効かない!? コンタック咳止め薬の効果・成分・副作用と飲み合わせ

※薬剤師資格を持つライターが書いています。

風邪をひいて咳が止まらない、そういうことってありますよね。
急に咳が出始めた場合には病院を受診する時間が取れないこともありますし、病院に行くほどでもない症状の時もあるでしょう。そんな状況で咳を止めたい場合には、市販薬の咳止めの薬を飲む方が多いと思います。でも咳止めの薬は種類が多くて、どれを選べばいいか迷いますよね。

そこで、今回はCMでおなじみの『新コンタックせき止めダブル』について特徴を紹介します。咳止めの薬を選ぶときの参考にしてください。

あのカプセルの形をしたキャラクターで有名なコンタックシリーズのひとつで、「せき・たん」を抑える成分を配合した風邪薬（咳止め薬）です。カプセル剤の中に入っている粒に工夫をしていて、早く溶ける粒とゆっくり溶ける粒をミックスしています。ですので、「早く効く＋長く効く」という矛盾してそうなメリットを両立させています。1回の服用で12時間程度効果が持続しますので、1日2回の服用で咳止め効果が出るとされています。

また、「新コンタック®せき止めW」の最後についている「W」はダブルの意味で、二つの咳止めに効く成分が配合されていることを意味します。この二つの成分が、異なるメカニズムで咳止めの効果を示します。

「新コンタックせき止めW」は2種類の成分が配合されていますが、「コンタックせき止めST」はその2種類の成分に加え、『リゾチーム塩酸塩』という成分が40 mg配合されています。「コンタックせき止めST」の方が配合されている成分が多いということです。

ただ、『リゾチーム塩酸塩』は、2016年に「現在の医療環境においては医療上の有用性は低下したと考えられ、現時点での医療上の有用性は確認できない」という評価を受けていますので、飲んでも効果がほとんどないということです。この『リゾチーム塩酸塩』の配合の有無だけが二つの薬の違いですので、効果や効果持続時間に違いはないと考えられます。

一般的には、「新コンタックせき止めW」の方が価格も安いようですので、「新コンタックせき止めW」の方を選ぶことをお勧めします。

効果・効能は、『せき、たん』です。
コホンという乾いた感じの咳、そしてたんを伴うゴホンという湿った感じの咳のどちらにも効果があります。
特にかぜなどの、のど、気管支の病気にともなって起こる咳に効果的です。

ただ、それ以外の病気が原因の咳やたんには効果がありませんので、もし「新コンタック®せき止めダブル」を5、6回飲んでも咳が治まらない場合には、医師か薬剤師に相談してください。その際は、「新コンタック®せき止めダブル」を飲んでも効果が出なかったことを伝えると、その後の対応がスムーズでしょう。

次の2つの成分が配合されています。どちらも病院で医師が処方する処方薬としても用いられています。

ちなみに麻薬性の鎮咳剤には、ジヒドロコデインリン酸塩、コデインリン酸塩水和物があります。この二つの成分の方が、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物より咳止め効果は高いとされていますので、それらを含む風邪薬の方が「新コンタック®せき止めダブル」よりも効果は高いと考えられます。もちろん、これらの二つの成分だけでしっかりと咳が止まる場合も多くあります。商品としての売り上げが高いことを考えても、効果があると感じている方が多いことが分かります。

そういうことですので、「新コンタック®せき止めダブル」を飲んで十分な咳止め効果が得られる方もいれば、効き目が弱いなと感じる方もいると思います。特に麻薬性鎮咳剤を含有する風邪薬を飲み慣れている方は、「新コンタック®せき止めダブル」は効き目が弱いと感じることが割と多いかもしれません。

もし、「新コンタック®せき止めダブル」を飲んで、効き目が不十分と感じた方は、ジヒドロコデインリン酸塩、コデインリン酸塩水和物が入っている風邪薬を試してみると良いでしょう。

逆に、「新コンタック®せき止めダブル」の方が麻薬性鎮咳剤を含有する風邪薬よりも副作用の発現率は少ないと考えられますので、他の風邪薬を飲んで眠気など何か気になる症状が出た方は、こちらを試してみることをお勧めします。

