腸内細菌とは?腸内細菌を増やす効果的な方法6つと食べ物

腸内細菌とは?腸内細菌を増やす効果的な方法6つと食べ物

腸内細菌という言葉を聞いたことがありますか?腸内には様々な菌がいて、働きも異なります。有名なビフィズス菌もその1つです。腸内細菌とは何か、腸内をどのような状態に保つのが健康的なのか説明していきます。


あなたは腸内細菌がどういうものか知っていますか?腸内細菌は大切だと分かっていても、私たちの身体にとってどう大切なのか、そしてどのようにすれば良いのかしっかりと理解している方は少ないと思います。

そこで、腸内細菌がどういうものなのか、そしてどのような効果をもたらしてくれているのかについて説明します。さらに、私たちの身体に必要な腸内細菌を増やす方法・食べ物についても説明していきます。

腸内細菌について詳しくなって、体調管理に役立てて下さい。

腸内細菌とは

目には見えませんが、私たちの身体には常在細菌(常在菌)という細菌があちこちに住み着いています。その字の通り、常に存在していてヒトとうまく共生しています。

細菌というと感染症の原因という悪いイメージが強いと思いますが、私たちの健康を維持するために役に立っている良い菌もいたり、何もせずにひっそりと暮らしていたりする無害な細菌も数多くいるのです。

私たちの全身の皮膚や泌尿器、生殖器、消化器など外界に接する部位に棲息していますが、その中でも、下部消化器である腸の中に棲息している常在細菌のことを「腸内細菌」と呼びます。

腸内細菌の3種類

腸内細菌は一般的に、私たちの身体にとって有用な働きをしてくれる①善玉菌、身体に悪影響を及ぼす②悪玉菌、そして普段はおとなしくしていて腸に棲息しているだけの③日和見菌(ひよりみきん)の三種類に分けられます。善玉菌や悪玉菌はテレビや雑誌で目にしたことがある方も多いと思います。

①善玉菌とは

善玉菌は有用菌とも呼ばれ、食事の消化吸収の手助けや身体に必要な栄養素の生成など様々な役割を行ってくれています。

善玉菌の代表として名前が上がることが多いのは、ビフィズス菌と呼ばれるビフィドバクテリウム属に属する細菌や、乳酸桿菌と呼ばれるラクトバチルス属、乳酸球菌と呼ばれるラクトコッカス属です。乳酸桿菌や乳酸球菌は、ピンと来た方も多いと思いますが、いわゆる乳酸菌の仲間です。ビフィズス菌は酢酸や乳酸を、乳酸菌は乳酸を産生することができます。

これらの善玉菌が産生する酸が、私たちの腸を整える働きをしてくれているのです。腸内にいるビフィズス菌や乳酸菌の数と、ヒトの健康状態に関連があることは、これまでの研究で明らかとなっています。健康を維持するためには善玉菌の数が重要ということです。

②悪玉菌とは

悪玉菌は有害菌とも呼ばれ、下痢や便秘の原因になりますし、酷い場合には病気の原因となることがあります。細菌毒素を産生したり、ガスを発生させたりもします。この毒素は病気や下痢の原因になりますし、ガスはお腹が張った状態やおなら(特ににおいが強いおなら)の原因になります。皆さんもこのようなつらい状態を経験したことがあるのではないでしょうか?

それは増えすぎてしまった悪玉菌が原因となった可能性が高いと考えられます。つまり悪玉菌を増やさないことが健康で快適に生活する上で重要なのです。

悪玉菌の代表は、クロストリジウム属に属するウェルシュ菌や病原性を持つタイプの大腸菌です。ひとことで大腸菌と言っても、実はものすごい種類の大腸菌が世の中には存在していて、特徴(産生する物質やガスなど)に違いがあります。その大半は健康なヒトに無害なのですが、一部病原性を持つタイプのものがいるのです。その病原性を持つタイプの大腸菌が悪玉菌に分類されます。

③日和見菌とは

日和見菌は、成人の身体の中では一番多く棲息していて、腸内細菌の70%程度を占めています。無害なタイプの大腸菌やバクテロイデス属の細菌が代表的な日和見菌になります。これらは普段は無害であるものや、腸内のバランスやヒトの免疫力を調整する働きを善玉菌と一緒にしてくれているものがいます。

ただ、我々の免疫力がかなり落ちた時に限っては、悪玉菌と同じように病気の原因となってしまいます。例えば重い感染症にかかったりして、免疫力がかなり落ちた時には、日和見菌が悪さを始めますので、この点も注意する必要があるということになります。

腸の中の大都市「腸内フローラ」とは?

