いくら寝ても寝ても眠いのは病気?原因と対処方法13個

いくら寝ても寝ても眠いのは病気?原因と対処方法13個

寝ても寝ても眠いときってありますよね。もしかしたらそれは病気のせいかもしれません。いくら寝ても寝ても眠いときの原因と対処方法について詳しく解説しました。安らかな睡眠に役立ててください。


しっかり眠ったはずなのに朝起きられない。がんばって起きても体がだるい。日中、ものすごく眠くなって起きていることができない。この眠気が疲れやストレスなどの精神的な問題、天候などが原因と思ってなんとかやり過ごす。その日だけならまだしも、そんな日が何日もあるのであれば、やり過ごさずにきちんと「眠い」という症状を解決する必要があります。

この眠気がなぜ起こるのか、その対策はあるのかを考えてみました。

いくら寝ても寝ても眠いのは病気?

前日に仕事や勉強ちょっとお付き合いなどで夜更かししてしまって睡眠時間が短くなり、日中眠気が出るのはよくある話です。しかし、しっかり睡眠時間は取っているのに翌日の日中に眠気が来るのは他に原因がある可能性も。

例えば、生活習慣や睡眠の質、病気などさまざまなものがあります。生活習慣や睡眠の質に心当たりはありませんか。眠りに入る時間や起きる時間などが決まっていなかったり、きちんと寝室で眠っていなかったりすることが日常になっていませんか。自分で心当たりがあるようであればまずはそれらを改善することで問題を解決することができます。

しかしながら心当たりがないのに眠気が治まらない場合は過眠症という病気が潜んでいる可能性もあります。過眠症とは日本睡眠学会によると以下のように定義されています。

『日中に過剰な眠気または実際に眠り込むことが毎日のように繰り返し見られる状態。それが1ヶ月以上も継続し、それが原因で社会生活または職業的機能が妨げられ、あるいは自ら苦痛であると感じるもの。ただし、1回の持続期間が1ヶ月よりも短くても繰り返して過眠期が見られるものもこれに含まれる。』

この過眠症の定義が自分の眠気に該当するのかを具体的な事柄でチェックしてみましょう。

過眠症チェック

以下の項目を「めったにない(0点)」、「ときどきある(1点)」「よくある(2点)」「大体いつもある(3点)」の4段階のどれにあたるかをチェックして、点数を出してみましょう。

①座って読書しているときに眠くなる。
②テレビを見ているときに眠くなる。
③人が大勢いる場所(会議や映画館など)やじっと座っているときに眠くなる。
④他人が運転する車に休憩なしで1時間程度乗っているときに眠くなる。
⑤午後、横になって休憩しているときに眠くなる。
⑥座って人と話をしているときに眠くなる。
⑦昼食後(飲酒なし)静かに眠っているときに眠くなる。
⑧自分で車を運転中に交通渋滞などで2,3分停車しているときに眠くなる。

結果はどうだったでしょうか。

6点以下:今のところ問題ありません。規則正しい睡眠・生活習慣を心がけてください。
11点未満:正常範囲です。
11~15点:規則正しい生活と睡眠時間の確保をし、もう一度チェックしてみましょう。同じ結果であれば専門医を受診することを検討しましょう。
15点以上:専門医を受診することをお勧めします。

寝ても眠い場合に考えられる原因4タイプ

なぜ、きちんと睡眠を取っているにも関わらず、眠気が続いてしまうのでしょうか。原因を探ってみましょう。

眠気が続く病気、過眠症とは

睡眠障害という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。この、睡眠障害という言葉を聞いて多くの人は「眠れない」「不眠症」など睡眠が不足している状態を想像しますが、睡眠障害には「眠ることができない」の逆、「眠りが足りない」という障害も含まれていて、この状態を過眠症と言います。

この過眠症は極端な例では「何日も起きられない」「突然眠りについてしまう」という症状が言われていますが、一般的にはこの過眠症の症状はある程度自分の意思でコントロールすることができるため、自分で病気と気がつかず辛い毎日を過ごしている場合もあります。

過眠症という病気以外にも同じような症状がある

眠気が取れない原因はさまざまなものがあります。生活習慣や食生活、体質が関係する場合などです。また過眠症以外の病気によっても起こりうることがあります。

原因1:食生活が原因となる場合9パターン

①寝る前に食事をしたり、飲酒をしたりする。
②1日の飲酒量が多い。
③夕方以降にカフェインの多い飲料を飲んだり、スイーツを食べたりする。
④油もの(揚げ物など)が中心の食生活である。
⑤炭水化物(ご飯やラーメンなど)が多い食事になっている。
⑥毎日スイーツを2つ(2回)以上食べている。
⑦食事に野菜が少ない(野菜不足)。
⑧水分を摂るのが人より少ない。
⑨長期間のダイエットをしている。

