※この記事は元プロボクサーのライターが書いています。
ダイエットは成功させたい。でも、運動をしなければいけない。食事を我慢しなければいけない。そんな苦しい思いをしなければダイエットは出来ないと思っているあなた。
元プロ格闘家として断言できます。いくつかのポイントを押さえることが出来れば、ストレスを感じることなく、ダイエットに成功することも可能です。
私自身、運動は好きでしたが、食欲を抑えるストレスが非常に苦手でした、そんな私が、
約10年のプロ格闘家として試合までの減量や、日々の体重管理に成功していたのか。
ここでは、私が実践して効果的だった方法を中心に紹介していきます。
ここで紹介する方法を1つでも実践して頂ければ、確実に体型は変わります。
ボクシングの特徴
ロープに囲まれた四角形のリングで、2人が拳のみで勝敗を決める格闘技です。
プロボクシングとアマチュアボクシングにカテゴリーが分かれていますが、基本的なルールは同じです。興行的な要素が大きいのがプロ。競技レベルに関しては、プロとアマチュアでの分別は難しく、日本では競技としてみるとレベルに違いはありません。
プロボクシングは非常に細かい階級制になっています。全部で17階級に分けられていて、体格的な不公平をなくしたスポーツです。
ボクシングダイエットの効果3つ
「ボクシング=減量=激しいトレーニング」とイメージ通りの過酷なスポーツです。
しかし、ダイエットを目的にした運動という点から見ると、非常に効果的であると言えます。
■①全身運動による高い脂肪燃焼効果
ボクシングは、手だけを使うだけでなく、足腰の捻りや、ステップなどで、足の全体も使いながら、有酸素運動に代表されるランニング、無酸素運動に代表される筋肉トレーニングを同時に行う事が出来るので、非常に高い脂肪燃焼効果が期待できます。
■②ストレス発散
ボクシングは、格闘技です。
一般社会では、何かを殴ることで得られるメリットは全くありませんが、ボクシングはサンドバックやミット打ち、スパーリング(対人練習)などで、好きなだけ殴ることが出来ます。
しかも殴れば(動けば動くほど)カロリーを消費して痩せていきます。ダイエットはストレスとの戦いと言われますが、運動も出来てストレス発散も出来るこんな理想的な運動はありません。
■③アドレナリン効果
動物が、命の危険を感じた時(危険から身を守る)極限の状態に追い込まれたときに分泌されるホルモンです。日本に住んでいれば、そのような極限の状態になることは、滅多に起こることはないですが、ボクシングというスポーツは人間の本能を呼び起こしやすい運動の為、アドレナリンが非常に多く分泌されます。
このホルモンが分泌される時は、人間の三大欲求である(食欲、睡眠欲、性欲)が抑制されます。シンプルに言うと、ボクシングをして本能を呼び起こし、アドレナリンホルモンを分泌させて食欲を抑えて効果的なダイエットが出来るのです。
ボクシングダイエットの効果的な期間と頻度
■ダイエットに効果的な頻度
ダイエットを成功させるためには、運動を継続出来ることが非常に大事になってきます。
仮に、運動や食生活を完璧に行えば、短期間でダイエットに成功できますが、そのあと何もしなければ、体型を維持することは不可能だからです。
だからこそ、ライフワークとして運動することを習慣にしなければいけません。特に、運動の効果(トレーニング後の回復と体力アップ)は3日から4日で消失してしまうので、最低でも1週間に2日~3日はトレーニングすることをおすすめします。
■ダイエットに効果的な期間
男女の体格差の違いや個人差はありますが、1ヶ月に落とす体重の目安は、現体重の5%と言われています。あなたのダイエットしたい体重によりますが、現体重の5%以内であれば、1ヶ月以内を目標として身体に負担をかけることなく安全に実行できると思います。
情報番組や広告などで、「短期間で5キロ~10キロ痩せた」など、見出しに魅力的、な内容が目に行く機会が多々あると思いますが、短期間で体重を落とすと、リバウンドによって、ダイエット前よりも体重が増えてしまう危険性があるので注意が必要です。
医学的な理由として、急激に体重を落とすことによって、身体の防衛反応として、飢餓状態を作り出し、以前よりも脂肪を蓄えようとする反応を起こしてしまうのです。
ダイエットを成功させる目的は、体重の減少だけではなく、筋肉をつけて基礎代謝の高い身体にしなければ意味がありません。目標を決めてダイエットすることは大事ですが、真の成功は、継続させることが重要です。