健康な日本人の腸の中には、100種類以上、そして100兆個以上の細菌が棲息していると言われています。そしてこれらの細菌は、均等な数ではなく、他の腸内細菌との間で数のバランスを保ちながら共生しています。さながら大都市で、いろんな職業の人がそれぞれの仕事をこなしながら生活しているような感じです。

食料品ひとつにしても、生産者、輸送者、販売者などがいないと買うことができませんよね。いろんな職業の人がいて、それぞれが働いてくれないと困るように、腸の中でも協力や競争し合う世界が広がっているのです。

細菌以外にも他の微生物もこの生活環境(生態系)入り込んでいますので、このような細菌・微生物が作り出す生態系のことを「腸内フローラ」と呼びます。以前は「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼ばれていたので、そちらは聞いたことがあるかもしれませんね。

ちなみにフローラとはお花畑という意味で、お花畑にいろんな種類の花が咲き乱れている様子と似ていることから、このように名付けられたとのことです。この腸内フローラ内のバランスがうまくとれていると、外からやってきた有害な菌の腸での定着を防いでくれます。

腸内フローラは善玉菌と悪玉菌のせめぎ合い

腸内フローラの細菌数のバランスが重要なのですが、特に重要なのが善玉菌と悪玉菌のバランスです。善玉菌は酸を産生して腸内のpHを下げることにより、悪玉菌の増殖を抑えています。そのため、善玉菌の数・種類が十分だと悪玉菌が増殖できずに腸内フローラのバランスが善玉菌側に傾きますので、腸内が健康な状態であると言えます。

ただ、例えば食生活が偏ってしまい、善玉菌の増殖に必要な栄養分が入ってこなくなると、腸内フローラでの善玉菌の数が減ってしまいます。そうすると全体的な酸の産生量が減ってしまい、腸内は悪玉菌が増殖しやすい環境になってしまいます。その結果、悪玉菌が増えてしまい、善玉菌と悪玉菌の形成が逆転してしまいます。これが便秘、下痢、おならの原因となるのです。このように善玉菌と悪玉菌は、腸内でせめぎ合いをしています。

善玉菌は悪玉菌の数が増えすぎないように見張っていて、腸内フローラのバランスを保つ、そして健康を維持してくれていると理解してください。

腸内細菌を増やしたときの効果7つ

「腸内細菌を増やす」と一般的に言われることがありますが、これまでに述べたように私たちの身体に役に立つのは善玉菌の仲間になりますので、実際は善玉菌を増やすことが重要になります。善玉菌を増やした時にどんなメリットがあるのかここでは解説したいと思います。
まずは善玉菌の私たちの身体に対する効果について見ていきましょう。

1. 整腸作用

下痢、便秘、おならなどの腸の不調を起こさないようにする、また起こっている場合はそれを改善してくれる効果です。善玉菌と言われるビフィズス菌や乳酸菌は、自身の栄養源である糖を分解する際に、乳酸や酢酸などの酸を産生することができます。この酸を産生することで腸内のpHを下げて、悪玉菌の増殖を抑えています。悪玉菌が増殖できなければ、下痢、便秘、おならの発生が減るのは先ほど述べた通りです。

さらに善玉菌を始め、いくつかの腸内細菌は食物繊維を分解して糖にすることができます。食物繊維はヒトが分解できないものですので、そのままだと便として出ていきます。つまり野菜などの食物繊維を多く含むものを食べれば食べるほど便が増えることになります。でも実際は、食物繊維の何割かを腸内細菌が分解してくれていますので、便の量が多くなりすぎずにある程度の量に保たれているのです。

そして、便は腸の動きによって肛門に向けて移動していますが、善玉菌が産生する物質が腸に刺激を与えて動きが活発になる効果もあります。
以上の効果を通して、善玉菌は整腸作用を発揮していると考えられます。

ちなみにこの整腸作用を目的とした、善玉菌を含む医薬品があります。国に保険医薬品として認められているものとしては、ビフィズス菌が含まれる「ラックビー®錠」、乳酸菌が含まれる「ビオフェルミン®配合散」、酪酸菌が含まれる「ミヤBM®細粒」などがあります。ビオフェルミンは、市販薬(医薬部外品)としても発売されていますので、ドラッグストアなどで見かけたことがあるかもしれませんね。なお、これらのお薬は、下痢、軟便、便秘だけでなく、乳幼児消化不良症や胃炎、腸炎に対しても改善効果を持つことが明らかになっています。このように善玉菌の整腸効果は、医薬品としても使われているくらい大きいものだということです。