原因2:生活習慣が原因となる場合11パターン

①起床時間が決まっていない。
②運動不足が慢性化している。
③深夜まで起きている。
④仕事や勉強などでパソコン操作の時間が長い。
⑤テレビやDVDなどを観ている時間が長い。
⑥寝る直前までテレビやDVD、パソコンやスマートフォンを操作している。
⑦日々、ストレスを感じている。
⑧睡眠のサイクルが乱れている。
⑨平日と休日の睡眠時間の差が2時間以上ある。
⑩昼寝はしたくても我慢する。
⑪喫煙者である。

原因3:体質が原因となる場合6パターン

①冷え性、血行が悪い。
②血圧や体温が低い。
③生理中または生理前
④頭痛や肩こり、腰痛、目の疲れがあり、原因が分からない。
⑤昼と夜の寒暖差が激しいとき(春先や晩秋など)に体温の調節が難しくなる。
⑥貧血

原因4:病気が原因となる場合10パターン

過眠症以外の病気が原因となって眠気を引き起こす場合があります。このような場合は早急に専門医を受診し、治療を開始する必要があります。病名を聞いてもわかりにくいものもありますので、どのような病気なのかを一緒に解説していきます。

①風邪ぎみ
熱が出ている、頭痛や咳などが原因

②睡眠時無呼吸症候群
<特徴>
睡眠時無呼吸症候群はSAS(Sleep apnea syndrome)と言われ、睡眠時に突然呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。無呼吸とは呼吸が10秒以上停止することを指しますが、それと低呼吸(呼吸が浅くなる)のも同様に扱われます。無呼吸が続くと生命に不可欠な酸素が取り込まれないため、さまざまな合併症を引き起こします。最も影響を受けるのが循環器系で、SASの患者さんが循環器系の病気、例えば、高血圧や冠動脈疾患、心不全や脳卒中などを合併しやすいというこが分かってきています。

<症状>
呼吸が止まり、酸素が取り込まれなくなると大脳が低酸素状態を関知して呼吸に関わる筋肉(随意筋)に指令を出して呼吸をするように指令を出します。これが無呼吸のたびに繰り返されるため、何度も目が覚めたり、深い眠りが取れなくなってしまったりすることで睡眠の質が低下します。これにより、日中の眠気を引き起こしてしまいます。目が覚める場合は自分で気がつくこともできますが目が覚めない場合もありますので、家族に眠っている時の状況などを聞いてみましょう。

③ナルコレプシー
<特徴>
ナルコレプシーとは日中にたびたび強い眠りに襲われ、居眠りをしてしまう病気です。ナルコレプシーの眠気はとても強烈で普通の人が丸2日くらい眠っていない時の眠気に匹敵すると言われています。

<症状>
ナルコレプシーの主な症状は眠気発作(急な強い眠気)ですが、情動脱力発作*や睡眠麻痺、入眠時幻覚などがあります。
*情動脱力発作(カタプレキシー):喜怒哀楽や怖れ、羞恥といった過度の感情の高ぶりにより発生する発作のこと。

④周期性四肢運動障害
<特徴>
眠っているときに足がピクピクと動いたり、ひざ蹴りをしたりする症状(不随意運動)が眠っているときに何度も繰り返されるのが特徴です。

<症状>
手足が動いてしまうので、深い睡眠をとることができなくなり日中に眠気を感じてしまいます。夜中に目が覚めてしまうこともあり、この症状を自覚していない場合はなぜ目が覚めるのか分らないのでそれによってストレスを抱えてしまいます。

⑤むずむず脚症候群
<特徴>
座っているときや横になっているときに太ももからふくらはぎ、足首にじっとしていられない不快感が生じます。この不快感は人によって「虫が這う感じ」、「かゆい/痛い」などさまざまですが、足の表面ではなく奥のほうで感じるというのが特徴です。

<症状>
この症状は歩いていると軽くなったり消えたりしますが、止まるとまた症状が現われてきます。夕方ごろから症状が出始めて悪化していくことが多いため、睡眠を妨げる原因にもなってしまいます。

⑥概日リズム睡眠覚醒障害
概日リズムが関係する睡眠障害はさまざまなタイプがあります。睡眠は体の疲れなどによっても誘発されますが、体内時計も関係しています。この体内時計のリズムが約24時間サイクルになっていてこれを概日リズムと言います。この概日リズムが関係している睡眠障害を総じて概日リズム睡眠覚醒障害と呼ばれています。

⑦甲状腺の病気
甲状腺は体のさまざまな機能を維持するために必要なホルモンを分泌しています。この機能が低下したり、また亢進したりすることで体を正常に維持することができなくなり、睡眠に影響することがあります。

⑧低血圧(収縮期血圧が100以下など)

⑨糖尿病や脂質異常症、脳梗塞などの生活習慣病

⑩うつ病

いかがでしょうか。病気が原因となる場合については、自分自身では分からない場合もありますが、心当たりがあるものがありませんでしたか。もしあるのであればまずはそれを改善・治療することが優先になります。

病院に行くなら何科?

