いやすいため、重い重量を扱いやすいです。極力反動をつけたくない人は座ったほうがやりやすいでしょう。

まとめ

ダンベルカール一つとっても、様々なポイントや色々な違いがあるなど、ウエイトトレーニングはとても奥が深いものです。

人間のカラダは誰一人同じ人はいません。今回紹介したものはあくまでも基本的なものです。もしかしたらやりにくさや効きにくさを感じることがあるかもしれませんが、まずはしっかり基本を押さえて、そこから個人個人工夫を加えていくとよいでしょう。

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この記事のライター

トレーナーとして活動しています。ダイエットやトレーニング方法についてお伝えします。

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