バーベルスクワット8種類と効果を解説!正しいやり方とフォームとは?

バーベルスクワット8種類と効果を解説!正しいやり方とフォームとは?

通常のスクワットからより負荷をかけるためのバーベルスクワット。バーベルスクワットには、様々な種類があり、1つずつ解説していきます。正しいやり方とフォームをマスターして効果的なトレーニングを行っていきましょう。


バーベルスクワットは、下半身トレーニングの定番であるスクワットの中でも最も強度の高い種目です。

日本人の平均値である体重60kg台中盤の方は、まず70kgのバーベルを目標に。筋トレ上級者になってきたら100kgを目指してみましょう。負荷が高い分、効果も抜群ですが、正しいフォームを理解してから注意深くトレーニングを行う必要があります。

バーベルスクワットにおける注意点、ウエイトのめやす、バーベルスクワットの種類、ケガの予防法についてまとめてみました。

バーベルスクワットの正しいやり方とフォームとは?

正しいフォームを覚えよう

バーベルスクワットに挑戦する前に確認しておきたいのは、自重のみのスクワットと少し方法が異なること。

自重のみで行うスクワットでは、ポイントとして必ず「足を肩幅にひろげること」「つま先をまっすぐ前に向けること」の2点が強調されています。気をつけたいのは、これをそのままバーベルスクワットに応用できないことです。

まず足の幅には個人差が出てきます。がっしりとした幅広な体格の方は、肩幅よりやや広めにセットします。細身な体形の方は逆に肩幅よりやや狭くセットしましょう。

次につま先の向きもやや変化します。真正面ではなくやや外側に向けるのがバーベルスクワットにおける正しいフォームです。

バーベルスクワットは自重で行うよりはるかに膝へ負荷がかかります。膝が内側に寄って曲がると、パワーを発揮できないだけでなく、関節にダメージが生じる危険性があります。これを防止するためにつま先をやや外側に向け膝が開くようにするのです。

ハーフスクワットがおすすめ

膝を曲げる角度は90度。「ハーフスクワット」と呼ばれるものです。
もっと深くまで膝を曲げる「フルスクワット」というやり方もあるのですが、ここではハーフスクワットをご紹介します。

フルスクワットの方が筋トレ効果に優れているのですが、より負荷がかかるため膝や腰を傷めるケースが多いのです。ハーフスクワットで100kg持てる方が、フルスクワットでは70kgしか持てないことも。それほどフルスクワットの負荷は高いのです。

高重量、高負荷になればなるほど、大腿四頭筋への負担を逃がし、股関節と臀部の筋肉で支えるテクニックが必要になってきます。腰からではなく、股関節を開いて動き出す技術をネットの文章や動画だけで説明するのはなかなか難しいものがあります。

そこで今回は高難度のフルスクワットを避け、ハーフスクワットを基本例にご説明します。

バーベルスクワットの手順

・バーベルラックのバーベルを両手で握ります。
・足の幅が適切かどうか確認します。
・首のつけ根あたりにバーベルを置いて、背すじが伸びているのを確認してラックから外します(ラックの位置は、膝が曲がっている状態でも乗せられるよう、やや低めにしておきます)。顔はやや上向きに。
・太ももが床と水平になるまで腰を落とします。落としたところで静止時間を作ります。膝の角度は90度がめやすです。
・膝を伸ばして腰を上げます。
・膝を伸ばし切らないところで静止。ここをセットポジションにして次の動作に移ります。
・10回×3セットがめやす。インターバルは1分間です。

バーベルスクワットのコツ

・目線は常に前に向けましょう。キツい時はつい顔が下に向いてしまいがちです。
・背すじを常に伸ばし、丹田(へその下側)を緊張させて腹圧を高めておきます。
・腰を下ろす時はゆっくりと。太ももや臀部など効かせたい部位にしっかり届いているかを確認しながら行います。
・上げる時は少し速い動きでもかまいませんが、膝に負担がかからないよう注意します。
・膝を伸ばし切ってしまうと、骨格で荷重を支えることになるため、筋肉にあまり負荷がかかりません。膝が伸びきる前に静止して、次の動作に移行しましょう。
・常に呼吸を意識します。下げる時は息を吸い、上げる時は吐きます。途中で無呼吸状態にならないよう注意します。
・普通のスクワットにも共通することですが、「お尻の下にある透明なイスにすわるイメージ」で行うのがコツです。
・インターバルは自重の時より長い1分間がめやすです。

