アイコスは健康に有害?がんのリスクは?メリット7つとデメリット5つ

アイコスは健康に有害?がんのリスクは?メリット7つとデメリット5つ

フィリップ・モリスから発売されている「アイコス」。健康意識が高まる中でアイコスが注目されています。アイコスは健康に有害なのか、がんのリスクはあるのか、など多くの人が気になることやメリット・デメリットを説明します。


近年、喫煙による健康被害の観点から、禁煙が勧められることが多く、禁煙外来などを設置する病院やクリニックも増えています。

しかし、やはり喫煙はやめられない、やめたくないという人もいるのではないでしょうか?
そんな中、アメリカの大手たばこ会社フィリップモリスから、「アイコス」という加熱式タバコが発売され最近の流行りになっています。

しかし、この「アイコス」には、通常のタバコよりも有害であり、発がんリスクは普通のタバコの10倍?というような情報も流れており、使用を躊躇する要因となっています。

実際のところ、アイコスと通常のタバコにはどのような違いがあるのか、アイコスのメリット、デメリットについてまとめます。

アイコス(iQOS)とは

アイコスとは、アメリカのたばこ会社フィリップモリスから2015年9月に発売された加熱式タバコです。

電子タバコと混同されがちですが、従来の電子タバコは、ニコチンを含まないさまざまな風味の液体を加熱して蒸気化したものを吸うものをいいます。一方、アイコスは、ペースト状のタバコの葉を加熱板で加熱して蒸気を発生させ、それを肺に吸い込むもので、ニコチンが含まれています。

アイコスは、350℃で加熱してタバコの葉を蒸すもので、燃やさないためタールの発生を抑え、煙や灰が生じないのが特長です。

アイコスは、「iQOSホルダー」に専用の「ヒートスティック」をセットして使用します。1回使用毎に充電が必要で、「iQOSポケットチャージャー」を用いて充電します。

アイコスは、日本で先行して発売となり、ドイツやイタリア、スイスでも販売されるなど、徐々に世界各国で販売が開始されています。アメリカでの販売は、アメリカ政府機関であるFDA(Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)で議論中となっているようです。

アイコスの成分

タバコの成分といえば、ニコチンとタールですが、アイコスもタバコであるため、その成分にはニコチンが含まれています。そして、アイコスは、通常の紙タバコに比べタールなどの有害成分が90%カットされているとされています。

タールとは、ひとつの物質ではなく、一酸化炭素やホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、ベンゼンなどの有害物質を総称したものをいいます。

実際のアイコスをみてみると、ニコチンやタールの表示がありません。
なぜ、ニコチンやタールの表示がないのでしょう?

それは、通常、その測定方法は、自動喫煙器を用いて、国際標準化機構(ISO)が定めた方法で測定されています。一方、アイコスは、加熱することで発生する水蒸気を吸うものであるため、従来の紙タバコとは違い、ニコチンやタールの量を測定する方法が確立していないこと、また、法令上、ニコチンやタールの量を表示する義務がないことから表示されていません。

では、アイコスの水蒸気にはどのような成分が含まれているのでしょう?
アイコスは、タバコですので、もちろんニコチンが含まれています。その他、水とグリセリンが含まれているといわれています。

アイコスは健康に有害?発がん性物質のリスクは10倍?

2017年の5月にスイス大学のレト・アウアー博士らによる、アイコスと通常の紙タバコ(ラッキーストライクブルーライト)の煙(アイコスについては水蒸気ですが)を比較した研究報告(URL:http://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2628970 )が発表され、アメリカのロイターヘルスが記事(URL:http://www.reuters.com/article/us-mideast-crisis-syria-army/syrian-army-allies-close-in-on-islamic-state-in-deir-al-zor-idUSKCN1BS06V )として公開しています。

その情報が、日本でも翻訳され「アイコスは、健康に有害であり、発がん性物質のリスクが10倍である」という情報が広がったようです。

アイコスは、タバコであるため、ニコチンが含まれているのは当然で、フィリップモリスのアイコスの公式ページでも有害成分の量が90%低減とされているだけで、有害成分がゼロではありません。しかし、「有害物質の濃度が紙タバコより高い濃度で検出された」ということが問題となっています。

しかし、情報のソースとなった実際のレト・アウアー博士の発表した研究報告を見ても、「発ガン性物質のリスクが10倍である」とはどこにも記載されておらず、情報が過度に翻訳されたもののようですが、本当にアイコスの水蒸気中に紙タバコよりも有害物質が高濃度に検出されるのであれば、アイコスを使用する最大のメリットはなくなります。

レト・アウアー博士により研究報告された内容をまとめると、以下のようです。
・アイコスの水蒸気は、従来のタバコの84%のニコチンを含有している。
・アイコスの水蒸気に、一酸化炭素や揮発性有機化合物、多環芳香族炭化水素など発ガンに関係するとされる物質が含まれている。
・アイコスの水蒸気から検出された一部の有害化学物質は、紙タバコの煙中の濃度より高い濃度で検出された。