ひとことに睡眠障害と言ってもさまざまな病気が原因となっていることがおわかりいただけたと思います。しかし、自分の症状に心当たりがあっても一体、どんな病院や診療科に行けばよいのでしょうか。睡眠障害を診察してくれる診療科と専門医の選び方を解説します。

病院・専門医の探し方

近年になって睡眠障害に関する病気が知られるようになって以降、それを専門としている病院が増えてきています。診療所やクリニックでは「◯◯睡眠クリニック」など、病院の名前がわかりやすく表示されているところもあります。入院施設がある病院などでは「睡眠外来」などの診療科を表示しているところもあります。

しかし、残念なことにこのような専門の診療所やクリニックはまだ都市部にあるのが現状です。大きい病院では都市部でなくても診療科を設けているところもあります。近隣にそのようなクリニックや診療科がない場合は精神科や精神神経科、心療内科などを受診するのが良いでしょう。

また、日本睡眠学会のサイトでは睡眠障害を診察している病院も紹介されていますのでそれを利用するのもひとつです。このサイトでは医師の認定制度もあり、それを取得した医師のリストも公表されていますので参考にすることができます。

この睡眠障害に関する診察や治療を行っているのは主に精神科の医師です。これらの診療科については、受診することに抵抗を感じる方もおられるのではないでしょうか。早めに専門医に診てもらうのが最も良い方法です。もし、かかりつけ医やよく行っている病院があるのであればそこで一度相談してみてもかまいません。

今では、以前のような精神科に対する偏見も少なくなり、プライバシーを尊重している病院も多くみられます。きちんと自分の症状を理解してもらえ、適切な治療を受けるようにしましょう。

理想の睡眠時間と寝る時間

私たちの睡眠を取り巻く環境は大きく変化しています。しかし、睡眠とは昔も今も変わらず、体や脳を休める生理機能のひとつです。昼間に活動し、夜になると眠るということは生物本来のものであるにも関わらず、過眠や不眠などの睡眠障害に陥ってしまうと生活の質に大きく影響するのは言うまでもありません。

生活習慣の中でも多くの時間を必要とする睡眠の理想とはどのようなものなのでしょうか。

理想の睡眠時間

睡眠はレム睡眠・ノンレム睡眠が交互に訪れるサイクルで成り立っています。この2つを1サイクルとして1回の睡眠で4~5サイクルが一般的です。時間にすると1サイクルが約90分で6~8時間程度になります。しかしながらこのサイクルには個人差があり、理想の睡眠時間も人によって異なります。

また、サイクルとは別に年齢によっても必要な睡眠時間が異なるので、今の自分にはどれくらいの睡眠が必要なのかは実際に調べてみなければ分かりません。

調べる方法としては、1週間単位で睡眠時間を少なくしてみてください。例えば、起床時刻を固定して必要な睡眠時間をさかのぼった時刻に眠るようにしましょう。この時、就寝時刻よりも起床時刻を固定するほうが生活リズムを整えやすくなります。そうして睡眠時間を調整し、各週の日中の眠気がどうだったのかを記録します。

最も眠気がなかった週の睡眠時間が最適な睡眠時間となります。また、今はスマートフォンのアプリで睡眠を測定する便利なものも多くありますので、それを活用してみても良いのではないでしょうか。

理想の睡眠の質

睡眠はただ必要な時間眠っていれば良いのではなく、その質も重要な要素になります。例えば、理想の睡眠時間を確保して眠っているはずなのに朝目覚めた時に疲れが取れていなかったり、日中に眠気があったりするのであれば睡眠の質が良くない可能性もあります。睡眠の質を良くするには寝室の環境や眠る前の習慣が影響します。

良い睡眠は睡眠時間とその質に左右されます。時間をしっかり確保し、質をあげる習慣を作るために自分自身の生活を見直してみましょう。

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ぐっすり眠るための対処方法13個

しっかり眠っているはずなのに眠気が取れなかったり、疲れが残ってしまったりしていることがある場合、病気が関係していることもありますが、自分の睡眠環境が影響していることもよくあります。その原因ごとの対策をまとめてみました。

