バターコーヒーとは？作り方5ステップと本当のダイエット効果【保存版】

※この記事は、栄養士資格を持つライターが書いています。

2015年頃より流行している『バターコーヒー・完全無欠コーヒー』

これは、デイヴ・アスプリー氏の著書『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』に登場する完全無欠ダイエットのためのコーヒーです。デイヴ・アスプリー氏は、独自に調べた研究者たちの結果より根拠を作り、ダイエットに対する新しい概念を提唱しました。

デイヴ・アスプリー氏は、著書にて、高カロリーだからと避けられている脂質を避ける必要はないことや、同じ食べ物でも、食べる時間によってダイエットに悪くなったり、良くなったりするということを、自らの経験談と調査結果に基づいて紹介しています。

今回の記事では、そこに登場するバターコーヒー（完全無欠コーヒー）の作り方やダイエット効果についてお話しします。

『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』の中に登場するバターコーヒーは、完全無欠コーヒーと名付けられています。

今回の記事では、バターコーヒーと表記することとします。

書籍内で紹介されているバターコーヒーは、普通のバターを入れただけのコーヒーではありません。

デイヴ・アスプリー氏は、完全無欠コーヒーにより、集中力が増し、思考がクリアになり、食欲を抑えることができる、という効果を得ており、単にコーヒーを飲むだけで得られる効果ではないと信じられないような現象が起こっているのです。

もちろん、高価に個人差はありますが、著者自身が自分の体を使って、専門家とともに徹底的に分析した結果なので、根拠がないわけではありません。

『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』は、全米でベストセラーとなり、日本でもamazonで星4を獲得している良書です。

多くのビジネスマンに読まれ、多くのビジネスマンが飲んでいるコーヒーでダイエットができることから、人気になりました。

完全無欠のバターコーヒーの材料は、一般的なスーパーで購入することが難しい食材が多いのですが、通販を使えば材料は簡単に揃います。

意外と簡単に作ることができる点も、バターコーヒーが人気になった理由の1つといえるでしょう。

バターコーヒーを作るために必要な3つの材料を紹介します。
①良質なコーヒー豆
②良質な無塩バター（グラスフェッドバター）
③ココナッツオイル（バージンココナッツオイル）

材料の詳しい内容を1つずつ見ていきましょう。

バターコーヒーを作る際に、まず手に入れたいのが良質なコーヒー。スーパーで売っているインスタントコーヒーを使って作るのは避けてください。

コーヒー豆は、古くなると酸化し、体に負担を及ぼします。一般的なコーヒーの賞味期限は、焙煎してから豆の状態で3週間、粉に挽いてからは2時間程度です。そのため、できるだけ新鮮な豆を手に入れ、家では豆を挽くところからはじめましょう。

もちろん、自家焙煎ができるなら、家で焙煎するのが一番です。しかし、忙しい社会人なら、なおさら不可能に近いですよね。

焙煎された良質なコーヒー豆を見つけるには、近所にある高級なコーヒー店に足を運んでみてください。

ネットで検索する場合には、『焙煎機』を置いている店かどうかのチェックをしておきましょう。コーヒー店は、古き良き時代からやっている喫茶店も多いため、ネットに情報がない場合は電話をしてみるのも良いでしょう。

バターコーヒーを広めたデイヴ・アスプリー氏は、見ただけでは良質なコーヒーを見極めることができないため、専門家に検査を依頼しているそうです。しかし、私たち一般人は、コーヒーにそこまでの手間暇をかける必要はありません。

まずは、信頼できる高級コーヒー店を見つけるところからはじめましょう。

どうしてもコーヒーを淹れる時間がとれない方は、有機JAS認定のインスタントコーヒーの使用を検討してください。インスタントコーヒーの中では良質であることが証明されているためです。

グラスフェッドバターとは、放牧されて牧草だけを食べて育った牛の牛乳から作られるバターです。

普通の家畜は効率よく育成されるため、人工的なエサ（穀物）を与えられます。しかし、グラスフェッドバターの元となる牛は、牧草だけを食べて育つため、普通のバターより希少価値が高く、栄養価も異なるのです。

デイヴ・アスプリー氏が特に注目しているのが、脂溶性ビタミンと抗酸化物質の含有量。

希少価値が高く、価格も効果ですが、良質なバターコーヒーを作るには欠かせない材料です。購入は、ネット通販の利用または百貨店で購入しましょう。一般的なスーパーでは販売していないことが多いです。

