脚やせは誰もがあこがれながら、なかなか実現できない事柄のひとつ。
引き締まった美しい太ももとヒップラインを演出するには、下半身トレーニングの定番であるスクワットが一番です!
スクワットで得られる効果や、効率的な脚やせの方法、ダイエット成功のポイントについてまとめてみました。
普通のスクワットの方法
まずはスクワットの基本についておさらいしておきましょう。
脚は肩幅に開き、息を吸いながら腰を落とします。手は頭の後ろで組むか、まっすぐ前に突き出しておきます。
膝を曲げるのではなく、腰を落とすのが正しいスクワットです。空気イスの要領で腰を下げていきましょう。つま先より先へ膝を出さないようにするのがケガを防ぐポイントです。キツくなってくると背中が丸まりがちですが、背すじは常にまっすぐをキープ。
身体が沈みきったところで一瞬静止し、息を吐きながら元の位置へ戻します。
15回×2~3セットが一般的な筋トレのめやすです。
自分が「限界に近い」と感じるところで1セット終わるのが理想的。筋力や負荷に合わせて回数を調整していきましょう。
腕を振りながら反動で行うと筋肉へ負荷がかかりません。ゆっくり「1、2、3」と数えながら腰を落とし、再び「1、2、3」と数えながら起こすテンポが理想です。呼吸は↓吸う↑吐くのリズムをキープしましょう。
脚やせに効くスクワットの方法がある?!
特別な工夫はいりません。普通のスクワットを粘り強く継続していれば、脚やせを実現することは可能なのです。
鍛えられておらず、たぷんたぷんになっている太ももは、いわばサシが入りすぎて脂っこい霜降り肉のようなもの。筋繊維の間に脂肪がたくさん入り込んだ状態になっています。
スクワットによって筋肉に負荷がかかり、破壊(細胞レベルの小さな傷が入ると考えてください)と再生が繰り返されることによって、脂肪だった部分が筋繊維へと置き換わっていきます。同時に体積も減少していきます。これが「脚やせ」する理由なのです。
筋肉の発達をうながすには適度な負荷が必要です。
15回×3セットが軽すぎると感じたら、水の入ったペットボトルを両手に持って行ってみましょう。
さらに筋力がついてきたら、ダンベルやメディシンボールなど、より重量のある器具を使ってトライするとよいでしょう。
太ももの裏側にある筋肉・ハムストリングを集中的に鍛えるスクワットのバリエーションもありますが、特定の筋肉にあまりこだわる必要はありません。「普通のスクワット」を続ける習慣から始めましょう。
脚やせスクワットで得られる効果3つ
■1. 日常の動作が楽になる
スクワットで鍛えられる太ももやお尻、体幹の筋肉は、立つ、歩く、走る、かがむ、座る、姿勢を維持するといった日常の動作と深くかかわっています。
脚やせスクワットで引き締まったボディラインが得られるのはもちろんですが、日常動作がぐんと楽になるというメリットも見逃せません。今から足腰の筋肉を鍛え、柔軟性を維持しておけば、年齢を重ねても元気に歩き続けられるでしょう。
■2. 便秘や腰痛の解消につながる
日頃、運動習慣のあまりない方は骨盤の下に張り巡らされた筋肉の力が弱くなりがち。すると内臓が下垂して十分に機能しなくなり、便秘や下痢、生理不順、むくみといった症状が起こるようになります。
スクワットによって骨盤周辺の筋肉が鍛えられると、下垂していた内臓が筋力によって再び正しい位置へと押し上げられ、本来の働きをしてくれるようになります。長らく続いていた様々な不調が、スクワットなど下半身の筋トレによって改善したという話は少なくないのです。
筋肉には骨格を支えるという役割もあります。骨盤の傾きによって引き起こされている腰痛や肩こりも、スクワットによる筋力アップと骨格の矯正で改善が期待できます。
■3. 自分が好きになる!
