「世界一受けたい授業」減量外来ドクター。「ホンマでっか!?TV」肥満治療評論家・漢方治療評論家。その他、テレビや雑誌で多数出演・監修。
※この記事は、栄養士資格を持つライターが書いています。
糖質制限中のNG食材といえば、パン・ごはん・麺類。
うどんは小麦粉からできているため、絶対NGなのでは……?と思っていますよね。
今回の記事では、うどんの糖質量と、どうしてもうどんを食べたい人に向けた解説をしていきます。
うどんは『基本的にNG。どうしても食べたくなったときは対処法アリ』な食材です。糖質制限ダイエットをしたけれどうどんを食べたい!という方は、ぜひ参考にしてくださいね。
うどん1玉の糖質量・カロリー・栄養成分は?
まずは、うどん1玉あたりの糖質とカロリーをみていきましょう。
うどん1玉230gとすると、栄養成分は次の通りになります。
うどん1玉 | 230g |
カロリー | 242kcal |
炭水化物 | 50.0g |
糖質 | 47.8g |
たんぱく質 | 6.0g |
麺類は高カロリーなイメージがありますが、うどん自体のカロリーは高いほうではありません。
一方、小麦が主な材料となるため、炭水化物、糖質はかなり高い数字であることがわかりますね。
健康な人が、糖質制限などのダイエットをしていないと仮定した場合、1日当たり炭水化物のエネルギー比は60%が目安です。
うどんは炭水化物のエネルギー日が80%を超えてしまうので、かなりの量の糖質をとってしまうと考えてよいでしょう。
うどんは糖質制限ダイエット中に食べて大丈夫?
糖質制限ダイエットをする場合、糖質が多いうどんは禁止食材であると考えておきましょう。
どの程度糖質を制限するかにもよりますが、うどんのみで糖質が約50gというのは、糖質のとりすぎになります。
トッピングをなにも乗せない状態で、出汁をのまないとしても、1回あたり約50gの糖質をとることになりますので、出汁を飲んだりトッピングを乗せたりすると、もっと糖質は高くなります。
カロリーだけをみると高カロリーの食材はないのでダイエット向きともいえますが、『糖質制限ダイエット』をする場合には不向きな食材です。
■うどんのGI値は?
糖質とダイエットの関係を語るとき、もう1つ注目しておきたいのがGI値。GI値は、その食品が体内で糖に変わって、血糖値が上昇するスピードを計測したものです。 ブドウ糖を基準としており、ブドウ糖を100としたときに、インシュリンが出るのがどの程度遅いかを示しています。
この数値が高ければ高いほどインシュリンを早くたくさん分泌させ、血糖値が急激にあがっているということになります。
インシュリンが早くたくさんでてしまうと、体内に糖質をとりこみ脂肪に変換しやすいということになるため、低GI食品のほうがダイエットに向いているのです。
うどんのGI値は62です。
GI値が70以上の食品を高GI食品、56~69の間の食品を中GI食品、55以下の食品を低GI食品と考えるため、うどんのGI値は中間位といえるでしょう。
GI値の面からも、低GIとはいえないため、うどんは糖質に気を付けたダイエットに向いているとはいえません。
うどんと他の麺類の糖質量やカロリーを比較
次に、うどんと他の麺類、主食となるごはんの比較をしてみましょう。
食材名 | カロリー | 炭水化物 | 糖質 |
うどん 1玉 230g | 242kcal | 50.0g | 47.8g |
中華麺 1玉 230g | 343kcal | 67.1g | 64.1g |
蕎麦 1玉 260g | 296kcal | 57.5g | 53.6g |
パスタ 1人前 250g | 373kcal | 71g | 67.3g |
そうめん 1人前 230g | 292kcal | 59.3g | 57.2g |
ごはん 1膳(小盛り) 160g | 269kcal | 59.4g | 58.9g |
麺類は、おおよそ一人前といわれる量で比較しました。ごはんは、女性向けのお茶碗に軽く1杯程度の量で比較しています。
このように比較してみると、一人前のうどんは、最もカロリーが低く、炭水化物・糖質量ともに少ないことがわかりますね。