バーベルの重さ

下に体重別のめやすをご紹介しましたが、あくまで個人差のあることを留意してください。自分の筋力に見合わないバーベルをかつぐのはケガの元。まず、自分でコントロールできる(重量につぶされない)ウエイトは何kgなのかを確認しておきましょう。

数回上げられただけで、すぐにウエイトを上げてしまう方もいます。回数より重さをひたすらに追及していくのもひとつのスタイルですが、筋トレ効果を得るためには自分でコントロールできる重さを10回×3セットこなすことが大切です。

バーベルスクワット8種類と各効果

バーベルスクワットの効果

スクワットは「筋トレの王様」と呼ばれているように、太ももと臀部を中心に、ふくらはぎ、体幹など広い部位の筋肉を複合的、効果的に鍛えられるメニューです。バーベルスクワットはさらに大きな負荷がかかるため、肩を中心に上半身にも筋トレ効果があります。全身を鍛えられる究極のメニューと呼べるでしょう。

バーベルスクワットは動作の違いにより、集中的に鍛えられる部位を変えることができます。

1. バーベルバックスクワット

いわゆるバーベルスクワットはこのバーベルバックスクワットを指すことがほとんどです。バーベルを背中でかつぐことからバック(背中)の呼称がついています。大腿四頭筋を中心に下半身をムラなく鍛えることができます。

2. クォーターバーベルスクワット

一般的なバーベルバックスクワットが膝を90度ほど曲げるのに対し、クォーターバーベルスクワットでは45度までしか曲げません。180度の1/4であることからクォーターの呼び名がつきました。大腿四頭筋を集中的に攻めることができる一方、ハムストリングや大臀筋への刺激はほとんどありません。大腿四頭筋に特化したい方へおすすめの方法です。

3. フルスクワット

普通のハーフスクワットより深く膝を曲げる方法です。どんなに膝が曲がっても、つま先より前には出ません。大腿四頭筋だけでなくお尻や背筋まで動員して負荷を支えるので、腹圧の高め方、臀部の筋肉や股関節の使い方により技術が必要となってきます。

4. ワイドスタンスバーベルスクワット

より足幅を広げて行うやり方です。大腿四頭筋への負荷は減りますが、内転筋やハムストリングに効かせることができます。

5. バーベルフロントスクワット

バーベルを胸の前に置いてスクワットを行います。下半身はもちろん、上腕三頭筋など腕や肩周辺の筋肉にも効かせることができます。

6. スプリットスクワット

片足を前に出して行うスクワットです。通常のスクワットよりバランス感覚が要求され、より広い部位に負荷のかかるのが特長です。

7. オーバーヘッドスクワット

ウェイトリフティングで重要なトレーニングメニューです。スナッチ、クリーン&ジャークどちらの種目にもオーバーヘッドスクワットの動作が有効になります。

バーベルを頭上に差し上げるという他のメニューにはない動きをいかにこなすかがポイントになります。腕が少しでもブレると失敗してしまうので、そのために両腕の骨と肩甲骨を使ってバーベルを支えるイメージで行いましょう。

バーベルのシャフトは握るのではなく、手のひらで受け止めるイメージで。バーベルの重みを手のひら→腕→肩→腰→かかとの一直線で支えましょう。だるま落としやジェンガといった遊びでバランスが重要になるように、手のひらからかかとまでのバランスを保つことが大切なのです。

8. ブルガリアンスクワット

バーベルではなくダンベルを用いるメニューですが、スクワットのバリエーションとしてご紹介しておきます。片足を後方の台やイスに乗せ、ダンベルを持って行います。

片足ですることによってバランス感覚が要求され、いつもと違う部位を刺激できます。停滞期になったら、こうしたブルガリアンスクワットなど毛色の違ったメニューを試してみるとよいでしょう。

