デイヴ・アスプリー氏の『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』がベストセラーになってから大流行しているバターコーヒーダイエット。
バターコーヒーが有名になったことから、バターコーヒーダイエットと呼ばれていますが、このダイエットは、バターコーヒーのみでダイエットをすることではありません。バターコーヒーのみを飲んでファスティングを長期間続けていると、体調を崩してしまう可能性があるので、そのようなやり方は避けてください。
あくまでも、『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』で紹介されている完全無欠ダイエットの一部に、バターコーヒーが登場するのです。
そのため、バターコーヒーダイエットとは、完全無欠ダイエットのことです。
今回の記事では、バターコーヒーの作り方や、バターコーヒーダイエット(完全無欠ダイエット)のコツなどをご紹介します。
バターコーヒーダイエットとは?
バターコーヒーダイエットは、アメリカが発祥の地である、バターを入れたコーヒーを使ったダイエットです。
アメリカのビジネスマンであるデイヴ・アスプリー氏の著書『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』でその作り方やダイエットへの取り入れ方が詳細に記されています。
デイヴ・アスプリー氏は、バターコーヒーダイエットで、50kg以上のダイエットに成功しました。
これまでの、低炭水化物が良い、脂肪は悪である、ということが必ずしも正しくないということを、自らの体を使って証明したことから、『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』はベストセラーになったのです。
全米でベストセラーになったのですから、『バターコーヒーダイエット』は、世界中の多くの人から注目を浴び、今では世界中で実践されているダイエット方法の1つに成長しています。
バターコーヒーの材料と作り方
まずは、バターコーヒーの作り方をみていきましょう。
<材料>
グラスフェッドバター10g、ブラックコーヒー1杯、MCTオイル大さじ1
<作り方>
①ブラックコーヒーを入れる。
②グラスフェッドバターとMCTオイルを入れて十分に攪拌する。
バターコーヒーの作り方の手順は、たったのこれだけです。
コーヒーはインスタントコーヒーでも作ることは可能ですが、できるだけ良質の材料を使うことを、デイヴ・アスプリー氏は推奨しています。
書籍では、MCTオイルではなくココナッツオイルでも良い、シナモンやバニラパウダーで味にメリハリを加えても良いなどのアレンジも紹介されており、必ずこう作らないといけない、という決まりはありません。
バターコーヒーダイエット(完全無欠ダイエット)の効果的なやり方
バターコーヒーが注目されたことから、バターコーヒーダイエットと呼ばれがちですが、『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』で実践されているダイエットの正式名称は『完全無欠ダイエット』です。
完全無欠ダイエットは、コレだけを実践すれば良い、というものではなく、生活習慣そのものを変えていくダイエットです。
完全無欠ダイエットを行っていく中で、バターコーヒーが登場します。完全無欠ダイエットを行う際には、バターコーヒーを朝食に飲むようにしてください。朝食は、バターコーヒーのみです。
バターコーヒーを朝食に飲むことで、中鎖脂肪酸がすぐにエネルギーとして働く、コーヒーの効果で頭がすっきりする、バターによる良質な脂肪が腹持ちをよくしてくれる、などの効果があります。
完全無欠ダイエットとは、食べる時間を工夫する、野菜をたくさん食べる、ハイリスク食品をとらない、などデイヴ・アスプリー氏が提唱している多数の決まり事を守る必要があります。
次に、書籍内で紹介されている完全無欠ダイエットのポイントを紹介します。
バターコーヒーダイエット成功のコツ10個
デイヴ・アスプリー氏が提唱する完全無欠ダイエットのポイントを10個紹介します。
■①食べるタイミングをマスターする
デイヴ・アスプリー氏は、完全無欠ダイエットを行うことで、ダイエットと同時に仕事の効率をあげることや、アンチエイジングにもつながるとしています。
その中で、デイヴ・アスプリー氏は時間による食べ物の効果を次のように述べています。
・果物は朝にたべない。朝は血圧をあげるためにナトリウムが必要となり、カリウムは少なくしたいため、カリウムを多く含む果物は朝には適していない。
・極度な炭水化物制限をしたときに、睡眠の質が低下した。そのため、夕食にわずかな炭水化物をとる必要がある。
・6~8時間のうちに一日に必要なすべての食事を済ませる断続的ファスティングをすることで体重減少と集中力増強ができる。
このように、食生活と時間をコントロールすることが完全無欠ダイエットのポイントなのです。
■②運動のポイントをマスターする
デイヴ・アスプリー氏は、運動を『心疾患のリスクを減らし、インスリン感受性を高めることから、有効である』としつつも、運動の仕方によっては筋肉を減らしてしまうとしています。
完全無欠ダイエットにおける、運動のポイントは次の通りです。
・マラソンのような強度の高い有酸素運動を習慣的に行うと心臓に負担がかかる。
・ウエイトトレーニングを行うことで、インスリン感受性と代謝率を高める。
・筋肉ムキムキになることはないため、女性でもウエイトトレーニングを行う必要がある。
・高カロリー・高脂質の食事をしつつ、胃が空っぽ所状態で運動をすると最も筋肉が増える。(ベルギーの研究より)
デイヴ・アスプリー氏は、20分以上継続して運動を行わないことと、ウエイトトレーニングをすることを推奨しています。
■③とにかく『野菜』を食べる!