レト・アウアー博士は、アイコスの水蒸気には有害化学物質が含まれていましたが、その濃度は平均して低いものであるが、今後、アイコスを使用する人や周囲の人への影響についてより多くの研究が必要であるとしています。

これに対する回答が、フィリップモリスから公式に発表され、第三者機関での研究報告を奨励しながらもレト・アウアー博士の研究チームが独自に設計開発した装置によるその測定方法について疑問を呈し、装置についての詳細な説明が無い状態で、標準的な方法で測定した結果と比較することはできないとして、否定しています。(URL:https://www.pmiscience.com/news/comments-article-entitled-%E2%80%9Cheat-not-burn-tobacco-cigarettes-smoke-any-other-name

レト・アウアー博士の研究チームの測定方法が標準的なものでなく、2つの測定方法で得た結果を単純に比較している点などから研究結果は信頼性に欠けるとの見解を示しています。

結論としては、現状では、アイコスは紙タバコに比べて、有害物質の生成を90%カットされているという見解に変化はないようです。

アイコスの副流煙の体への影響は?

タバコは直接喫煙している人への害だけでなく、喫煙者の近くでタバコの煙を吸った人にも体に害を及ぼす副流煙の影響もあります。副流煙とは、タバコの火のついているところから出ている煙をいいます。

紙タバコの場合、副流煙には、有害物質が主流煙に比べてより多く含まれており、受動喫煙によるタバコを吸わない人の健康被害も問題となっています。

全国的に公共の場や会社で禁煙が進められているのはこのような背景もありますね。
アイコスは、燃やさないため煙はでませんが、水蒸気が白い煙のように出ます。

有害物質の含有量は90%低減されたとはいえ、この水蒸気にも微量であっても有害物質は含まれています。つまり、無害ではないわけです。

子どもや胎児への影響がないとは言い切れないため、子どもや妊婦さんのいるところやタバコを吸わない人のいる環境でのアイコスの使用は控える方がよいと考えます。

アイコスとタバコの害の比較

タバコは、ナス科の「タバコ」という植物の葉から作られます。アメリカ大陸にタバコの起源があるといわれており、日本へは16世紀から17世紀に伝わったといわれています。

タバコの害については、これまでに数多くの報告がされています。

タバコには4,000種類以上の化学物質が含まれており、そのうち有害物質とされるものは200種類以上含まれているといわれています。タバコの成分で有害作用があるものには、ニコチン、タール、一酸化炭素といった成分があります。

有害物質①:ニコチン

中枢神経のニコチン受容体という受け皿にニコチンがくっつくと、人に気持ちがよい、幸せだという感覚をもたらします。そのため、気分の良い感覚を得るために再びタバコが吸いたいという感情になり、喫煙は習慣になりやすいのです。

このように習慣性が起きやすいのがニコチンの有害作用のひとつです。

また、ニコチンは、血管を収縮するため血行が悪くなり、肩こりや頭痛の原因となります。さらに、血圧や心拍数を上げるため、血管への負担が高くなり、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こすリスクが高くなるといわれています。

有害物質②:タール

タバコの成分が熱で分解されてできるべたべた、どろっとした成分をタールといいますが、タールには、発がん性物質が含まれていることは有名ですね。のどや肺に付着して、がんの発症リスクが高くなることがいわれています。

タバコを吸う人の肺は真っ黒とよく言われますが、これは、タールが付着しているためです。

有害物質③:一酸化炭素

一酸化炭素は、タバコが不完全燃焼することにより発生します。
通常、酸素は血液中のヘモグロビンとくっついて全身に供給されていますが、一酸化炭素は酸素よりもヘモグロビンとくっつきやすいため、酸素が運ばれず、全身が酸素不足になりやすくなります。また、血管の壁を傷つけて動脈硬化を起こしやすくなります。

このようにタバコを吸うことは、さまざまな病気になるリスクを高くし、健康を害します。

アイコスは、タバコであるため、ニコチンによる害は従来の紙タバコ同様にありますが、タバコを燃やさないアイコスは、タールや一酸化炭素の発生を抑えることができ、タールや一酸化炭素による害が軽減されると考えられます。

タバコによる害が軽減できる点から、アイコス使用に切り替えようかなと考える人も多いことでしょう。

次に、アイコスへ切り替える際のメリット、デメリットをまとめます。

アイコスのメリット7つ

通常のタバコと比較したアイコスのメリットを7つご紹介します。

①タバコによる健康への害が軽減される
人はニコチンを摂取するためにタバコを吸うのですが、今まではタバコを燃やして吸う方法しかなかったため、仕方なく副産物であるタールも一緒に摂取していたといえます。