2. 美肌効果

悪玉菌には、フェノール類と呼ばれる有害な物質を産生するものがいます。そしてこのフェノール類の一部は腸管から吸収され、肌へ影響することが分かっています。肌荒れや吹き出物とも関係があるようです。そのため、善玉菌を増やして悪玉菌を抑え込むと、肌荒れや吹き出物を減らすことも可能になります。いわゆる美肌効果があるということです。

3. 内臓脂肪減少作用

善玉菌には、食事に含まれる脂質(脂肪)の吸収を抑える作用もあります。脂質の一部を分解したり、身体に吸着させたりすることで、ヒトの身体に吸収されなくしていると考えられています。身体の脂肪を減らす効果、血液のコレステロール値を下げる効果が認められているものもあります。
例えば、「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト®」を、12週間毎日摂取した人々は、一般的なヨーグルトを摂取した人々と比べて内臓脂肪面積が減少したとの臨床試験の結果が得られています。

メタボリックシンドロームという言葉を聞いたことがあると思いますが、内臓脂肪の蓄積がこの病気の大きな要因なのです。内臓脂肪の蓄積は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の原因にもなると言われていますので、内臓脂肪を減らす効果があるということは非常に大きいものだと思います。やや肥満気味の方で効果が認められていますので、メタボリックシンドロームが気になる方は試してみてはどうでしょうか?

4. ビタミンの生合成

ビタミンとは、ヒトの生体機能の維持に必要な有機化合物の総称です。ちなみに無機化合物(金属など)の場合は、ミネラルと呼ばれます。どちらも有名なので、聞いたことがありますよね。

ビタミンは、ヒトの身体の中で作れない種類が多いので、それらは食物の中から補給する必要があります。腸内細菌のうち、いくつかの種類は、このビタミンを身体の中で作ることができますので、それが我々の栄養補給に役に立っています。ビタミン13種類の中でも、ビタミンB1、B2、B6、B12、K、ビオチン、葉酸、パントテン酸を腸内細菌が作っていることが明らかになっています。ヒトのビタミンのうち、半分以上の種類を腸内細菌が作ることができるので、栄養補給という点で非常にありがたい存在だと思います。

5. 感染予防効果

感染防御作用は、最近の研究結果で注目された効果です。ビフィズス菌やある種の乳酸菌は、私たちの免疫力を上げる働きがあります。これには複数のメカニズムが関わっていると考えられていますが、複数の免疫系細胞を活性化させることが明らかになっています。ビフィズス菌や乳酸菌を毎日飲用することにより、インフルエンザウイルスなど複数の種類のウイルスに対する抵抗力が上がることが研究で示されています。

一般の方にも注目されるきっかけになったのは、「明治プロピオ®ヨーグルト R1」と言っても良いでしょう。以前はインフルエンザ予防で注目されていましたので、ご存じの方も多いと思います。このヨーグルトを毎日摂取すると、風邪症候群(いわゆる風邪)に罹患するリスクが減ることが臨床試験で示されています。このヨーグルトには乳酸菌の一種である1073R-1株というものが使われていますが、この乳酸菌が作り出す多糖体には免疫細胞を活性化する作用があるようです。この多糖体の作用が、風邪症候群の予防に効果があるのではないかと考えられています。
なお、最近では、感染症の予防に効果があるとされる商品が他にもいくつか発売されています。

6. アレルギー反応の抑制効果

善玉菌の中には、アレルギーが出た時の症状を緩やかにしてくれる細菌もいます。
さらに、アレルギーを発症している人の腸内では、棲息している善玉菌の種類が少ないことも分かっています。また、いくつかの臨床試験の結果によると、花粉症や牛乳アレルギーを含め、複数のアレルギーに対して、ヨーグルトなどの食品としての善玉菌の摂取がアレルギー症状を緩和することが示されています。花粉症だと特に鼻の周辺の症状に効果が高いようです。

それ以外にも、アトピー性皮膚炎や腸の炎症性疾患などの自己免疫疾患(アレルギーの一種)に対しても、善玉菌を摂取することで、症状が緩和するとの研究結果もあります。免疫系細胞の活性化を調節する効果や炎症を起こす物質の免疫系細胞からの産生を抑える効果があるようです。