バーベルスクワットの重量の決め方と上げるポイント

重量の設定や変更は本来、独断で行うよりトレーナーの指導の下で決めるのが望ましいでしょう。ここでは男女、体重別におおよそのめやすをご紹介するにとどめます。

持って生まれた素質、これまでのトレーニング経験といった個人差に左右される部分が大きいため、「男性は◯kgまで上げられる」といった断定的な記述はできません。

しかし、ボクシングでは階級が上がれば上がるほど強力なパンチの応酬になるのと同じく、筋肉量の差によって体重が多いほど上げられるウエイトも重くなる傾向にあります。

<男性の場合>
トレーニング未経験で体重 60kg台・・・バーベルのウエイト 40kg台
筋トレ初心者で体重 60kg台・・・70kg台後半~80kg台前半

トレーニング未経験で体重 70kg台・・・50kg台
筋トレ初心者で体重 70kg台・・・80kg台後半~90kg台前半

<女性の場合>
トレーニング未経験で体重 40kg台・・・20kg台前半
筋トレ初心者で体重 40kg台・・・30kg台

トレーニング未経験で体重 50kg台・・・30kg台
筋トレ初心者で体重 50kg台・・・40kg台

以降、体重が重いほど最初から上げられるウエイトも重くなりますし、筋トレを重ねてくるとさらに数値が伸びる傾向にあります。

厚生労働省が2014年に行った調査によれば、20~25才男性の平均体重は、66.6kgです。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21/eiyouchousa/keinen_henka_shintai.html

多くの方は、40kg台からチャレンジ。筋トレ初心者の目標としてまず70kg。上級者になったら100kgを目標にするのが分かりやすいのではないでしょうか。

重量を増やすポイント

スクワットは大腿二頭筋や大臀筋といった大きな筋肉を鍛えることができます。そのため比較的、速いペースで筋肥大しやすく、それに伴って上げられるウエイトもすぐ増えてきます。

個人差はありますが、2~3ヵ月しっかりトレーニングすれば20~30kgはすぐウエイトを増やせるようになります。上半身の筋肉を使うベンチプレスに比べれば、スムーズに数字が伸びていきますよ。筋トレ初心者の目標である70kgまで3ヵ月と考えれば、意外と簡単で、チャレンジしやすいと思えるのではないでしょうか。

バーベルスクワットではウエイトの設定も重要ですが、より大切なのは自分の中で目標をはっきりさせることです。より重いバーベルを持ち上げたいのか? 下半身をビルドアップさせたいのか? あなたの目的によっても重量や回数は変化していくのです。

バーベルスクワットの頻度と回数

10回×3セットをめやすに行います。
アスレティックトレーナーによっては15回×3セットで指導する方もいますが、ここでは高負荷であることを考慮して10回にとどめました。

セット間のインターバルは1分。余裕があるようなら2セット目からウエイトを上げてもかまいません。

数回しかできないのに、すぐ重量を増やしてしまうのは考えもの。10回未満では筋肉を十分に刺激できず、ただ関節を動かしただけにとどまってしまいがちです。

トレーニング頻度は週2回がめやすです。

限界まで追い込んだトレーニングができていれば週1回でもOKですし、1回の練習量を抑えて週3回行うのもアリです。しかし、週1回ではどうしても練習量が少なすぎたり、週3回だと疲労が抜けきらないといった失敗が起こりがち。最も無難なペースである週2回からスタートして、自分に合ったサイクルを見つけましょう。

筋トレには必ず「停滞期」(プラトー)と呼ばれる伸び悩みの時期がやってきます。

体重60kg台の方が3ヵ月で70kgのバーベルスクワットに成功したとしましょう。足まわりにがっしりした筋肉がつきはじめ、順調なペースに見えたのですが、その後4ヵ月目くらいから身体的な変化が見られなくなってしまいます。これが停滞期です。

脳がバーベルスクワットに慣れてしまい、刺激と感じなくなってしまったのです。そのため筋肉の発達がストップし、ウエイトも回数をなかなか増やせない伸び悩み状態に陥ってしまいます。ウエイトの重量を追及する派、筋肉をつけたい派、どちらのタイプであっても停滞期の到来は避けられません。