寝室の環境が原因の場合

あなたの寝室は眠る環境がきちんとできているでしょうか。寝室環境は、睡眠中はもとより睡眠の準備にも影響します。外からの騒音が聞こえてきている、街灯などの外の光が差し込んでくるなど外部からの影響がある場合なかなか寝付けなかったり、睡眠が妨げられてしまったりことがあります。

対策①音を遮断する

外部の音を遮断するためには防音の長めのカーテンを使ってみましょう。また、カーテンを取り替えないで騒音を回避するのであれば、眠りに入りやすい音楽を聞きながら眠るのも良い方法です。また、逆の発想として騒音に集中してみることです。眠る時には静かな環境であって欲しいのに騒音があるから気にかかってしまって眠れないという思考回路になっているのです。騒音はあるものとしてその音に聞き入ってみてください。これは電車の中で眠れることを応用した考えです。

対策②光を遮断する

騒音の場合と同じように遮光カーテンを用いるのは効果的な方法です。

カーテンの隙間からの光が気になる場合には、カーテンを合わせたときに両方のカーテンがぴったりくっつくような対策、例えばマグネットを使ったり、マジックテープを取り付けたりして隙間をふさぐようにしましょう。アイマスクなどで遮光する方法や今ではまくらの周囲にドームのような形状のものを設置して光を遮断するグッズなどもあるのでそのようなものを利用するのも良いでしょう。

しかしながら、快適な睡眠を取り、日中元気に過ごすには体内時計を正常に働かせる必要があります。真っ暗よりも眠気を誘う環境を作るようにしましょう。体内時計はメラトニンという睡眠を誘うホルモンが分泌される暗さ、150~500ルクスくらいの室内照明で眠るのが最適です。朝は2500ルクス程度の光で体内時計がリセットされ、目覚めが起こります。

対策③温度や湿度

寝室が寒すぎたり暑すぎたり、湿度が高すぎたり低すぎたりする場合も睡眠に影響を及ぼします。一般的に睡眠のための最適な温度は夏では25~27℃、冬は14~20℃くらいと言われています。湿度については50~60%が最適と言われています。また布団の中の温度は33℃、湿度は50%程度が快眠できる環境なので、エアコンや加湿器・除湿器などを有効に使って環境を整えるようにしましょう。

眠る前の生活が原因の場合

毎日眠る前に何をしているかを思い出してください。もしかしたらそれが眠りに影響を及ぼしている可能性があります。

対策④電子機器操作

パソコンやスマートフォン、テレビなどは眠る1時間程度前には見るのを控えるようにしましょう。これらの電子機器が発するブルーライトが睡眠に影響を及ぼすことがあるのでそれを回避する習慣をつけて快適な眠りに入る準備をしましょう。

対策⑤寝る前の飲み物

寝る前に水分を摂る人は比較的多いのではないでしょうか。季節によっては就寝中の脱水を防ぐために水分を摂取することはとても大切です。しかしながらその水分にカフェインが含まれている場合、睡眠に影響を及ぼす可能性があります。例えば寝る前にコーヒーや紅茶、緑茶などを飲んでるのであればミネラルウォーターやカフェインレスの飲料に変更するようにしましょう。

生活習慣が原因の場合

対策⑥飲酒

適度な飲酒は眠りを誘うので寝る前に飲酒を習慣としている人もいます。しかしながら、飲酒では眠りにつけてもその質は良いものではありません。夜に飲酒をする習慣がある場合は控えるようにしましょう。

対策⑦食事の摂り方

食事をして胃腸が動き出すと眠気が出ることは良くあります。しかしながらこの眠気は質の良いものではありません。理由は、胃腸が消化のために動いている間は体が深い眠りに入ることができないためです。胃に入った食べ物は起きているときであれば約2~3時間で消化されます。したがって、寝る3時間前には食事を済ませるようにしましょう。また、たくさん食べるとそれだけ消化に時間がかかってしまうので腹八分目を心がけてください。

対策⑧睡眠に良い食べ物

睡眠時にはメラトニンというホルモンが分泌されます。このメラトニンをしっかり分泌させるような食事をとるようにしてみましょう。その食物とは、メラトニンの原料であるトリプトファンという必須アミノ酸です。これは食物では肉類や豆、魚などのタンパク質です。また、ビタミンや鉄分もメラトニンを作る原料になりますのでバランスの良い食事が必要です。ただし、『これらの食品を食べる=眠れる』というのではなく、日頃からの食事に配慮する必要があります。