グラスフェッドバターは、amazonで250gを3000円程度から購入することができます。グラスフェッドバターと名乗っているものでも、中には悪い油を足している商品もあるため、表示をよく確認しましょう。輸入ものがほとんどなので、英語で表示が読めない場合は、通販業者に確認してから購入することをおすすめします。

ココナッツオイルは、多くの飽和脂肪酸と少量の中鎖脂肪酸を含んでいます。この中鎖脂肪酸をココナッツオイルから十分に摂取することで、体脂肪を減らす効果が期待できるのです。

ココナッツオイルは、スーパーでも通販でも購入することができるので、3つの中では比較的入手しやすい材料ではないでしょうか。

ちなみに、エキストラバージンココナッツオイルは、500mLで1600円程度から購入可能です。グラスフェッドバターと比較すると、安価に手に入る材料ですね。

バターコーヒーを作る際に必要な材料・分量は次の通りです。

・熱々のコーヒー2杯（2杯分の豆）
・良質な無塩バター大さじ2杯まで
・ココナッツオイル大さじ2杯まで

＜必要な器具＞
・コーヒーを淹れるための器具一式
・ブレンダー

バターとココナッツオイルは、大さじ2杯までにとどめておけば、量は好みで調整しても良いとされています。

まずは、コーヒー淹れます。

バターやココナッツオイルを溶かすため、熱々の状態に、それらを入れることができるようにします。

コーヒーを淹れる間に、ブレンダーを温めておきましょう。熱湯を沸かし、ブレンダーの中に入れ、ブレンダーを使用する直前にブレンダーのお湯を捨てるだけで温めることができます。

コーヒーができたら、ブレンダーの中にコーヒー、バター、ココナッツオイルを入れて攪拌します。温度が非常に高いものを攪拌するので、蓋をしっかり締め、蓋を押さえながらスイッチをONにしましょう。

これらの材料をしっかり攪拌すると、ラテのように泡立ちます。

ハンドミキサーでも攪拌することは可能ですが、ブレンダーを使うことで、よりふわふわとした泡を作ることができるため、できるだけブレンダーを使いましょう。

デイヴ・アスプリー氏の提唱するバターコーヒーには、シナモン、バニラ、チョコレート、キシリトールなどのフレーバーを追加しても良いです。

バターコーヒーに飽きてきたら、お好みでフレーバーを加えましょう。

デイヴ・アスプリー氏は、バターコーヒーを飲むタイミングは「朝」を推奨しています。

朝食の代わりにバターコーヒーを飲むことによるメリットとしては、次のようなものがあげられています。

・中鎖脂肪酸がすぐにエネルギーとなってくれる
・コーヒーの効果で頭がすっきりする
・バターの脂質が腹持ちを良くしてくれる

そのため、朝食をバターコーヒーに置き換えましょう。

デイヴ・アスプリー氏が提唱するバターコーヒーによって得られるダイエット効果が次の通りです。

著者は、バターコーヒーを飲んでいる間に1日4000キロカロリー以上の食事中の脂肪を増やしても、やせた体をキープできました。

これは、カロリーの概念から考えると、どのような根拠で太ることがなかったのか解明することはできませんが、デイヴ・アスプリー氏はこれをカフェインの効果としています。

カフェインはどんな供給源から摂ったとしても、エネルギーを高めるだけにとどまらず、脳内の炎症を防いで認知機能の衰えを軽減しするという研究結果から、この効果に気づいたそうです。

MCTオイルは腸内細菌叢に働きかけ、やせている人に多く見られるプレバイオティクスとして働きます。

ラットを用いた実験で、高脂肪食を与えると体重が減少したという実験より、著者が提唱している考え方です。

バターコーヒーは、バターコーヒーだけで流行したわけではなく、デイヴ・アスプリー氏が提唱している完全無欠ダイエットの一部です。

完全無欠ダイエットの中では、ファスティング（断食）も推奨されています。

そのファスティング中であっても、朝にバターコーヒーだけは飲んでも良いとしています。

ファスティングダイエットには、酵素ドリンクを飲むなどが流行していますが、酵素ドリンクの中には添加物がたくさん含まれているものもありますので、良質な材料でファスティングができる点は、バターコーヒーのもつ大きなメリットではないでしょうか。