これまでご紹介してきたように、アイコスは、従来の紙タバコと異なり、タバコを燃やさず、加熱することでタバコの葉を蒸した水蒸気を吸うシステムであるため、タバコを燃やすことにより生じるタールや一酸化炭素が生じにくく、紙タバコに比べ有害物質が90%低減されます。

これは、喫煙者にとってもタバコを吸わない周囲の人にとっても、アイコスに切り替える大きなメリットとなります。

②タバコ本来の味がわかる
従来の紙タバコは、タバコの葉を燃やしてしまうことからタバコの葉の本来の味はわからないのですが、アイコスは、タバコの葉を燃やさないため、タバコの葉の本来の味を楽しむことができます。

③煙が出ない
アイコスは、燃やさないため煙は発生しません。アイコスを使用して発生する白い煙のようなものは水蒸気で、紙たばこから出る煙のようなくさい臭いはしません。また、紙タバコの煙のように煙が充満することもなくすぐに消えてしまいます。

煙が出ないとはいえ、アイコスもタバコであるため、発生する水蒸気にはニコチンが含まれていますし、吸うときのマナーは従来通り守ることが大切と考えます。

④灰が出ない
タバコの葉を燃やさないため、もちろん灰も出ません。灰が周囲に落ちてしまう心配がなく、タバコを吸う際に灰皿が必要なくなります。また、熱い灰が落ちて服に穴が開く、カーペットに穴が開くという心配もなくなります。

⑤火事の心配がない
アイコスは、火を使って燃やさないため、タバコの火の消し忘れなど不始末による火災の心配は必要なくなります。吸い殻は、ゴミ箱に捨てられます。

⑥歯や部屋の壁が黄ばばない
従来の紙タバコを吸っていると、ヤニで歯や部屋の壁が黄ばんでしまいますね。このヤニとは、タールのことですので、アイコスは燃やさないため、タールの発生も抑えられ、歯や部屋の壁が黄ばむ心配がいりません。

⑦タバコの臭いがつかない
タバコを吸うと服や髪の毛にタバコの嫌な臭いがつきますが、アイコスは、タバコ特有の嫌な臭いがしません。

ただし、アイコス独特のにおいはあります。実際には、とうもろこしの焦げたようなにおい、焼き芋のにおい、焼きまんじゅうのようなにおいなど、さまざまにたとえられていますが、あまり気にならないという人が多いようです。

アイコスのデメリット5つ

次に通常のタバコと比較した場合考えられるアイコスのデメリット4つをご紹介します。

①チェーンスモークができない
ヘビースモーカーと呼ばれる人の中には、一本吸い終えたら続けてもう一本吸うのが習慣という人もいますね。しかし、アイコスは、一本吸い終わったら、iQOSホルダーを充電しなくてはいけないため、続けて2本目を吸うということができません。どうしても続けて吸いたいために、アイコスを2台準備している人もいるそうです。

②かさ張る
従来の紙タバコの場合は、タバコの箱とライター、さらに携帯灰皿を携帯するだけで、持ち運びにかさ張りはしませんでしたが、アイコスの場合、一本吸う毎にiQOSホルダーの充電が必要であるため、ポケットチャージャーも常に持ち歩く必要があり、かさ張ると感じる人もいるかもしれません。

③重さがある
iQOSホルダーは結構重さがあり、くわえタバコは難しいようです。
くわえタバコをしながら両手を使うパソコン作業などはできなくなりますね。

④掃除が必要
従来の紙タバコでは必要がなかった掃除が必要です。iQOSホルダー内部は、継続使用によりヒートスティックの屑が溜まるため、定期的に掃除が必要です。掃除をせずにヒートスティックの屑が溜まりっぱなしになると味が悪くなる原因となるそうです。

⑤初期費用がかかる
アイコスを使用するには、まず本体を購入しなければいけないため、その購入費用がかかります。ヒートスティックは一箱20本入り460円と従来の紙タバコと同じくらいですが、アイコス本体は10,000円前後と決して安いものではありません。しかし、アイコスに切り替えることにより、健康面や環境面へのリスクが軽減されることを考えれば、かかるコスト以上に大きなメリットがあると考えます。

アイコスのメリット・デメリットを見てきましたが、いかがでしょうか?
個人的にはデメリットよりもメリットの方が大きいのではないかと考えます。

まとめ

アイコスはタバコであるため、ニコチンによる健康被害は従来の紙タバコと変わりはありませんが、タバコを燃やさないため、タールや一酸化炭素の発生が抑えられ、それらによる健康被害のリスクを軽減することができます。特にタール生成の削減は、がんの発生リスクの低下に繋がります。

タバコは少なからず体に害を与えるものであるため、禁煙できるのが一番と考えますが、喫煙を継続する場合でも、今後、アイコス使用者が増えることは、喫煙者にとっても、タバコの副流煙により受動喫煙してしまう恐れのある非喫煙者にとっても大きなメリットとなるのではないでしょうか。

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この記事のライター

薬剤師をしています。ヘルスケア分野の情報をわかりやすく説明します。

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