完全無欠ダイエットでは、バターコーヒーが注目されがちですが、デイヴ・アスプリー氏が最も多く食べることを推奨しているのは野菜です。
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』では、それぞのれ野菜について、細かく解説しています。
デイヴ・アスプリー氏が良い評価をしている野菜の一例は、次の通りです。
・オリーブは、果実ではあるが野菜と同じように機能し、毒素が少ないため、完全食に近い。
・青梗菜は、カロリーと炭水化物がゼロであることから、バターを絡めて食べるのにベスト。
・ほうれん草は、ビタミンC、鉄、カリウムなどが豊富である上に低炭水化物で低カロリーなため、非常に良い野菜である。
・アスパラガスは、水溶性食物繊維が豊富なため、腸内細菌のエサになる。
・きゅうりは栄養豊富ではないが、食物繊維を補給できる。
もちろん、評価していない野菜もあります。
・ルッコラはとても腐りやすくカビやすい。
・トマトとナスは、食物アレルギーを起こす物質なので、食べると疲れやすい体質の人もいる。
・ニンニクは脳の活動を低下させる。
このように、すべての野菜を高評価しているわけではなく、評価していない野菜もあります。
オリーブやルッコラなどは、日本ではあまり日常的に使わない野菜ですが、その他はよく食卓に並ぶものではないでしょうか。
■④ハイリスクなタンパク質を避ける
デイヴ・アスプリー氏は最も良いタンパク質を、グラスフェッドの牛肉とラム肉としています。一方、ハイリスクなタンパク質として、次のようなものは避けるように推奨しています。
・養殖のシーフードは、ヘルシーな脂肪をほとんど含んでいないため、脂質源ともタンパク質源ともなるが、ハイリスクである。
・アメリカの工場畜産では、家畜と安く太らせるために汚染された穀物を使用していることがあるため、そのように飼育されているタンパク質源は食べない。
・豆類は、消化阻害因子を含んでいるため、良い面ばかりではない。
日本にも、アメリカ産の肉は輸入されています。アメリカ人であるデイヴ・アスプリー氏が避けているのですから、あまり良いものではないことがわかりますね。
また、豆類はダイエット中によく推奨されている食べ物ですが、良い面ばかりではないという点に注意するよう呼びかけています。
■⑤果物は夜に食べる
果物は、糖分が高いためできる限り摂取を避けるよう推奨しています。しかし、夜には炭水化物がなければ眠りが悪くなるというデメリットがあるため、果物の摂取を禁止にはしていません。
完全無欠な果物として、デイヴ・アスプリー氏は次の果物を推奨しています。
アボカド、ココナッツ、クランベリー、レモン、ライム、ラズベリー
その他の果物にはリスクもあるとしており、次のように解説しています。
・すいかは、食後に時間をおいて食べる。理由は、消化吸収が早いため、ほかの食べ物と一緒に食べると消化不良を起こすことがあるため。
・さくらんぼは、農薬をたくさん使用して栽培しているため(アメリカでは)注意が必要。
・ドライフルーツは、糖質とカビ毒が多いため、絶対に避ける。
・果物をジャムにすると、果物のもつ抗酸化作用や有益な栄養が破壊されてしまう。
デイヴ・アスプリー氏は、様々な研究結果をもとに、このように果物を評価しています。
■⑥古い調味料は使わない
調味料は、一般的にカビが発生しやすいとしています。そのため、できるだけ開封したての状態を保つよう、強く推奨しています。
調味料は、できるだけ使いきれるように、密封して保管することで、できるだけ酸化しないように保管しましょう。
■⑦調理法は『茹でる』こと!『あぶる』は禁止
デイヴ・アスプリー氏は、あぶった肉を食べる行為は、喫煙と同程度のリスクを負うことであるとしています。
肉をあぶったりグリルをしたりするときに『多環芳香族炭水化物』という物質が発生します。この、多環芳香族炭水化物は、タバコの煙や、車の排気ガスと同じ種類の有毒物質であるため、調理法としてあぶることを禁止しています。
■⑧でんぷんも時々食べる
でんぷん質を食べなければ体重は減るとしている一方で、ずっと食べなければ体調不良をおこすとしています。デイヴ・アスプリー氏は、炭水化物を食べない生活をしていたときに、睡眠不良をおこしたそうです。
デイヴ・アスプリー氏がリスクが低いため推奨しているでんぷん質は、次のとおりです。
・かぼちゃ
・さつまいも
・にんじん
これに対し、小麦、トウモロコシ、コーンスターチなどは、絶対に食べてはいけないハイリスク食品としています。
■⑨低脂肪ダイエットは健康的でないことを知る
デイヴ・アスプリー氏は、低脂肪ダイエットは不健康になる一方としています。低脂肪ダイエットをしない理由として、次のようなことをあげています。
・低脂肪食品の多くは糖質とタンパク質で栄養を補っており、手軽に使える糖が強化されているものが多い。糖は急激に血糖値をあげ、体重上昇につながるため、低脂肪食品はダイエットに良い食品ではない。
・安定した脂肪(飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸)は体に良い。