商品によって栄養成分や1玉の重さは異なりますが、うどんは太く、蕎麦は細いため、同じ大きさの冷凍麺1玉では、蕎麦のほうが重量が重たい商品があり、このようなグラムで比較してみました。また、蕎麦は蕎麦粉と小麦粉の割合によっても栄養成分が異なってきます。蕎麦粉を使った商品は価格が高く食物繊維量も多くなりますが、小麦粉を主成分とした蕎麦は価格が安く、小麦粉由来の糖質が多くなり、食物繊維量は少なくなりがちです。
次に、私たち日本人に最も馴染みが深いごはんと比べてみましょう。女性向けのお茶碗に軽く1杯程度で、うどんよりもカロリーや糖質が多いことがわかります。
麺類やごはんが食べたい!と思ったとき、お茶碗に少しだけごはんを食べるよりも、『同じ糖質量を食べるとしたとき』うどんを食べたほうが量をたくさん食べられるのです。ごはん少量のほうがヘルシーだと思ってしまうかもしれませんが、実はそうではないのです。
このように比較してみると、麺類・主食の中では、うどんは糖質が高いというわけではないことがわかりますね。
糖質制限におすすめの糖質オフうどん5選
次に、各社が開発している糖質オフうどんをご紹介します。
■①DHC 糖質30%OFFうどん 2人分(180g)
健康食品で有名なDHCから発売されている糖質オフうどんです。一般的なうどんよりも、糖質を30パーセントカットしています。
こちらの商品も、1食あたりの食物繊維が22.2gと非常に豊富です。その点、さきほどの「本うどん」と同じくダイエットをしていない人にもおすすめできます。
ただし、こちらの商品は180g(2人前)入りなので、1袋開封してしまうとすぐに食べなければなりません。
■②「本うどん」糖質40%オフ
シマダヤから発売されている、糖質オフのうどんです。従来の商品よりも40パーセントの糖質オフを実現しています。
糖質量は、うどん180gあたり27g。1食あたりに食物繊維を17g含んでいます。食物繊維は目標量が女性で18g、男性で20gです。つまり、この商品だけで1日にとりたい食物繊維のほとんどをカバーできてしまいます。
ダイエット中は食事量を減らすため、食物繊維も不足しがち。糖質制限ダイエットをしていない方にもおすすめできる商品です。
■③小さなおうどん お吸いもの
こちらは、寿がきやがだしているカップのうどんです。
栄養成分は、カロリー131kcal、炭水化物26.5gと非常にヘルシー。
しかし、こちらはタイトルの通り「小さな」商品です。そのため、うどんをガッツリ食べたい!という方を満足させることができるほどの容量はありません。
一方、特定非営利活動法人・日本高血圧学会の減塩委員会が「減塩化の推進に優れた成果を挙げた製品」を審査・認定した「JSH 減塩食品ワード」で金賞を獲得している、減塩におすすめの商品といった健康に良い面ももっています。
ダイエット中に少しのうどんを手軽に楽しみたい方におすすめです。
■④カップだし名人わかめうどん
こちらも、寿がきやが発売している商品です。
カロリーは194kcal、炭水化物39.8gの商品なので、通常のうどんより糖質量が少ないことがわかります。
「 小さなおうどん お吸いもの」よりボリューム感があるため、糖質オフをしたい、しっかりうどんを食べたい、という方におすすめです。
インスタントのカップうどんはトッピングにかき揚げやきつねなどがついている商品が多いため、高カロリーになりがちですが、こちらの商品はだしの風味を楽しめる商品であり、トッピングもわかめという点からヘルシーな仕上がりになっています。
ちなみに、カップうどんの代表といえる「どん兵衛」のレギュラーサイズは、カロリー413kcalで炭水化物が57.0g。普通のカップ麺のカロリーと糖質の高さがわかりますね。
■⑤糖質30%offうどん 180g
五木食品から発売されている糖質30パーセントオフのうどんです。
カロリーや糖質といった面ではほかの商品と比較して優れているというわけではありませんが、amazonプライム、定期便の対象商品となっています。
価格は定期便を利用すると1袋あたり204円で購入できるため、お財布にも優しいですし、注文したらすぐに届くというメリットも大きいでしょう。
忙しく、すぐに糖質オフのうどんを購入したい!という人におすすめです。