7. 精神を落ち着かせる作用

うつ病の患者の腸内フローラにおいて善玉菌の割合が減っていることから、注目された効果になります。実際に腸内の善玉菌を増やすと、不安や落ち込んだ時にその度合いが軽くなるという効果が示されています。また脳と腸は密接に関係していることも分かってきましたので、うつ病や自閉症などの精神疾患の治療に善玉菌を使おうとする研究が現在進められています。

以上が善玉菌の効果となります。善玉菌には様々な効果があることが分かってもらえたと思います。つまり、善玉菌を増やすとこれらの効果が得られるということになります。

ただ、これは複数の種類の細菌の効果をまとめたものですので、一つの細菌が全ての効果を持っている訳ではありません。効果もそれぞれの細菌によって異なります。腸内フローラに複数種の善玉菌が棲息している必要があるということです。ですので、不足していると感じる場合には、善玉菌の種類や数を増やすための方法を行うことになります。次はその方法について説明していきます。

腸内細菌を増やす方法6つ

善玉菌に様々な効果があることは分かりましたが、ではどうやって増やせば良いのでしょう。次はそちらに注目したいと思います。

1. 食品として摂取する

これは直接的な方法です。腸にそのまま善玉菌を届けて、増やしていきます。増やす食品と聞いて最初に思いつくのは、ヨーグルトなのではないでしょうか? いろんな商品が売っていますので、味や匂いなどで好みのものを選べるのも大きいと思います。

ただ気を付けてもらいたいのは、善玉菌の多くは酸に弱いということです。善玉菌は腸(大半は大腸に棲息)にいかないと効果を発揮できませんし、酸に弱い善玉菌は、胃を通過する際に胃酸によって死んでしまいますので、摂取した意味がなくなってしまいます。例えば、食後など胃酸が弱まっている時に摂取すると、効果が期待できるでしょう。

また、最近では、胃酸に強いタイプの乳酸菌を使ったヨーグルトも売られていますので、それを摂取するのも一つの手です。一方、細菌が作り出した有用な物質が含まれる食品の場合は、細菌そのものが腸まで届かなくても効果を発揮することがあります。なお、どんな食品が善玉菌を多く含むのか気になると思いますが、後ほどまとめて説明しますので、そちらをご覧ください。

2. 薬やサプリメントを使用する

こちらも直接的な方法ですが、食品として摂取するよりももっと積極的な方法になります。食品に含まれるものとしてではなく、善玉菌そのものを栄養として取るようなイメージになります。医薬品の場合は、医師の処方が必要になりますので、病院に定期的にかかっている方は医師に相談してみると良いでしょう。

医薬部外品やサプリメントの場合は、ドラッグストアやインターネットで購入できますので、気軽に取り組める方法だと思います。種類も豊富ですので、目的や用法(飲み方)、含まれる善玉菌の数、のみやすさ、価格などによって適しているものを探すことが可能です。また胃酸に分解されないように工夫された商品もありますし、他の栄養素を配合した商品もありますので、選択肢はかなり多くなります。ただ、逆に選択肢が多すぎて選べないという場合もあると思います。そういう悩ましい場合には、ドラッグストアの薬剤師や登録販売員に相談すると良いでしょう。

3. 自分の腸内フローラにあった善玉菌を見つける

上に述べた二つの方法で善玉菌を摂取した場合に、生きたまま腸にたどり着いたとしても、身体にあっていないとそのまま便として排泄されてしまうことがあります。腸内フローラは、部外者(細菌や微生物)を排除する働きをもっていて、これが感染症から身体を守ってくれています。ですので、腸内フローラから部外者とみなされると、その方の腸から排除されることになりますので、効果は出ても1、2日程度ということになります。

逆に仲間だと思われると、腸内に定着し、腸内フローラの一員となります。そして、腸内で増殖して継続した効果を発揮することになります。つまり長期的な効果が期待できることになります。腸内フローラの先輩方が、新しい細菌が住んで良いかどうかを決めているようなイメージです。そしてその腸内フローラの先輩方は、私たち一人一人で違うのです。自身の腸内フローラにあった菌を見つけることが重要だということです。

腸内フローラは、食事内容や年齢、性別だけでなく睡眠時間や生活スタイルによっても変わってくると言われています。他の人で効果があっても自身に当てはまらないことがありますので、ご注意ください。たとえ家族で効果があっても、あなたには当てはまらない場合があります。