ダイエットや便秘解消といった目に見える、あるいは身体で感じる効果よりも、自分に自信がつくことの方が、はるかにメリットとして大きいかもしれません。
自分の中でコンプレックスだったたるんだ太ももが、スクワットを繰り返すことで確実に引き締まっていきます。すると、もうひとつのコンプレックスであった「弱い自分」「飽きっぽい自分」も次第に解消されていくのです。
自分のことが好きになれない、いわゆる自己評価の低い方は、確実にセルフイメージが変化していくのを感じるはずです。自分の肉体と精神を好きになれる人は、他人に対し堂々と積極的にふるまうことができます。最初は脚やせ目的だったはずのスクワットが、あなたの人生観まで変えてしまうかもしれません。
脚やせスクワットのダイエット成功方法5つのポイント
■1. 絶対に無理しない
15回×3セットといっためやすの数字を出していますが、あくまでめやす。体力的に不安を感じたり、膝や腰に少しでも違和感をおぼえたら、すぐにトレーニングを中止してください。美脚のために健康をそこねる必要はまったくないのです。
トレーニングを続けていると、体調や疲労度にかかわらず「今日はスクワットしたくないな」と感じる日が出てきます。そんな日は思い切って休んでしまうのもコツ。嫌々ながら行っても必ず挫折してしまいます。ほどほどでも飽きずに続けていく方が、ダイエットやシェイプアップには有効なのです。
■2. 時々は無理する
上で書いたことと、いきなり矛盾していますが時々は無理することも重要。
3セット目、10回から先がとんでもなく苦しい。キツいし、明日筋肉痛になるのは確実だからこのへんで切り上げてしまいたい…。
そんな時、頑張って無理をしてみてください。目標回数をクリアできた時の達成感、喜びは格別。このうれしさが明日のモチベーションにつながるのです。
「脚やせスクワットで得られる効果」でご説明した「自分を好きになる」ための機会でもあります。キツかったけれど無理してやり遂げたという手ごたえは、自信や自己評価のアップにつながるのです。誰だって、できない自分より、できる自分の方が好きなのです。少しずつ自己評価を高めていくことで、プロポーションだけでなく内面も磨くことが可能になります。
もちろんケガをしないことが大前提。無理は時々でかまいませんし、痛みを感じたらすぐにストップすべきです。
■3. 筋肉を意識する
筋トレで大切なのは回数より意識。鍛えたいと思っている部位に意識を向けられるかどうかで筋肉の緊張度が変わり、鍛えられ方に差が出てくるのです。
スクワットを行う時は、最も引き締めたい部位である太ももとお尻に意識を集めましょう。
腰を落とす時はお尻と太ももの裏側、一度静止する時から上げる動作の間は太ももの前側と意識するポイントを変えていきます。これにより、下半身をまんべんなく鍛えることができるのです。
スクワットに限らず、腕立てや腹筋など筋トレメニューすべてに共通することですが、お腹は常に引っ込めて緊張させておきましょう。「お腹を固める」といった表現を用います。
お腹を固めることで姿勢がまっすぐに保たれ、正しいフォームで行うことができます。また腹圧が高まり、より高い負荷に耐えることが可能になるのです。鍛えにくい腹部のインナーマッスルを刺激する効果もあります。
お腹を固めるイメージがつかみにくい時は、おへそから身体の内側へ3cmほど潜った部分に力を込めるつもりで。「丹田」(たんでん)と呼ばれる東洋医学で重要な部位であり、インナーマッスルの通っている場所です。
■4. 違う動きを織り交ぜる
いきなりタイトル全否定ですが、スクワットだけで脚やせするのは少し無理があります。スクワットが下半身を総合的に鍛え、脚やせに効果を発揮するのは間違いないのですが、同じメニューを毎日のように繰り返すところで、どうしても無理が生じてしまうのです。
「スクワットしたい気分じゃないな」と感じたら、その日は他のメニューに変えてしまってもかまいません。
例えば「レッグランジ」。片足を大きく一歩前に踏み出してから、腰をぐっと深く沈めます。踏み出した方の膝が90度に曲がるくらいがめやす。沈めたところで一度静止し、再び元の位置まで腰を上げます。
レッグランジは太ももやおしりの筋肉を鍛えるメニューなので、スクワットとほとんど変わらない効果があります。左右の脚で同じ回数行いましょう。