対策⑨リズム

平日、仕事や勉強で睡眠時間が少ないために休日くらいはゆっくり眠りたいという人は多いのではないでしょうか。しかし、睡眠は貯蓄することができません。平日の慢性的な睡眠不足解消のため、休日に多く睡眠を取っても慢性的な平日の睡眠不足は解消できません。可能な限り、平日の睡眠時間を確保する工夫を行い、平日と休日の起床時間の差は2時間以内にするようにしましょう。

対策⑩適度な運動

慢性的に運動不足になっている場合、睡眠に影響する可能性があります。しかしながら運動をする時間を確保できない人も多いのではないでしょうか。運動といっても日中仕事や勉強の合間や寝る前に体をほぐす、朝起きた時に目覚めを促すストレッチをすることで睡眠の質が上がることもあります。ストレッチなら隙間時間でできるので取り入れてみましょう。

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病気が原因の場合

対策⑪病院で診察を受ける

病気かなと感じた場合や、症状に心当たりがある場合には必ず専門医を受診するようにしましょう。病気が潜んでいる場合には自分で解決できないケースが多くあります。病院に行く事に抵抗があったり時間がなかったりとなかなか勇気が出ないこともありますが、放置して症状が悪化すると治療にも時間がかかります。少しの心当たりでも良いので専門医に相談してください。

女性特有の眠気の場合

対策⑫ストレスを溜め込まない、産婦人科に行く

女性は生理や妊娠・出産、閉経などホルモンのバランスが大きく変動することが多くあります。生理前や妊娠中に眠気があったり、出産後は育児などの生活の変化でまとまった睡眠を摂ることができなくなったり、また更年期障害で眠りが浅くなることもよくあります。妊娠がきっかけで睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群を引き起こしたりするケースもあります。

生理などが影響している場合は一過性のものなので精神的なリラックスなどを心がけて乗り切るようにしましょう。妊娠中や出産後の場合もストレスをためない工夫が必要です。

しかし、症状が強い場合は受診している産婦人科医に相談するようにしてください。更年期障害が睡眠に影響する場合、その他にも更年期障害特有の症状、例えばのぼせやほてり、めまい、肩こりなどが出ていることもあります。これはホルモンの分泌が加齢とともに減ってしまい、バランスが崩れることが原因です。婦人科や女性外来などを受診し、ホルモン補充療法などを開始するとさまざまな症状とともに不眠も解消されていくこともあります。

加齢による場合

対策⑬体を温めてから寝る

年齢に応じた睡眠時間:人間は成長するに従って睡眠時間は短くなっていきます。若い頃と現在の睡眠時間を比べると短くなっているのは当然のことです。しかし、眠れずに疲れがたまってしまっている場合には少し工夫をすることで解消される場合があります。その工夫とは体温変化にメリハリをつけてみましょう。年齢を重ねると体温変化と睡眠・覚醒のリズムがずれてしまうことがあります。

本来は体温が下がって眠りに入り、翌朝体温が上がることで目覚めます。眠りに入る前の体温の低下は一度体温を上げる必要があるので、ぬるめのお風呂に長めに入るなどして体を温めてから眠るようにしましょう。また、朝は太陽の光を浴びることが良い方法です。

これだけでも体温変化が調整されて不眠が解消される場合があります。ズレを調整する以外には食事の対策でも解説したようにメラトニンを作る原料となる食品を積極的に摂ることやサプリメントを活用するのも良い方法です。

ただし、眠りに対してのサプリメントの中には現在何らかの病気の治療でお薬を服用している場合はお薬の効果に影響を及ぼすものがありますので、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談するようにしてください。

睡眠薬などの薬に抵抗がある方は、アロマの香りで体をリラックスさせ、誘眠に導くのも1つの手段でしょう。

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まとめ

睡眠は必要な時に必要な時間しっかり取ることができなければ、何らかの体の不調を招くことが多くあります。睡眠は私たちの体にはなくてはならない時間です。自分自身の生活環境を見直すことで改善することも多いですが、病気が影響して不眠になっていることも少なくありません。特に病気に関しては自分の症状が病気であることに気がついていなかったり、気がついていても病院に行くことをためらったりする人もあるのではないでしょうか。

睡眠障害の背後に隠れている病気が悪化すると治療に時間がかかる可能性もありますが、それよりもその間ずっと独りで我慢して悩んで辛い時間を過ごすのは苦痛以外ありません。自分の体の警告サインがあれば無視しないで何らかの対策を早急に取るようにしましょう。

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この記事のライター

薬剤師をしています。ヘルスケア分野の情報をわかりやすく説明します。

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