ボクシングダイエットに成功する方法とコツ10個
■1. 目的を明確にする
体重を落とすことが目的だけでは継続することができません。自分も、試合の契約があるから、減量することが出来ました。知識やノウハウがあっても、目的がなければ実行することはできません。とにかく体重を落とすこと以外の目的を持ちましょう。
例えば、好きな服が着られる体型になる!など、楽しくなることをイメージしましょう。
■2. 白湯を飲む(寝起きや空腹時)
寝起きや空腹時に、温めたお湯を飲むだけです。お金がかからない方法なのでおすすめです。多くの有名人も取り入れているのが「白湯ダイエット」です。白湯ダイエットの効果を最大限高めるには、白湯だけにすべきですが、飲みにくい人は粗塩を一つまみ入れると飲みやすくなります。
<白湯の効果>
体内を温めることによって、内蔵機能を活発にして代謝機能を高めることによって消費カロリーを高めて脂肪を燃焼しやすい身体を作ることができます。排泄機能も高まるので便秘解消にも効果抜群です。
<白湯の作り方>
①やかんで水を沸騰させます。(10分以上がベスト)
②沸騰したお湯を約50度にまるまで自然にさまして時間をかけて飲む。
(※ネットで調べれば詳しい方法はのっていますが、寝起きにマグカップ一杯飲むだけで効果を感じて頂けると思います。)
■3. 毎日体重計に乗る
毎日同じ時間(同条件)に測るようにして下さい。
食べたものを記録するだけのレコーディングダイエットと同じ理由なのですが、『見える化』することで、自分自身の体重の変化を毎日確認でき、マンネリ化を防ぎ、食事の内容や量にも自然と意識がいくようになります。
■4. 入浴時に浴槽にしっかり入る
ボクシングは運動量の激しいスポーツなので、翌日に疲れを残さないために、しっかり休息することが大事です。疲労回復には、サウナなどで全身の血流を良くして疲労物質を循環させることが一番なのですが、それと同等の効果を発揮するのが、湯船にゆっくり入ることなのです。
入浴法として、40度程度のお風呂に約15分入ることです。温度が低いと感じる方もいるかもしれませんが、身体に負担をかけず、ゆっくりと入ることが出来るので、自立神経を整え、新陳代謝が活発になり、疲労物質を体外に排出しやすくしてくれます。熱い風呂が良いと感じる方は、何回かに分けて休息を入れながら入りましょう。
■5. お酒選びに注意し、できるだけ控える
アルコールには、食欲増進効果があります。食べ過ぎ注意はもちろんなのですが、アルコールのカロリーも油断できません。特に、ビールやカクテルなどは、糖質を多く含んでいますので、清涼飲料水を飲んでるのと一緒になってしまいます。どうしてもお酒を飲みたい時は、ウイスキーや焼酎など、糖質の少ない種類を選んでください。
■6. 料理に使う調味料に注意する
食事には気を使っていても、調味料まで意識を思っている以上にカロリーを摂りすぎてしまう傾向にあります。特に、糖質が多く含まれている調味料には気をつけて下さい。
<糖質量(100g中)>
ウスターソース:26グラム
ケチャップ:26.7グラム
みりん:54.7グラム
カレールー:41グラム
醤油や、香辛料などなるべく糖質を含まないものを利用してください。
■7. 水分補給はしっかり
ボクシングのような激しい運動では、水分補給はこまめにしてください。
ダイエット中は特に、食べ物から摂取する水分量が減るので、体内の代謝機能を落とさないためにも、水分補給は意識してください。安静に過ごしているときでさえ、血液中の老廃物を排泄させるために尿を排出させるときにも、水分は消費されます。そして、喉が渇いた時には、身体の水分が足りなくなっている状態でもあるので、こまめに水分補給をしていって下さい。
ただ、運動をするからという理由でスポーツドリンクは飲むことは避けて下さい。ティータイムで紅茶やコーヒー飲むときも、必ず無糖にしてください。水分補給で糖質は極力とらないようにしましょう。
■8. たんぱく質はしっかり摂る
ダイエットは体重を落とすことだけが目的ではありません。筋肉量を増やすためにたんぱく質を意識して取りましょう。基本は、糖質を減らしたんぱく質を中心にすることを意識します。たんぱく質が不足すると筋肉が落ちてしまって、基礎代謝が下がり、リバウンドしやすい身体になってしまうからです。
