最近では、廃用性症候群という言葉を知らないという方のほうが少ないかもしれません。しかし廃用症候群がどのようなことで起きているのか、しっかりと考えたことはありますか?
ここでは廃用症候群になる原因、対処法、そして予防などに関してお伝えしていこうと思います。
廃用症候群の定義とは?
廃用症候群(はいようしょうこうぐん)=Disuse Syndrome ※廃用性症候群ともいう
定義:心身の不使用・不活発によって機能低下をきたした病態
疾患や外傷等で、長期に渡り安静や臥床が続くことで、局所的または全身的な機能が低下することの総称です。
何が原因で廃用症候群になり、どのような症状が起こるのでしょうか。
廃用症候群の原因3つ
廃用症候群の最大の原因は、
1.安静臥床
2.身体の後遺症による不使用や不動
3.慢性疾患によるもの
です。それらがもたらす具体的状況として,どのようなものがあるか説明していきます。
■①安静によるもの
心疾患後の絶対安静や骨折後のギブス固定など、治療目的で安静を強いられることが原因になる。
◇急性期疾患、慢性疾患の急性増悪
・心臓、神経の循環不全(心筋梗塞、脳卒中) ・呼吸不全(肺炎など)
◇外傷
・骨折 ・脱臼 ・脊髄損傷 ・頭部外傷
■②疾患後遺症によるもの
各種神経疾患などにより運動麻痺が生じ、運動が行えないことが原因になる。
◇麻痺性疾患
・神経疾患(脳卒中、脊髄損傷、脳性麻痺など)
◇呼吸・循環器疾患
・心疾患(心筋梗塞など)
・肺疾患(肺炎、結核など)
◇外傷
・大腿骨頸部骨折 ・脊椎圧迫骨折
■③慢性疾患によるもの
・関節炎や痛みなどにより関節運動が行えないなどの疾患が慢性的に続くこと。
・日常生活の活動性が乏しいことによるもの。
・運動や転倒に対する恐怖から活動性などが低下するなど心理的な要因によるもの。
・一部の「精神症状」として不動や不活発を生じるもの。
などが原因になる。
◇麻痺性疾患
・神経筋変性疾患(パーキンソン病、脊髄性筋萎縮症、筋ジストロフィーなど)
◇呼吸・循環器疾患
・心疾患(うっ血性心不全など)
◇消化器疾患
・肝臓疾患(肝炎、肝硬変など)
◇骨関節疾患
・関節疾患(変形性関節症、慢性リウマチなど)
・脊椎疾患(腰部脊柱管狭窄症など)
・骨疾患(骨粗鬆症、骨軟化症など)
◇精神疾患
・認知症(アルツハイマー病など)
◇消耗性疾患
・悪性腫瘍の末期
高齢者の場合、本人が自覚しない程度に、徐々に筋力低下が起こっています。廃用症候群の原因疾患は、ありとあらゆる疾患です。
知らないうちに筋力低下が進む中、平穏な日常生活を一転するこのような病気になるとどうなるでしょうか。さまざまな疾患により長期安静・臥床を強いられることで、いろいろ
な能力が低下していきます。
しかしこの疾患になったから廃用症候群になるということではありません。疾患があって
も対処方法をしておけば、廃用症候群は回避できます。しかし、廃用症候群ってどのような症状が起きるのでしょうか。
廃用症候群の症状9つ
廃用症候群は疾患、また疾患の治療のために運動ができない、臥床時間が多い、不良肢位の時間が多いなど、そのような時に起こります。
①関節拘縮(いわゆる‘関節が固まる‘こと)
関節動かすことができない状態が続くことで、関節周囲の軟部組織が変性し短縮します。そうすると、本来動くべき範囲が制限され、関節の動きが悪くなり、拘縮になります。
②筋廃用萎縮(筋肉が細く衰えること)
不動により筋肉は1日に約1~1.5%ずつ容積が減っていき、筋力は、最大筋力の20-30%の筋収縮を行わなければ低下していきます。また上肢より下肢筋、屈筋よりも伸筋に筋力低下が認められると報告があります。
・筋力低下
・筋耐久性低下
<ここは押さえたいポイント!高齢者の筋力低下>
若年者の筋力低下と高齢者の筋力低下は、違います。
高齢者の筋肉は、一般的にtype2線維の筋萎縮が強いです。
(type2:速筋線維=パワー系 瞬発力などの速い動作の障害をもたらす)