■5. パワーワードを目につく場所に貼る
ダイエットの秘訣として口にした「心の中のデブを殺せ」という言葉が「パワーワード」であると、ネットで話題になりました。
ポジティブでインパクトのある言葉をパワーワードと呼びます。ダイエットを成功させるためには、自分なりのパワーワードを用意して、常に意識することが大切です。
「心の中のデブを殺せ」はユニークですし、シンプルに「美脚になる!」でもかまいません。「○○さんみたいな脚線美」と具体的な人名を挙げるのもイメージしやすい方法です。女性誌の見出しから借りてくるのもよいですね。
パワーワードが決まったら自宅の中で一番目につきやすい場所に貼っておきます。目標は心の中で誓うだけでなく、文字にして常に目にとまるようにしておくのです。
洗面所やトイレなど必ず使う場所に貼っておけば、気持ちが萎えかけた時にパワーワードが目にとまって、再びダイエットの意欲が沸いてきます。ダイエットにとどまらず、投資やダブルワークで成功している方も、パワーワードを貼り付ける方法を実践しているそうですよ。
毎日がいい?脚やせスクワットの期間と回数
ズバリ、毎日は必要ありません。
筋肉疲労をためこまず、ケガを抑制する意味からも、スクワットは2~3日に1回のペースでかまわないのです。30日スクワットチャレンジのように毎回、回数を増やしていく必要もありません。
普通のスクワットを15回×3セット。これを週に2~3日のペースで維持していきましょう。1回ずつ太ももやお尻に意識を集めて、しっかり筋肉に効かせる方が回数をこなすことより大切です。
物足りなく感じてきたら、ダンベルやペットボトルを持つなどして少しずつ負荷を上げていきましょう。
スクワットで脚が太くなる?スクワット方法の注意点
「30日スクワットチャレンジ」が流行り始めた頃、よく言われたのがこの「スクワットで脚(特に前側)が太くなる」というウワサ。特にネットで、太ももの前側にどっしり筋肉のついた女性の画像が出回ったことで、スクワットに対するネガティブなイメージが助長されてしまいました。
結論から先に言ってしまえば、スクワットで脚は太くなりません。
特に女性の場合、太ももの筋肉をガチガチに目立つほど成長させるには、ジムで長期間ハードなトレーニングを重ねる必要があります。ダイエットやレッグラインの引き締めを目標に、自宅で無理のないペースでスクワットを行っているくらいでは、ボディビルダーのような太い(たくましい)脚にはならないのです。
ウワサのおかげでスクワットにひるんでしまい、運動習慣を作らないままどんどん脚が太くなってしまう方を心配してください。
スクワット以外で脚やせにおすすめのこと5つ
■1. 消費カロリーと摂取カロリーのバランスを考える
スクワットで太ももを中心とした大きな筋肉群を鍛えることにより、基礎代謝が増え、いわゆる「痩せやすいカラダ」ができあがります。筋肉が増えると消費カロリーも増えるためです。
例えば、あなたの摂取カロリーが1日平均2000kcalだったとします。これまで1日の消費カロリーも2000kcalでしたが、スクワットを続けたことにより2200 kcalまでアップ。すると、1日あたり200 kcalずつマイナスになるので、どんどんスリムになっていくというわけです。
ここで大切になってくるのが摂取カロリーと消費カロリーのバランス。「スクワットのおかげで消費カロリーが増えた」と喜んで、カロリーの高い間食やファストフードを増やしては意味がありません。
お給料が上がったからといって飲み会や買い物の機会を増やせば、いつまでたってもお金がたまらないのと一緒。収入と支出の関係とまったく同じなのです。
脚やせスクワットを始めたらこれまでの食生活を見直して、消費カロリーとのバランスを整えましょう。食事の写真を撮るだけでカロリー計算してくれるスマホアプリなどを活用するとよいですね。基礎代謝は体脂肪計の機能を使ってチェックしましょう。
また、脚の筋肉は比較的簡単に大きくできるものの、基礎代謝はすぐに急上昇しません。1ヵ月で基礎代謝に変化が見られないからといって投げ出すのは早いのです。数ヵ月単位で気長に基礎代謝アップを待ちましょう。
■2. 「チートデイ」を作る
毎日、食事のカロリーをチェックしながら、息を切らせてスクワットする‐。
こう書くと、ちょっとうんざりした気持ちになりませんか?
