下半身ダイエットの定番メニューであるスクワットですが、中には「足が太くなってしまうからイヤ!」と敬遠する方もいるようです。
スクワットで体重を落とすことに成功しても、足がムキムキになってしまうのはちょっと…という気持ち、よく分かります。
では、スクワットで足が太くなってしまうのは本当なのでしょうか? 検証とともに、足を太くしないでダイエットするコツをお教えしましょう。
スクワットで足が太くなるって本当?

結論から言ってしまうと、本当ではありますが、可能性はあまり高くありません。
スクワットは下半身の複数部位を同時に鍛えられる筋トレメニュー。特に太ももの大腿四頭筋、内転筋、お尻の大腿筋群といった筋肉をよく刺激し、発達させることが可能です。
中でも太ももの前側にある大腿四頭筋は、人体の中でも有数の大きさを誇る筋肉。皮膚に近い位置にあるアウターマッスルであり日常動作でもよく使われることから、鍛えやすい、つまり大きくしやすい部位なのです。
スクワットを中心に太ももを鍛えることにより、確かに大腿四頭筋はよく発達し、太ももの前側がせり出すように太くなります。しかし、これはアスリートのようにハードな筋トレをこなした方に限った話。ダイエット向きの強度では、そこまで大腿四頭筋が発達することはまずありません。
これから紹介する方法、回数でスクワットすれば、太くガチガチにならず、むしろすっきりしたレッグラインを実現可能なので、ぜひ安心してチャレンジしてみてください。
スクワット効果!足がキレイに見える理由3つ

■1. 「足やせ」が可能になる
スクワットすれば下半身の筋肉を同時にいくつも鍛えられるのは、上でご説明した通り。
体脂肪率の高さに悩む方の足をスキャンしてみると、皮膚の表層近くから脂肪が層になっているのが分かります。
皮膚→脂肪→筋肉といった、はっきりした重なりができているわけではなく、筋肉に脂肪が混じり白っぽくなった層がずっと深くまで続いているのをモニターできます。「サシ(脂身)」の多く入った、しゃぶしゃぶ用のお肉を想像してみてください。
スクワットで足の筋肉を鍛え続けると、徐々に「サシ」の部分が徐々に筋肉へと置き換えられていきます。この時、体積も縮むので、いわゆる足やせが実現するのです。
■2. 足が長く見える
スクワットは大臀筋を中心とした、お尻の筋肉群も鍛えることができます。お尻の筋肉が適度に発達し、皮下脂肪が落ちてくると、太ももとの間に「臀溝(でんこう)」と呼ばれる溝ができてきます。お尻と太ももの境界線が見えるようになるわけです。
これまでお尻と太ももが一体になって垂れ気味だった状態から、臀溝によって両者の区切りがはっきりとし、結果として足のつけ根の位置が上がったように見えるのです。
■3. むくみが解消される
人間の身体は、心臓がポンプの役目を果たして全身くまなく血液を循環させていますが、重力によってどうしても下半身に血液が停滞しがちになります。これが、むくみの正体。
ふくらはぎなど下半身がむくんでしまうと足が太く見える一因になりますし、血行不順によるさまざまな体調不良も懸念されます。そこで足に滞っている血液を心臓まで押し上げてあげる必要があります。
この時、ポンプの役目を果たすのが「第二の心臓」とも呼ばれるふくらはぎの筋肉。スクワットならふくらはぎの腓腹筋も鍛えることができます。第二の心臓を活性化させて、むくみによる体調不良を吹き飛ばしてしまいましょう。
足を太くしないスクワットの方法