1回1カプセルを1日2回朝と夕方に飲んでください。効果が12時間程度持続しますので、服用するのがだいたい12時間ごとになるのが理想です。

また、効果や効果時間に対して、食事の影響はほとんどないようですので、食事の前でも食後でもどちらでも構いません。一番飲み忘れないようなタイミングを考えてみると良いでしょう。例えば、食後だと飲み忘れないという方は、朝食後と夕食後の2回飲むと決めてしまうという感じです。

「新コンタック®せき止めダブル」は、カプセルとなっています。上で記載したように、このカプセルに工夫がされていますので、カプセルはかまずに水かお湯で飲みましょう。

飲む方法で質問が多いのが、お茶やコーヒーはダメかということですが、カフェインが含有成分の効果に影響するという報告がありますので、カフェインを含むお茶やコーヒーで飲むことは避けた方が良いと考えられます。カフェインレスのものであれば、問題ないでしょう。

また、薬を飲んでいる間、お酒を飲んでも良いかという疑問を持つ方も多いと思います。お酒が配合成分の効果や効果時間に直接影響するという報告はありません。ただ、眠気などの副作用が増強する可能性があります。例えば、アルコールの作用による眠気と含有成分の副作用による眠気が重なった場合には、普段よりも眠気が強く出ることが予想されます。

そのため、お酒を飲む場合には、少量に抑えておいて、多めに飲むことは避けた方が良いでしょう。そもそも薬を飲む時は、病気になっていますので、お酒を飲み過ぎると病気の回復を遅らせる可能性もあります。そういう点からもお酒は控えめにした方が良いと考えられます。

この薬は、15歳未満の方は飲むことができません。15歳未満でも飲める風邪薬がありますので、そのような商品を服用してください。なお、コンタックシリーズでは、『新コンタックかぜ総合』が、7歳から服用可能となっています。

「新コンタック®せき止めダブル」の副作用として報告があるのは以下の通りです。これらの症状に気付いた場合にはすぐに服用を中止し、医師や薬剤師に、「新コンタック®せき止めダブルを飲んだこと」、「飲んだ回数・日数」と「出た症状」を伝えてください。

服用後すぐに（だいたい30分以内）に、皮膚のかゆみ、じんましん、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、息苦しさ、動悸、意識の混濁が出た場合には、アナフィラキシーショックというアレルギー反応の可能性がありますので、すぐに医師に連絡してください。もし他の薬でアレルギーが起きたことがあるようなアレルギー体質の場合には、服用前に医師または薬剤師に相談してください。

また、中枢に作用する成分が入っていますので、眠気が出てしまうことがあります。ただ、眠気が出ても日常生活に支障がなければ、服用を続けてもらっても構いません。通常は、身体が慣れるため眠気は感じにくくなると言われていますので、そのうち気にならなくなるでしょう。ただ、眠気が逆に強くなる、もしくは1週間以上続く場合には医師または薬剤師に相談してください。

そして、麻薬性の中枢性鎮咳剤に比べると、眠気が弱い・出にくいとされていますので、それほど気にしなくても良さそうです。

妊娠中に服用した場合に安全かどうかがはっきりしているわけではありません。妊娠の時期によっては使える場合もあるようですが、それは産婦人科医の判断が必要になると考えられます。ですので、妊娠中の方は産婦人科の主治医に確認してください。

授乳中の方は、控えた方が無難ですが、どうしても咳を止めたい状況であれば飲んでも構いません。ただ、その場合は薬を飲んでいる間、そして飲み終わって1、2日間は授乳を控えてください。

「新コンタックせき止めW」を飲む場合は、以下の薬は飲んではいけないことになっています。効果や副作用が強く出る可能性が高いためです。

また、「新コンタック®せき止めダブル」を飲む場合は、次にお示しする病院で処方してもらう薬（処方薬）とは飲み合わせに注意が必要です。以下の薬を使用している方は、あらかじめ主治医もしくは薬剤師に確認してください。

楽天・Amazon・ドラッグストアなどで購入することができます。
楽天で購入する場合は、送料別途の場合が多いので、注意が必要です。
Amazonが比較的おトクな料金で買うことができます。
また12カプセルと24カプセルの商品があるので、どちらを買うのか決めて購入しましょう。

今回は、「新コンタック®せき止めダブル」の特徴について紹介しました。他の風邪薬と比べた時のメリット・デメリットがあることが分かってもらえたのではないでしょうか？

今回の情報が、風邪薬を選ぶ際に役立つことを祈っています。