たんぱく質の多い食べ物には、例えば、納豆・牛もも肉・鶏むね肉・ツナ・牛乳・豆乳・豆腐などがあります。
※女性は筋肉がつくことを気にする方が多いですが、通常のボクササイズでムキムキになるほど筋肉が増えることはまずないので、安心してたんぱく質を摂りましょう。
■9. 寝る直前に食事をするのをやめる
極端な言い方をすると、寝る前に食事をすると、太ります。
睡眠中は、日中と違い、消費カロリーは少なるので、食べたものが脂肪に蓄えられやすいためです。寝る直前に食事をするのはやめましょう。
■10. 食事管理をしっかり行う
いくら運動をしても、食事に関して甘えていては、いつまでたっても痩せません。
菓子パン、レトルト食品、ジャンクフードではなく、なるべく素材を生かした食品を選びながら、イメージでも良いので、健康そうなものを積極的に食べていきましょう。
ダイエットするためには、食事内容の見直しが非常に大切です。
ボクシングダイエットの基本メニュー4つと効果
ボクシングは、イメージ通り強度の高い運動なので、消費カロリーも多くなります。
これからボクシングトレーニングの基本的な練習メニューとその効果を紹介していきます。
■①縄跳び
<効果>
全身運動で脚、お腹、腹筋、腕、肩を鍛えることが出来ます。
練習の前後に、ウォーミングアップ効果、クールダウンとしての効果も期待できます。いきなり心拍数をあげるような運動は危険なので、まずはゆっくりやることをおすすめします。
つま先の根元にある母指球に重心を置いた繰り返しの運動になるので、立ち姿勢の時に
俊敏に動くことが出来るようになります。
足首の筋肉や関節を鍛えることが出来るので、怪我の防止にもつながるので、初心者から上級者まで必ず取り入れたいトレーニングです。
■②シャドーボクシング
<効果>
鏡で全身を見ながら、パンチやキックのコンビネーションの確認やフォームの確認をする動作をします。全身運動によって代謝が上がり、身体全体のバランスも向上します。
理想の動きと、自分の動きをイメージしながら運動出来るので、慣れてくると楽しくリズミカルに出来るようになります。
この運動も、縄跳び同様にウォーミングアップ、クールダウンとしての効果も期待できます。
■③サンドバック
<効果>
縄跳びやシャドーボクシングと違い、本格的なボクシングトレーニングになります。全身の筋力を使った無酸素運動です。
とにかく力いっぱい殴る。ストレス発散に最適です。上級者になると、緩急をつけながら
コンビネーション、ステップなどの動作も取り入れることで、有酸素運動の効果も期待出来るので、無酸素運動との相乗効果も期待できます。とにかく思いっきり打つ。
初めてサンドバックを打つと感じられるかと思われますが、翌日はビックリするくらいの筋肉痛に襲われること間違いなしです。
■④ミット打ち・対人練習
<効果>
ミット打ちや対人練習は、自分のペースで行う事が出来ず、神経も使う為、非常に負荷の高い運動になります。
ミット打ちでは、サンドバックのように思いっきり打つだけではなく、トレーナーの動きやミットの位置に合わせて動くため、俊敏な動きを求められます。トレーナーによっては厳しく激を飛ばされますが、それも自分の事を思ってくれての厳しさなのです。
対人練習では、お互いに決めたコンビネーションを相互に打ち合い、攻撃から自分を守る(ディフェンス)の技術も必要になってきます。頭と身体をフル活用することで、全身が活性化されてアドレナリンも大量に出ます。格闘技の醍醐味を存分に味わうことが出来ると思います。
【男性向け】おすすめボクシングダイエットメニュー
※1ラウンド3分です。上から順番で行います。
◯縄跳び
・合計3ラウンド
・1分間に100回を基本に計算
・3分 300回の計算で約30キロカロリー(個人差はあります。)
◯シャドーボクシング
・合計2ラウンド
・約30キロカロリー(個人差はあります。)
◯サンドバッグ
・合計3ラウンド
・3分 約70キロカロリー(個人差はあります。)
◯ミット打ち・対人練習
・合計3~5ラウンド
・3分 約80キロカロリー以上(個人差はあります。)
※動き方によっては、3分で100キロカロリー以上の消費も可能です。
◯シャドーボクシング
・合計1ラウンド
・約30キロカロリー(個人差はあります。)
<合計>
12ラウンド(実質運動時間36分)
消費カロリー:約700キロカロリー(ラウンド数によって変動あり)
【女性向け】おすすめボクシングダイエットメニュー