上でご説明した通り、よほどハードにトレーニングしない限り、スクワットのせいで足が筋肉太りしてしまうことはまずありません。それでも、「どうしても不安」という方に、とっておきの方法を伝授しましょう。
太ももにある大きな筋肉・大腿四頭筋をあまり刺激しない角度でスクワットを行えば、足が太くなる心配はぐっと減ります。内転筋、ハムストリングスといった太ももにある他の筋肉は、大腿四頭筋に比べあまりボリュームがないからです。
今回は内転筋に刺激を集める「ワイドスタンス・スクワット」の方法をご紹介します。
■足を太くしない「ワイドスタンス・スクワット」
①肩幅より広めに足を広げる
まず肩幅より、やや広めに足をひろげます。肩幅とほぼ同じにスタンスをとる普通のスクワットと立ち位置から違うのです。背すじはまっすぐ伸ばしましょう。
②つま先は外股気味に
つま先は外股気味にひらきましょう。これも、つま先を真正面に向ける通常のスクワットと異なるポイントです。
③その体制でスクワット
以降は普通にスクワットします。膝を曲げるのではなく、腰から落としておくのがポイント。太ももの内側、足のつけ根付近になる内転筋に意識を向けると、より効果がアップします。
④ひざの角度は90度まで曲げる
膝の角度は90度まで曲げるのがめやす。ただし、角度にこだわらず膝がつま先より前に出ないことに注意を払いましょう。スクワットはあくまで膝を曲げる運動ではなく、腰を沈めてしゃがみ、下半身全体を刺激するメニューなのです。
⑤腕はまっすぐ前に伸ばすか、頭の後ろで組む
腕はまっすぐ前に伸ばすか、頭の後ろで組みます。腕を振りながら反動を利用して行うと、肝心の筋肉へ負荷がかかりません。ゆっくり「1、2、3」とカウントしながら腰を落としていき、再び「1、2、3」と数えながら持ち上げるテンポが理想です。呼吸は↓吸う↑吐くの順番で。
内転筋を発達させ太ももの皮下脂肪を落とすと、内股に隙間ができるようになりますよ。
スクワットで足を太くせずに鍛えるコツ6つ

■1. 正しいフォームをキープする
スクワットに限らず、すべての筋トレに共通することですが、正しいフォームを維持しながら動作することはとても大切です。正しいフォームによって狙った筋肉を動員することができます。逆に姿勢が乱れると思わぬところに負荷がかかり、痛みや故障の原因となるのです。
足を太くしないスクワットの正しいフォームは、背すじを伸ばし、つま先を外側に向けて腰から落としていくこと。膝だけをカクカクと動かしたり上体が前傾していると、大腿四頭筋にばかり負荷がかかってしまいます。
■2. 鍛えたい筋肉を意識する
筋トレは回数や強度と同じく、鍛えたいと思っている場所を意識することが大切。鍛えたい部位に意識を向けると筋肉の緊張度が増し、トレーニング効果に差が出てくるのです。
今回は足を太くせずにダイエットするのが目標なので、大腿四頭筋を避け、太ももの内側にある内転筋や、裏側のハムストリングスに意識を集めましょう。
腰を落とす時はお尻と太ももの裏側、一度静止する時から上げる動作の間は太ももの内側と意識を向けるポイントを変えていきます。こうして下半身をまんべんなく鍛えていくのです。
お腹は常に引っ込めて緊張させておきます。お腹を硬く固めることでまっすぐな姿勢を保ち、正しいフォームで行うことができます。また腹圧が高まるので、より高い負荷に耐えることも可能になります。
■3. 食事内容を見直す
スクワットを始めてみたけれど、全然足が細くならないし、むしろ太くなってるかも…。そんな時はスクワットによる悪影響を疑う前に、まず生活習慣を見直してみましょう。
スクワットと同時に食事制限を始めた方は要注意。カロリーオーバーを防ぐことはダイエットの鉄則ですが、エネルギーの源である糖質を過剰に制限することによって、トレーニングの際に筋肉が分解されてしまい、結果的に体脂肪率を増やしてしまう失敗はめずらしくありません。
食事内容を再確認して、タンパク質、糖質も適度に摂るようにしましょう。逆にトレーニングしているからといって、普段よりもりもり食べてしまう失敗もありがちです。
■4. 有酸素運動を取り入れる
筋肉の元になるタンパク質も摂っているし、間食の習慣も無くしたけれどまだ効果が見えてこない…。そんな時は、脂肪燃焼に必要な運動強度が足りていない可能性大。
スクワットだけでなく、より脂肪を燃やしやすい有酸素運動を並行して行ってみましょう。ウォーキング、ランニング、エアロバイクなど種類は問いません。
最初にスクワットを行って、身体がエネルギー源を欲しがる状況を作ってから有酸素運動に移行するのが効果的。天候に影響されず、自宅でスクワットした後すぐ有酸素運動に移行できるという点では、エアロバイクやランニングマシーンの活用がおすすめです。
■5. 回数や体脂肪率をこまめに記録する
いわゆる「レコーディング・ダイエット」の方法です。スクワットを行った日付、回数、体脂肪率の変化をこまめに記録することで、自分が正しくエクササイズできているかがよく分かり、モチベーションにもつながります。
体脂肪率は筋肉量だけでなく、身体の水分量にも影響されます。起き抜けの軽い脱水状態にある時は体脂肪の数値が高めに出てしまいます。たまたま数値の増えた日があってもがっかりせず、決まった時間に測定するようにしましょう。
足の筋肉群は大きいので、トレーニングで比較的簡単に肥大させることができます。しかし、基礎代謝に反映されるまでは一定の時間がかかります。一ヵ月程度で基礎代謝が上がらなくても、あきらめず粘り強く継続したいものです。
■6. お尻と太ももの裏側をいつも意識する
スクワットの最中に限らず、立っている時、歩いている時にも、お尻を引き上げるつもりで筋肉を引き締めておくとよいでしょう。
お尻を引っ張り上げるつもりで意識を向けると、太ももの裏側から足首まで緊張するのが分かるはずです。発達しやすい大腿四頭筋とのバランスを取り、レッグラインを整えるためには、このお尻から太ももの裏側までの引き締めがとても大切。自然と背すじが伸び、立ち姿、歩き姿も美しくなります。
スクワットの効果的な回数と頻度