糖質制限におすすめの糖質ゼロのうどん
残念ながら現在糖質ゼロのうどんは開発されていません。
うどんとは、小麦を原料とした食べ物なので、糖質ゼロを実現することはできないのです。そのため、糖質ゼロの麺類を食べたいと思ったときには、「糖質ゼロ」の麺類を探すしかないのです。
その代わりに、糖質ゼロの麺類としては紀文より「糖質0g麺」が開発されています。
こちらの商品は、おからとこんにゃくで作った糖質0g の商品です。うどんでもパスタでもないため、メーカーはうどんやパスタなどの麺をこちらに置き換えることで楽しめるように開発されています。そのため、風味やクセがないので、アレンジがしやすい商品です。
徹底的に糖質をオフしたい人におすすめの商品ですが、うどんのコシや食べ応えを期待している人を満足させるだけのボリューム感はないでしょう。
ダイエット中でも満足できる普通のうどんの食べ方3つ
今回ご紹介した商品は、どれもメーカーが糖質を減らしつつおいしく食べられるように開発した商品です。しかし、普段私たちが食べているうどんと比較すると物足りない面もあるでしょう。
そういったことからストレスをためてしまうより「普通のうどん」を少量たべるほうが満足感が得られると思う方は、思い切って普通のうどんを食べるのも手。
■①コシが強いうどんを選ぶ
選び方としては、コシが強く、しっかり噛まなければならない商品を選んでください。コシが強い食品は、しっかりと噛むことになるため、満足感を得やすいです。
■②めんつゆを使わずに、自分でしっかり出汁をとる
だしにめんつゆを使わないことにも注意しましょう。めんつゆ50mlを使用して出汁をつくると、糖質量は約10g程度になります。うどんは糖質が高いのに、さらにめんつゆの分まで加わると糖質の過剰摂取になってしまいます。
糖質制限中にうどんを食べたい方は、だしをしっかりとってください。最近は出汁パックでもおいしい出汁をとることができるようになりましたので、ぜひ活用してください。
しっかりとった出汁に、しょうゆとみりんで味付けをすると、めんつゆよりも糖質オフを実現したうどん出汁を作ることができます。もちろん、甘味をもつみりんには糖質が含まれていますので、調味料の入れすぎには注意しましょう。
しかし、質の高い出汁はそれだけでも旨味を感じるもの。糖質制限ダイエットをきっかけに、減塩や薄味にもなれていきましょう。
■③トッピングにはわかめやたまごがおすすめ
トッピングには、わかめやたまごをおすすめします。
わかめは、食物繊維が豊富なので、ダイエット中に不足しがちな食物繊維を補ってくれます。食物繊維をしっかり摂取することで、便通をうながす働きがあることと、和風の出汁との相性がいいことから、わかめはおすすめの食品です。
次におすすめなのがたまご。
たまごは、低カロリーではありませんが、たんぱく質・アミノ酸のバランスがよく、ビタミンB群が豊富です。ビタミンB群は糖質の代謝に欠かせませんから、糖質をたくさんとったときはビタミンB群が不足してはなりません。たまごは食べ応えもある食品ですから、ボリュームアップとたんぱく質・ビタミンB群源として非常に優秀な食材といえます。
まとめ
うどんには、糖質が多く含まれていることを解説しましたが、思っていたより多かったでしょうか?少なかったでしょうか?うどんは、1玉あたり約50gの糖質を含んでいます。
冒頭でもお話した通り、糖質制限中のうどんを食べることは、『基本的にNG。どうしても食べたくなったときは対処法アリ』です。糖質制限のために開発された商品を使用することや、手軽に食べたいときはカップ麺を利用しましょう。
普通のうどんを使うときは、めんつゆを使わないこと、トッピングはたまごやわかめにするのがポイントです。天ぷらやかき揚げなどをトッピングにしてはいけません。
ダイエット中にはストレスを溜めないことも重要です。もともと麺類が好きという方に糖質制限ダイエットは大きなストレスになってしまうでしょう。そんなときは、注意点を守りつつ思い切ってうどんを食べてしまうのもアリではないでしょうか。
ストレスなくダイエットを行うためにも、各食材の注意点を知り、美しい体を目指しましょう。
栄養士の資格を活かして、美容関係の仕事をしています。