またtype2線維の萎縮は、上肢では末梢の筋肉、下肢では近位筋(大腿部、殿筋など)の萎縮が強くみられます。
高齢者の筋力低下の主要な原因は、筋肉自身および神経系の加齢変化により生じる、筋線維の数の減少と萎縮であると考えられています。
ここで考えるべきポイントとして、type1線維の萎縮が軽度であるということと、筋肉の代謝能力の低下が小さいことから、高齢になっても「耐久性の低下は強くない」ということが言えます。パワー自体は弱くなっても日常生活ができるのは、こういうことが理由なのです。
しかしながら、高齢者では呼吸・循環機能が、若年者よりかなり低下しているため、全体的にみれば耐久性低下も強いと考えらます。高齢者は容易に疾病に陥り安静臥床を強いられるため、加齢変化だけでなく、二次的な廃用筋萎縮によっても筋力低下が生じることを念頭にいれておいてください。
また早期より筋力低下が認められる筋としては、
・下肢筋力
・足関節背屈筋力
徐々に低下する筋として
・握力
・背筋力
・足関節底屈筋力
・腹筋
これは日常生活での使用頻度によるところが大きいということが言えます。
③骨粗鬆症-高カルシウム(骨生成のアンバランス)
長期臥床、安静などで1週間に1~2%、数か月で10~20%の骨量が消失します。
また骨への圧刺激が低下することで、骨はもろくなり、骨折しやすくなります。
骨折をしてしまうことで、さらに廃用症候群のリスクが高くなります。
④褥瘡(じょくそう、いわゆる床ずれ)
体位変換できない患者さんは、長時間同じ部位を圧迫していることで、血流が悪くなり皮膚症状が悪化・壊死し褥瘡が発生します。
⑤静脈血栓症(静脈に血栓ができること)
心臓から押し出された血液は動脈→体内→静脈→心臓へと戻ってきます。足の筋肉は心臓に血液を送り届けるポンプ作用を持っています。足は第二の心臓というように、足の筋肉が動かないと、静脈血は心臓へと流れてくれません。
不動によって静脈血流がうっ血し、血栓ができてしまいます。
⑥心肺機能低下
心拍出量が減少すると、最大酸素摂取量が減少します。不動が続くと、約一か月で20%血液中の血漿が失われると言います。血漿が少なくなると血液がドロドロになり、血管内に血栓ができる恐れがあります。また循環血液量の低下によって、起立・体位変換時に起立性低血圧が起きることがあります。
・一回心拍出量の減少
・頻脈
・肺活量減少
・最大換気量減少
⑦消化器機能低下
活動しないことから食欲が低下します。また食べることをしないため、咀嚼力が低下し、嚥下機能も低下するため、誤嚥性肺炎などを起こす恐れがあります。
・食欲不振
・誤嚥性肺炎、沈下性肺炎
⑧起立性低血圧
長期臥床の場合、起立時だけでなく体位変換時にも血圧が著しく低下し、臨床症状として、立ちくらみや失神、頭重感、悪心、嘔吐、顔面蒼白などを呈することがあります。
(心拍出量が低下して、血圧が低下するため)
また、圧受容器の低下もしくは圧受容器反射(視床下部・延髄の心血管中枢、圧受容器、求心路・遠心路からなる反射)の機能低下も原因と言えます。
※起立性低血圧は、長期臥床以外の原因でもおこることがあるので、鑑別が重要です。
⑨精神的な廃用症候群
長期のベッド上安静は、脳内に障害がなくても、外的刺激の減少のために、精神活動の異常をきたします。その症状はさまざまで、失見当識、寡黙、抑うつ、せん妄、人格変化などがみられます。
廃用症候群の治療方法2つ
現在の医学において「廃用症候群を治す」方法はありません。一度廃用症候群になってしまうということは、寝たきり状態に近いので、以前のような状態に戻ることはほぼ難しいと考えてください。
しかし、全く何もしないわけではありません。廃用症候群になった場合はさまざまな疾患と同じように投薬を中心に治療を行います。
そして、動けない、動かないことが原因で廃用症候群を作り上げてしまっているので、リハビリは積極的に行う必要があります。