※1ラウンド3分です。上から順番で行います。
◯縄跳び
・合計3ラウンド
・1分間に100回を基本に計算
・3分 300回の計算で約30キロカロリー(個人差はあります。)
◯シャドーボクシング
・合計2ラウンド
・約30キロカロリー(個人差はあります。)
◯サンドバッグ
・合計4ラウンド
・3分 約70キロカロリー(個人差はあります。)
◯ミット打ち・対人練習
・合計2ラウンド
・3分 約80キロカロリー以上(個人差はあります。)
※動き方によっては、3分で100キロカロリー以上の消費も可能です。
◯シャドーボクシング
・合計1ラウンド
・約30キロカロリー(個人差はあります。)
<合計>
12ラウンド(実質運動時間36分)
消費カロリー:約560キロカロリー(ラウンド数によって変動あり)
ボクシングトレーニングのポイント
男女別でトレーニングメニューをお伝えしたのですが、実質運動時間が40分前後にも関わらず消費カロリーが高いことをご理解してもらえたと思います。
個人差はありますが、サンドバックを1ラウンド打つだけで、ヘロヘロになってしまうかもしれません。しかし、途中休憩を入れても構わないので、ラウンド中(3分間)にどれだけ自分を追い込めるか。ここが大事です。疲れないトレーニングに効果はありません。
そしてボクシングの醍醐味である対人練習を積極的に行ってほしいです。
先ほど、紹介したアドレナリン効果をフルに発揮できます。ジムによって指導方針は違いますが、自分から積極的に対人練習を申し入れるようにアピールしていくとダイエット効果+新しい自分に出会えるキッカケを掴みやすくなると思います。
あなたも、キツイトレーニングをして滝のような汗をかいて、日常の悩みや、仕事でのストレスが吹き飛ぶくらいの爽快感を味わってください。
ダイエットをより効果的に!おすすめ筋トレメニュー
ボクシングトレーニングの後に、補強運動として、筋トレをおすすめします。
なぜ、トレーニング後なのか。その理由として2つ挙げられます。
①全身が温まっているため、怪我をしにくい
②身体の代謝が高くなっているため、少ない回数でも効果が上がりやすい
ダイエットの基本は、基礎代謝を上げることです。
そこで、上半身と下半身の全身に占める割合の多い箇所を鍛えて、筋肉量を増やすことで
自然と代謝の良い身体になることが出来ます。
■上半身の筋トレ:腕立て伏せ
筋トレの基本といっていいトレーニングです。
<方法>
①うつ伏せになり、肩幅よりも広めに手を広げる
②足を肩幅より狭く広げる(広げれば負荷が大きくなり効果大)
③かかとから首まで一直線を維持して、腕の上下運動を行う。
体力に個人差はありますが、5回~30回を目安に、3セット行って下さい。
■下半身の筋トレ:スクワット
下半身の基本の筋トレになります。
<方法>
①肩幅より少し広めに足を開き背筋を伸ばす。
②腕をまっすぐ伸ばし、力を抜く
③背筋を伸ばしながら、太ももが床と水平になるまで、腰を下ろす
④この上下運動を繰り返す。
体力に個人差はありますが、5回~30回を目安に、3セット行って下さい。
ボクシングダイエットの注意点
ボクシングは非常に負荷の高い運動になります。
運動強度や時間などは、個人の体力に合わせ、徐々に上げていくことをおすすめします。
普段、運動しない方は、特に心臓に負担が大きいことも理解してください。日常生活ではあまり使わない筋肉を使うので、怪我もしやすくなります。
十分なストレッチ、こまめな水分補給、健康管理をしっかりしてボクシングダイエットを行って下さい。体調の悪い時などは、絶対に無理をしないでください。
まとめ
ボクシングは競技としては、非常にストイックな過酷なスポーツですが、ダイエット効果は大いに期待できます。今は、ダイエットに特化したボクシングジムも多くありますし、女性のプロボクサーが活躍する時代になってきているので、女性一人でも気軽に入会できる環境が整ってきていると思います。もちろん男性でも、ダイエットのためにジムに入会される方も多くいますので、都内にいればもちろん、日本全国にボクシングジムがあり、入会するチャンスは他のスポーツに比べても圧倒的に高くなっています。
私自身、ストレス発散出来て、楽しく、時間も短くダイエット効果の高い、心・技・体を高められるお得なスポーツは他にはないと思っています。
あなたもこの機会にぜひ、ボクシングを通してダイエットに成功してください。