ですので、食品やサプリメントなどを飲んで効果が短いかほとんどないと感じた場合は、その細菌があなたの腸内フローラに合ってない可能性が高いので、他の種類を試してみてください。ただ、そもそもヒトの腸に定着しにくい細菌もいますので、効果はかなり高いけどほとんど持続しないという場合は、継続して摂取し続ける必要があります。

4. 善玉菌の栄養分を食べる

これは善玉菌が増殖するために必要な栄養分を腸に送り届けて、善玉菌の増殖を活発にしようとする間接的な方法です。善玉菌の好物は、食物繊維(特に水溶性食物繊維)とオリゴ糖になります。食物繊維を摂取すると、悪玉菌の数や不要な物質が減ったという研究結果もありますし、オリゴ糖は善玉菌の一種であるビフィズス菌の数を増やすと言われています。

なお、食物繊維の中には善玉菌が利用できないものもありますが、排便全体にとっては有用ですので気にせず取ってもらって良いと思います。水溶性食物繊維を多く含む食材・食品については、後ほどまとめて説明しています。ぜひそちらをご覧ください。

5. 適度な運動をする

これはどちらかというと、悪玉菌を増やさないための方法になります。ウォーキングなど身体への負荷が適度な運動は、腸の動きを活発にします。腸の動きが悪いと悪玉菌が増殖しやすい環境になりますので、適度な運動は悪玉菌の増殖を抑えることに繋がります。悪玉菌が増えすぎると腸内フローラのバランスが崩れ善玉菌が減ってしまいますので、善玉菌を減らさないためには適度な運動が有用だと考えられます。

6. ストレスを溜めこまない

実は、脳と腸の働きは密接に関わっています。ですので、脳がストレスを感じると腸の動きが悪くなることがあります。先程も述べましたが、腸の動きが悪くなると悪玉菌が増え、その結果善玉菌が減りやすくなります。ですので、善玉菌を増やしたい時には、ストレスは敵ということになります。自身のストレス発散法を見つけて、ストレスを溜めこまないようにしましょう。適度な運動はストレス発散にも繋がりますので、運動が好きな方にとっては一石二鳥になりそうですね。

腸内細菌を増やすのに役立つ食べ物4つ

善玉菌を増やす6つの方法については分かって頂けましたでしょうか?
どのような食べ物に善玉菌が含まれているのか、何を食べると効果的なのか気になると思いますので、次は善玉菌を増やすのに役立つ食べ物について見ていきましょう!

1. ヨーグルト、乳酸菌飲料

善玉菌が入っている食べ物というと、これらが最初に思い付くのではないでしょうか?

ヨーグルトや乳酸菌飲料には、善玉菌の仲間のビフィズス菌や乳酸菌が含まれますので、飲用すれば腸内細菌を増やしてくれます。乳酸菌飲料とは、カルピス®やヤクルト®などに代表される飲料です。

一般的なヨーグルトや乳酸菌飲料でもある程度の効果があると考えられますが、最近では機能を強化したもの、また生きたまま腸に届かせる工夫をしているものも販売されていますので、より高い効果を期待される方はそちらを試してみると良いでしょう。「特定保健用食品(いわゆるトクホ)」として、消費者庁に認可されている商品も数多くあります。認可を受けているということは、食品の有効性・安全性について、国の機関に審査を受けて認められたということですので、信頼性は高いと思います。

特定保健用食品として発売されている商品に使われている善玉菌は、10種類以上ありますので、あなたの腸内フローラにあった商品が見つかる可能性はかなり高いと思います。

現在認可されている食品は、消費者庁のホームページ( http://www.caa.go.jp/foods/index4.html
)に掲載されていますので、そちらをご覧ください。

2. 発酵食品

意外かもしれませんが、身近にある発酵食品にも善玉菌が含まれているものが多数あります。私たちが口にすることが多い発酵食品と、その発酵過程で含まれる善玉菌を表にまとめます。これらの食品を摂取した時には、善玉菌も一緒に摂取しているということです。

【食品:善玉菌の種類】
・チーズ、発酵バター:乳酸菌
・キムチ:乳酸菌、酢酸菌
・漬物、ぬか漬け、ピクルス:乳酸菌
・メンマ:乳酸菌
・味噌:麹菌、乳酸菌
・醤油:麹菌
・納豆:納豆菌