主な解決策は2つ。

①まず、回数を減らしてもかまわないので、現在のウエイトから思い切って上げてしまうことです(このときフォームが崩れないように注意しましょう)。当然、キツいですし数もこなせませんが、脳は新しく強い刺激に気づき、再び筋肥大させようと動き始めるのです。

②もうひとつは新しい筋トレメニューを試してみること。同じ下半身のメニューでも別角度、別部位を攻められるものを行うことで、筋肉に新たな「伸びしろ」を与えてあげるのです。

バーベルスクワットで腰や膝を痛めないようにするコツ6つ

バーベルによって大きく強度を高められる反面、腰や膝の負傷に気をつけたいメニューです。正しいフォームを守り、自分に合ったウエイトを選ぶことがケガを防ぐコツ。

1. 絶対に背中を丸めない

特に背すじを常に伸ばしておくことがポイントになります。バーベルの重さに負けて背中が丸まってしまうと、腹圧が下がり、腰に大きな負担がかかってしまいます。

筋トレ=筋肉を効かせることですが、一定以上のウエイトになってくると、筋肉だけでなく骨格や腹圧を使って重さを支える必要がでてくるのです。背すじを伸ばし、腹部を「固める」ことで、腹圧を高めてバーベルを支えるイメージを植え付けましょう。もちろん、普通のスクワットでも腹部を固めるイメージづけは大切です。

2. つま先より前に膝を出さない

スクワットの基本である「膝をつま先より前に出さない」ことも大切。トレーニング系のまとめサイトの中には「膝の位置など考えず、まず試してみてスクワットの動きに慣れること」と書いてあるところもありますが、大きな間違いです。

膝、腰椎、脊椎といった部位はその人の人生を左右しかねない大切な部位です。まさかのケガを避けるために正しいフォームを徹底しましょう。

3. フォーム確認する習慣をつける

真剣にトレーニングに打ち込んでいても、なかば無意識に「楽なフォーム」「やりやすい動き方」に流れてしまうものです。心の中に冷静なパーソナルトレーナーがいるつもりで、自分のフォームを客観視してみましょう。

ついつい意欲だけが先走って重いウエイトを選んでしまいがちですが、身の丈に合った重量でトレーニングも大切です。正しいフォームでできていないと感じたらすぐに切り上げ、ウエイトを変えるか自重でやり直してフォームを調整しましょう。

バーベルスクワットに入る前に、まず鏡の前で通常のスクワットをしてみて、フォームの乱れをチェックしておくとスムーズです。

4. 肩を前後に揺すらない

バーベルの移動はあくまで上下方向のみ。動作の最中、バーベルが前後にブレないように注意しましょう。

前後にブレる原因は、ウエイトに耐えられずフラついてしまっているか、体幹をしっかり固められていないため。自分に合ったウエイトを選び、フォームのチェックとお腹の引き締めを強く意識するようにします。

5. 上げる時のスピードに注意する

バーベルスクワットでは下げる時より、上げる時のスピードを速めます。
ゆっくり動作する方が筋肉に効かせられるような気がしますが、スピードを速めることで大腿四頭筋へ集中的に刺激を与えることができるのです。

ただし、スピードを意識しすぎて膝を傷めないように注意しましょう。最初はこころもち速める程度。バーベルスクワットに慣れてきたら素早く上げることを意識します。

6. バーベルスクワットは10回まで

自重のスクワットで楽々50回、100回連続でこなせる方は、その感覚でバーベルスクワットに挑みがち。しかし、バーベルスクワットは連続10回までにとどめてください。

バーベルによる負荷は、体感よりはるかに筋肉や関節に影響を与えています。いわゆる「ゾーンに入った」状態になって何回でもできそうな気がしても、10回の制限だけは守るようにしましょう。

まとめ

・より重いバーベルを上げられるようになりたいのか、下半身を強化したいのか‐。バーベルスクワットの目標を決めてから挑戦しましょう。目指す方向によって筋肉のつき方も変わってきます。

・ウエイト70kg、100kgはバーベルスクワットでひとつのめやすとなる数字。体重60kg台の人が筋トレを始めてまず到達目標とするのが70kg、上級者と呼べる数字が100kgなのです。

・ケガを防ぐには「慣れ」よりも「正確性」。まずは自重だけで正しいフォームを身につけてから、バーベルを持ちましょう。

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