完全無欠ダイエットで避けるべき食品に小麦（グルテン）があります。
デイヴ・アスプリー氏の語る小麦のデメリットは次の通り。

・グルテンを摂らないことで怒りっぽくなくなった
・小麦を食べると身長が低くなる
・グルテンを食べると翌日は元気でも、2～3日するとイライラしてしまう。

朝食はパンで済ましてしまう方も多いでしょうから、朝食をバターコーヒーにすることで、パンを食べずに済むメリットがあるでしょう。

炭水化物をカットしすぎると、睡眠の質が悪くなるなどの影響が出るため、過度な炭水化物カットは推奨されていません。

しかし、完全無欠ダイエットをする際には1日のカロリーの5％のみを炭水化物でとるように推奨しています。

私たち日本人の食生活では、ほぼ実現不可能な数字です。

バターコーヒーには炭水化物がほとんど含まれていませんので、炭水化物のカットに役立つでしょう。

脂肪といえばダイエットの敵のイメージが強いですが、完全無欠ダイエットにおいては、脂肪は悪ではありません。

脂肪には、分子の長さと、分子の結合の状態の2つの分類方法があります。
分類ごと脂肪の働きが次の通りです。

＜分子の長さ＞
短鎖脂肪酸や、中鎖脂肪酸は、脂肪酸の結合している長さによって分類される呼び名です。食用の脂肪では、分子が短いほうが希少で抗炎症作用があるとしています。

完全無欠ダイエットでは、短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸でできている脂質源を使うことでダイエット効果を高めています。

＜脂肪の結合の状態（安定度）＞
脂肪は、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸にわけられます。

飽和脂肪酸は、ほかの不純物と結合することができない脂肪酸なので、安定しており、良質な脂肪酸といえます。次に、一価不飽和酸は一か所のみが酸素と結合しますが、多価不飽和脂肪酸より安定しています。多価不飽和脂肪酸は、たくさんそ酸素と結合できてしまう状態です。

安定している脂肪酸は、酸素と結合して酸化しないため、良質な脂肪であるといえるのです。

健康に良いイメージのある植物性油脂は、多価不飽和脂肪酸を多く含むため不安定です。ヘルシーなイメージにより、毎日の料理によく使用しているのではないでしょうか。

バターコーヒーではグラスフェッドバターとココナッツオイルを使用するため、グラスフェッドの動物性脂質、ココナッツオイル、MCTなどのヘルシーな脂肪を多く摂ることができます。

完全無欠コーヒーを、さらに良質な材料で作りたい方は、『ギー』の使用を検討してください。

ギーとは、牛や水牛、ヤギなどの乳から作られるバター状のものです。

ギーには、グラスフェッドバターと同様の体に良い成分が含まれている他に、グラスフェッドバターに含まれている乳タンパクがほとんどないという特徴があります。

乳タンパク質は、有名どころでは『カゼイン』と呼ばれるものです。これは、乳タンパクアレルギーの人が摂取すると、アレルギーを引き起こす原因となる物質です。乳タンパクでアレルギーを起こす方でも、タンパク質が取り除かれている製品を選べば、アレルギーを起こすことはありません。

次に、ギーはバターからタンパク質や糖分を取り除いているので、完全無欠ダイエットのためのバターコーヒーに取り入れたい脂肪分の割合が高くなります。その点でも、ギーはグラスフェッドバターより優れているといえるでしょう。

デイヴ・アスプリー氏は著書の中で、ギーの作り方も紹介しています。

①グラスフェッドバター（良質なバター）500gを用意する。
②バターを鍋で泡立つまで加熱する。
③泡を捨てる。
④鍋の底のタンパク質の層だけを残す。
⑤鍋の中身を瓶に入れ、タンパク質の層を捨てる。

100％オーガニックのギーは8オンス（200ｇ）で2000円以上しますので、良質なバターが手元にある場合は、手作りしてみても良いでしょう。

ただし、自家製の場合は完全に乳タンパク質を除去できるわけではありません。乳アレルギーの方は、この方法でタンパク質を除去しても、アレルギーが出てしまう可能性があります。その点は注意が必要です。

完全無欠コーヒーは、デイヴ・アスプリー氏はシリコンバレー式自分を変える最強の食事という著書の中で紹介したバターコーヒーです。

良質な脂質をとることができ、ダイエットに有効であるということを、著者が自らの体を使って証明しました。

できるだけ良質な材料で作ることが良いとされており、グラスフェッドバターとココナッツ、酸化していない豆を用意する必要があります。

ただし、豆について、入手が難しい場合は有機JAS認定インスタントコーヒーなどを利用しても良いでしょう。

スーパーで安価に売っている有塩バターを使ったり、マシンで簡単に入れることができる粉末コーヒーは使用しないようにしてください。

今回のご紹介したバターコーヒーは、アメリカ人向けのレシピです。私たち日本人には、少し多いかもしれません。量が多いと感じたら、ご自分の体型や飲める範囲に合わせて飲むようにしましょう。無理にレシピの量を飲み干す必要はありません。