①疾患に対しての投薬
②リハビリ
廃用症候群での看護師としての役割
看護師は、患者さんと最も密接に関わる仕事です。患者さんの全体像を知るために問診と共に以下のことを評価します。
意識状態:JCS、GCS
栄養状態:体重や皮下脂肪の測定、血中アルブミンやプレアルブミン、コリンエステラーゼなどの検査
その後、QOLの向上、ADL動作向上、参加レベルの向上、精神的ストレスの軽減などを看護計画で立てていきます。
入院中、看護師がもっと気を付けなければならないものは、以下の2つです。
①褥瘡(じょくそう)
②拘縮
看護師は患者さんの体(体の表面、体内)を一番把握できる仕事です。寝たきりの状態の患者さんの清拭、排泄介助など行うことで患者さんの状態をさまざまな形で把握していきます。
臥位を強いられる患者さんへは、定期的に体位交換やポジショニングを行い、褥瘡や拘縮を予防していきましょう。それにはベッド環境を快適にする必要があります。マットレスが本人に合っているかどうかを判断しなければいけません。褥瘡予防には、柔らかいマットレスが良いのですが、患者さんにとっては動きづらいです。またベッドサイドでの簡単なリハビリも看護師は行う必要があります。(患者さんへ助言、指導)
理学療法士として看護師を見ると、どうしても看護師は「やってあげなければ・・・」という優しい気持ちが先走っているように思えます。本人ができることまで行ってしまう、いわゆる「過保護」になっているのです。自分でできることまで、他者が行ってしまうと、以前できていたことができなくなります。
それは看護師だけでなく、患者さん本人と、そのご家族の方へも同様のことが言えます。
してあげたい気持ちを抑え、「自分でできることは、自分で行ってもらう」。それが廃用症候群の効果的な予防策となります。特に身の回りの動作(更衣動作、トイレなど)は、できるだけしてもらうようにしてください。
また家事、趣味活動、地域活動にも参加する必要があります。パーソナルスペースを広げることは心身ともに健やかになるからです。
廃用症候群のリハビリ方法4つ
リハビリを行う前にまずは検査や評価を行います。
<検査>
身体機能:ROM(関節可動域)、MMT(筋力)、ADL評価(BI・FIM)、動作能力評価、医学的情報
認知・高次脳機能:HDS-R、MMSE
抑うつ評価:SDS、HAMD
構音器官可動性:標準ディサースリア検査(AMSD)、oral diadochokinesis検査
摂食・嚥下機能評価:反復唾液嚥下テスト(RSST)、改訂水飲みテスト(MWST)、フードテスト
口腔内所見:汚染、乾燥、義歯の有無
ここでしっかり検査や評価を行い、この患者さんは何が不足しているから、この動作ができないなどを抽出し、これから何を目的にリハビリを行っていくかという目標を設定していきます。
<リハビリのプログラム>
廃用症候群の場合は、このようなプログラムでリハビリを実施していきます。
①筋力増強運動・・・筋力が低下しているため
②関節可動域運動・・・拘縮しないように予防、維持。また関節の動きに制限がある人に対して改善目的で行う
③歩行練習・・・起立が可能な方は歩行練習を行う
④日常生活動作訓練・・・ひとりでできる動作を増やしていくために行う
早期に改善の見込みがある拘縮や関節可動域制限に対し、筋力低下・筋萎縮、起立性低血圧、循環機能低下などは改善にとても時間を要します。また人によって個人差が生まれやすいです。
<各症状へのアプローチ>
●筋力低下(筋萎縮)
特に生活をしていく上で、下肢の筋肉というのはとても大事です。筋力を増加させるには、負荷のあるトレーニングが必要になります。しかし高齢者の場合は負荷量が少ないものから始めましょう。また運動を行うことで呼吸器にも良い効果を与えることができます。筋力増強運動、歩行練習、日常生活動作訓練などによって筋力維持、増強を実施していきます。
●関節拘縮