脚やせは地道なトレーニングと節制の積み重ね‐。理屈ではそう理解していても、どこかで楽しみや息抜きがなければ続けていけませんよね
そこで、一流アスリートも行っている「チートデイ」を取り入れてみましょう。
チートデイとは、好きなものを好きなだけ食べてよい日のこと。週に1日をめやすにチートデイを上手に取り入れると、トレーニング継続率が高まると言われています。
何を食べてもよい日なので、ハンバーガーにチキンとポテトでも、家系ラーメンのチャーシュートッピングでも基本的にはかまいません。しかし、チートデイのおかげで余計太ってしまってはまったく意味がないので、自分のモチベーションが下がらない程度に脂質を抑えたメニューにしたいものです。ラーメンの代わりにパスタ、ポテトはつけるけどチキンはあきらめるといった取捨選択が必要なのです。
週1日もあくまでめやすです。トレーニングとカロリーを考えた食事に心身が慣れてくると、大好きだったはずのハンバーガーやラーメンに対するこだわりが意外と薄れてくるものです。週1回を10日1回、半月に1回と減らしていってもまったくかまいません。
大きな石は転がすまでにとてつもない力を必要としますが、転がりはじめると力を入れなくてもどんどん進んでいきます。チートデイは転がりはじめるまでのモチベーションを保つテクニックなのです。
■3. 日常の中で階段を使う
スクワットだけに頼らず、日常生活の中で自然と筋肉を鍛え、有酸素運動する機会を増やすことも大切です。
特に実践しやすく、おすすめなのが階段を使うこと。近年は企業でも「2アップ3ダウン」を標語にするところが増えてきました。2階上なら階段で昇る、3階下なら階段で降りる‐。このめやす、とても実行しやすいですよ。
駅やデパートでも、なるべくエスカレーター、エレベーターを使わずに昇り降りしたいものです。階段を使うと考えただけでだるくなってしまう方もいるかもしれませんが、建物によっては非常階段に大きな窓を設けて展望スペースにしているところも。階段を使うことで、いつもと違う風景に出会えるので、意外と楽しいものですよ。
■4. 楽しみながら歩く
脚やせスクワットは有酸素運動と並行して行うとさらに効果的。スクワット、有酸素運動、食生活改善の三本柱が揃うと、脚やせはぐっと実現しやすくなります。
とはいえ、スクワットに加えてウォーキングやランニングの習慣まで作るのはかなり大変ですよね。3.で紹介した階段を使う習慣と並行して、少しだけ歩く機会を増やしてみるようにしませんか?
簡単な方法は、ひと駅手前、バス停ひとつ手前で降りて歩くこと。通勤や通学のルートで少し回り道してみたり、公園など四季折々の風景に出会える場所へ定期的に繰り出すのもよい方法です。
継続させることが目的ですから、台風や大雪の日に無理して歩く必要はありません。体調や都合に合わせて無理のない範囲で歩くようにしましょう。
■5. 「むくみ解消サプリ」を試してみる
脚やせスクワットを続けているのに、もうひとつ効果を実感できない‐。
もしかしたら、脚のむくみが原因かもしれません。スクワットだけでも血行をうながし、むくみを解消する効果があるのですが、人によっては体質的にむくみがなかなか解消されない場合もあります。
そんな時は市販の「むくみ解消サプリ」を試してみてはどうでしょう。
多くのメーカーからむくみ解消サプリが発売されています。価格や口コミよりも成分に注目して選びたいものです。
ポイントはまず、むくみ解消=身体の余分な水分排出、利尿作用のある成分がどれだけ含まれているか。カリウムやポリフェノールの含有量をチェックしてください。
ビタミンB群、ビタミンC、カルシウムなどを配合している商品もあります。ビタミン系のサプリを揃えるより、むくみ解消サプリでまとめて補ってしまう方法もあるので、不足しがちだと感じている成分にも注目しましょう。
そして大切なのが安全性。商品によっては肝障害の原因となりうるクマリンを多く配合しているものもあります。持病や体質と照らし合わせて、摂ってはいけない成分が入っていないかよく吟味してください。
おすすめのむくみ解消サプリは、「するるのおめぐ実」です。
まとめ
・脚やせスクワットに特別な方法はありません。ケガ予防のため膝をつま先より前に出さないことを心がけ、普通のスクワットを行いましょう。
・1日スクワットしたら2~3日間隔を空け、疲労と筋繊維の回復につとめます。
・スクワットで脚が太くなるのは、かなりハードに行った場合のレアケース。ダイエットのため積極的にスクワットに取り組んでも安心です。
・スクワットに、有酸素運動と食生活改善を加えた三本柱が脚やせダイエットの秘訣です。
・有酸素運動するには、回り道する、ひとつ手前の停留所で降りるといった実現しやすいものから試していきましょう。
・食事制限はストレスになりがち。週1回をめやすに好きな物を好きなだけ食べるチートデイを作ってみましょう。
・脚やせで行き詰ってしまったら、むくみ解消サプリを試すのもアリです。
トレーナーとして活動しています。ダイエットやトレーニング方法についてお伝えします。