3. チョコレートなどのお菓子

最近の話ですが、お菓子として気軽に乳酸菌を摂取できるようにと、乳酸菌入りのチョコレートが開発されました。メーカーのコメントによると、チョコレートでコーティングされているので、乳酸菌が生きたまま腸に届きやすくなっているそうです。ロッテ、森永といった大手のメーカーからも発売されていますし、他にも次々に製品化されていますので、興味のある方はスーパーなどで探してみるといろいろと見つかると思います。

その他にも乳酸菌入りのキャンディーやゼリーが既に発売されていますし、その他にもいろんな乳酸菌入り食品の開発が盛んに行われていますので、これから次々と増えてくることでしょう。

4. 善玉菌の栄養分を含む食材・食品

善玉菌の栄養分であり、腸内の善玉菌を増やす効果が研究で明らかになっている物質は、水溶性食物繊維の数種類とオリゴ糖になります。食物繊維にも水に溶けやすい水溶性のものと、水に溶けにくい不溶性のものがあります。善玉菌は、その中でも水溶性の食物繊維を分解し栄養分として利用することができますので、水溶性食物繊維が重要となります。つまり、水溶性食物繊維とオリゴ糖を多く含む食材を食べることが、善玉菌を増やすことに繋がるということです。

水溶性食物繊維を含む食材については、文部科学省が調査してまとめている「日本食品標準成分表2015年版(七訂) http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 」が参考になると思います。

今回はその中から、水溶性食物繊維の含有量が多く、また入手・調理しやすいものをピックアップして表にまとめました。

【食材(部位または状態):水溶性食物繊維の含有量(食材100gあたりのg)】
・しろきくらげ(乾燥):19.3
・らっきょう(りん茎・生):18.6
・青汁(ケール):12.8
・エシャレット(りん茎・生):9.1
・かんぴょう(乾燥):6.8
・抹茶(粉末製品):6.6
・カレー粉(市販):6.5
・おおむぎ(押麦):6.3
・大豆たんぱく(粉末製品):5.9
・ココア(粉末製品):5.6
・とうがらし(果実・乾燥):5.4
・切干しだいこん(乾燥):5.2
・にんにく(りん茎):4.5
・紅茶(乾燥茶葉):4.4
・いんげんまめ:4.3
・あんず(乾燥):4.3
・いちじく(乾燥):3.4
・プルーン(乾燥):3.4
・ゆず(果皮・生):3.3
・ブルーベリー(乾燥):3.0
・しいたけ(乾燥):3.0
・きな粉:2.7
・ごぼう(根・ゆで):2.7
・ごま(いり):2.5
・さつまいも(蒸し切干):2.4
・トマトペースト:2.4
・きんかん(全果・生):2.3
・ゆずこしょう(調味料):2.3
・レモン(全果・生):2.0
・バナナ(乾燥):2.0
・ポテトチップス(市販):1.9
・かぼちゃ(いり・味付け):1.8
・アボカド(生):1.7
・インスタントラーメン(麵+調味料):1.6
・そば(干しそば):1.6
・オクラ(果実・ゆで):1.6
・ビスケット(ハードタイプ):1.6
(日本食品標準成分表2015年版より抜粋、一部表現変更)

やはり一般的に言われているように、野菜類やフルーツ系、穀物に多いようですね。あくまでも食材100 gあたりに含まれる量ですし、含まれる水溶性食物繊維が全て善玉菌の栄養分として利用される訳ではありませんが、摂取の参考にしてもらえればと思います。

また、オリゴ糖を多く含む食材は、大豆(きな粉)、いんげんまめ、えんどう豆、あずきといった豆類やごぼうなどです。きな粉、いんげんまめ、ごぼうは、水溶性食物繊維も多く含みますので、善玉菌にとって最高の食材だということが分かります。

まとめ

いかがでしたか?腸内細菌について理解が深まったと思います。腸内細菌は、普段から私たちの身体の中で生活していて、様々な影響をもたらしています。その中でも、善玉菌をうまく増やすことで様々な効果を生み出し、健康を維持できることがわかったのではないでしょうか?

生活環境が変わった場合や、慣れないストレスがかかった後に、何か身体の不調を感じたら、今回紹介した善玉菌を増やす方法を試してみることをお勧めします。
皆さんが腸内細菌とうまく付き合って、健康を維持されることを願っています。

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この記事のライター

薬剤師をしています。ヘルスケア分野の情報をわかりやすく説明します。

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