■スクワットの回数を増やすときの注意点
ブームとなった「30日スクワットチャレンジ」は最終的に1日250回のスクワットをするように設定されています。しかし、足を太くせずダイエットするのが目標なら3ケタに達する回数は必要ありません。
足の筋肉群は人体の中でも抜群の強さを誇っています。そのため、他の筋肉ならすぐに限界に達してしまうような負荷を与えられても、なんとか頑張ってクリアしてしまうのです。
スクワットを何十回も繰り返していると、大臀筋やハムストリングスといった比較的強くない筋肉から先に限界を迎えてしまいます。しかし、ここで残っているのが筋肉量とパワーに優れた大腿四頭筋。
他の筋肉が悲鳴を上げていても、大腿四頭筋の力だけでなんとか目標回数をクリアできてしまいます。これでは最も懸念していた大腿四頭筋を集中的に鍛えてしまうことになりますね。本来の目標とは正反対ですね。
■スクワットの回数と頻度
トレーニング初心者なら1日10回×3セットからスタートし、徐々に15回×3セット、さらに20回×3セットへと増やしていきましょう。今回の主目的である内転筋はあまりパワーのある筋肉ではないので、1日60回も行えば十分。これ以上は大腿四頭筋の動員につながってしまうので、あまり回数アップにこだわらないようにしましょう。
自分の限界まで追い込む、いわゆるオールアウトまで至らずにスクワットするスタイルですが、やはり筋トレなので休養日は必ず設けましょう。張り切りすぎて毎日スクワットすると疲労が蓄積し、ケガの原因となってしまいます。また、筋肉量も増えにくくなってしまいます。
2~3日に一度をめやすに無理せずスクワットを継続していきましょう。休養日に物足りなく感じるようなら、ウォーキングなどの有酸素運動を30分程度おりまぜていきます。ダイエットを目標とするなら、やはり有酸素運動も同時に行った方が効果的なのです。
まとめ
かつて、アメリカ発祥の「30日スクワットチャレンジ」が話題となりましたが、米国のようにこれに成功してバズった女性の話題をあまり聞きませんよね?
スクワットチャレンジの方法とともに、「足が太くなる」というネガティブな情報まで拡散されてしまい、30日どころから1日も続けなかった方も少なくないようです。
ダイエット目的のトレーニングで、足が太くなるほど筋肉がつく可能性はほとんどありません。そのうえ、女性は男性に比べ筋肥大しにくい体質になっているのです。
一方、スクワットによるメリットははかりしれません。足やせにつながるだけでなく、基礎代謝を高めて体重が落ちやすい体質にしてくれます。何より、目標回数をやりきって汗をかく爽快感は格別です。
どうぞ、足が太くなるという心配は一度脇に置いて、いいことづくめのスクワットにぜひチャレンジしてみてください。
トレーナーとして活動しています。ダイエットやトレーニング方法についてお伝えします。