・良質な脂肪から7割以上のカロリーを摂取し、1日4000キロカロリーから5000キロカロリーを食べても、一切太ることがなかった。
このような経験より、デイヴ・アスプリー氏は低脂肪ダイエットは良いダイエットではないとしています。
■⑩カロリーを減らすことに重きをおかない
デイヴ・アスプリー氏は、一時的にカロリーをカットするダイエットでやせることは認めているが、それは飢餓状態を作っているだけだとしています。
摂取カロリーと消費カロリーのみを計算するのではなく、質のよい食品からカロリーを摂ること、その割合をコントロールすることが完全無欠ダイエットになるとしています。
バターコーヒーダイエットで結果が出るまでの期間
バターコーヒーダイエットこと完全無欠ダイエットは、生活習慣、特に食生活を変えることでやせる方法です。
よって、即効性のあるダイエットではないと考えられます。
デイヴ・アスプリー氏も、著書の中ですぐに痩せることができる、とは語っていません。また、50kg痩せるのに何年かかったかも、断言していません。
そのため、結果が出るまでの期間については個人差が非常に大きいと考えられます。
仮に、バターコーヒーを使ったファスティングを行ったとすれば、体重はすぐに低下するでしょう。単純にカロリーを大幅にカットするためです。
それぞれの目的(減量、シェイプアップなど)にあわせて、できることかた取り入れることで、ダイエットを継続できるようにしてください。
バターコーヒーダイエット(完全無欠ダイエット)の効果2つ
デイヴ・アスプリー氏が書籍の中で紹介している完全無欠ダイエットの、ダイエット以外の効果には、次にようなものがあるとしています。
■①カフェインが脳を守る
デイヴ・アスプリー氏は、カフェインの効果を次のようにまとめています。
・短期的には、セロトニンとドーパミンの活性の変化
・長期的には、抗酸化性と抗炎症作用
特に長期的な効果については、認知機能の衰えを緩めてアルツハイマー病発生のリスク低下にもつながると推奨しています。
■②腸内細菌を飢えさせて脂肪を燃焼する
私たちの体内にはFIAFというタンパク質が存在しています。FIAFは、体に脂肪を貯蔵させるリポタンパク質リパーゼという酵素を阻害してくれるものです。
デイヴ・アスプリー氏は、腸内細菌は飢えたときに空腹になる、としています。そして、空腹になった最近がFIAFを出し、体脂肪を燃やすと仮定しています。
腸内細菌が空腹になるときとは、『糖質やでんぷんが供給されないとき』です。完全無欠ダイエットでは、すべての糖質を制限することはしませんが、糖質を制限することでやせるという面も持っているのです。
最高のバターコーヒーを作りたい人へのおすすめ材料3つ
前半にご紹介したバターコーヒーは、最も入手しやすい材料での作り方です。
グラスフェッドバター以外は、通販を使用しなくても、日常的にスーパーで購入できるものでした。
さらに良質なバターコーヒーを作りたい方は、次の3つを覚えておきましょう。
■①良質なコーヒー豆
インスタントコーヒーを使用しても、バターコーヒーを作ることはできます。しかし、酸化の影響をあまり受けていない、新しくて上質なコーヒーを使うことで、最高のバターコーヒーを作ることができます。
コーヒーは、焙煎してから豆の状態で3週間、粉に挽いてからは2時間程度が賞味期限です。これ以上古くなると、酸化が進んでしまいます。
近所に焙煎機を持っているコーヒーショップを見つけることや、有機JAS認定のコーヒーを購入するなどの方法で、良質なコーヒーを淹れるようにしましょう。
■②バージンココナッツオイル
バターコーヒーには、MCTオイルまたはココナッツオイルを入れます。これを、バージンココナッツオイルにしましょう。
普通のココナッツオイルはスーパ-でも購入することが可能ですが、バージンココナッツオイルはスーパーでは販売していないこともあります。
バージンココナッツオイルは天然で純粋なもので、化学的な処理を行っていないココナッツオイルです。
■③ギーを使用する
バターコーヒーに使うバターを、ギーに変えることで、さらに良質なバターコーヒーを作ることができます。
ギーとは、グラスフェッドバターから乳タンパク質を取り除いたものです。完全無欠ダイエットで取り入れたい良質な脂質をより多くとることができることから、デイヴ・アスプリー氏が推奨しています。
ギーは、乳タンパク質を取り除いているため、完全に乳タンパク質を取り除いている商品であれば、アレルギーを起こしにくいというメリットもあります。
まとめ
バターコーヒーダイエットこと『完全ダイエット』は、生活習慣をガラリと変えてしまうダイエットです。
書籍はアメリカ人向けのものであるため、一部日本では実践しづらい部分もあります。
まずは、炭水化物を減らすことや、野菜を多く食べること、酸化されているものや農薬を使用しているものを避けるところから生活に取り入れていきましょう。
栄養士の資格を活かして、美容関係の仕事をしています。