関節は不動が何週間も続くと拘縮してしまいます。関節の全可動域をこまめに動かし、拘縮を避ける必要があります。自動・他動の関節可動域運動、歩行訓練、日常生活動作訓練などにより予防、維持、改善を行っていきます。
●骨粗鬆症(骨萎縮)
骨に負荷がかかっている状態では、骨吸収と形成のバランスがとれていますが、固定や臥床により、骨への負担・刺激がなくなると骨吸収が亢進、骨形成が低下するため、早期に骨萎縮が亢進します。そのために早期離床、座位訓練・起立訓練、歩行訓練を行っていきます。また廃用性骨萎縮に関しては、食事や日光、薬、運動がとても有効になります。特に、骨の長軸方向に大きな負荷をかける運動によって、局所的・全身的に骨を丈夫にすることができるのです。例えば、上肢であれば壁押しや腕立て、脊柱や下肢であれば、歩行や種々の立位での運動などが挙げられます。
●循環機能低下
安静臥床をしなくて良いのであれば、なるべく早期離床、臥位から座位姿勢へと移行していくことが大切です。自分で座位が不可能な方であれば、ティルトテーブルなどを利用し、早期から立位姿勢に持っていくことも重要です。また歩くという動作が可能であれば、平行棒内歩行、通常の歩行訓練などを行い、有酸素運動を行うのも良いでしょう。また歩行を行うことで、下肢筋群が活動するため、静脈血栓症の予防にもなります。
●呼吸器機能低下
安静臥床の場合は浅い呼吸でいても身体はそれで満足しているため呼吸効率、肺活量が低下していきます。そのため少し動いただけで息切れしたり、呼吸が乱れることもあります。それにより「きついから横になる」ということで横になると、寝たきり状態が始まってしまいます。リハビリでは胸郭の関節可動域拡大、呼吸筋に対してアプローチし、歩行練習など運動を行わせることで、呼吸機能を維持・向上させていきます。
●精神面
精神面を改善させるには、早期離床、感覚刺激をいれていくこと、そして会話をすることです。いろいろな刺激を脳に与えることで、身体面・精神面共に活性化していき、廃用症候群が増悪するのを防ぐことができます。そのためには、患者さんの興味や関心を呼び起こすもの、また患者さんの趣味や好みを把握しておかなければいけません。
・気晴らし的な活動(レクリエーション)
・家族と触れ合う、動物と触れ合うなどの楽しみを作る
・身体的負担、ストレスを生じない環境作りをすること
「いつコケるかわからない。見てるとこっちがヒヤヒヤする」
「転んで骨でも折ったらまたこっちが大変になる。だから車いすにするほうが安心・・・」というご家族の方もおられますが、それが廃用症候群を進めます。
転倒の不安があれば、廊下やトイレに手すりを設置することで、一人で行えることが増えます。介護保険を申請している方で適応の条件を満たせば、住宅改修費が支給されます。詳しくは、かかりつけの病院の事務、または理学療法士、ケアマネージャーに尋ねてみてください。
廃用症候群の予防対策方法3つ
廃用症候群は治療ができません。そのため予防するということが第一です。
不必要な安静や局所固定を除き、可能な限り早期離床による運動を開始します。
寝たきりにならないように、身体的、精神的な刺激を与えていき、心身機能の活性化を早期より実施していきます。
疾患、年齢などを考慮し、対応する際には、リスク管理、また対象者に合った負荷量を段階付けて進めていくことが重要です。
■①早期離床
意識がある患者さんには早期離床・早期歩行を、意識のない患者さんには良肢位の保持と体位変換の励行を心がける必要があります。鼻に管を通している「こんな人立たせていいの?!」というような患者さんでも、早い段階から座位、起立動作を行っていきます。
疾患があるとしても、人は二足歩行をし、手で物を触り、座った状態で食事をします。そのような当たり前の環境を早期に作りあげてあげることで、廃用症候群を予防することができます。
臥位よりも座位、座位よりも立位、立位よりも歩行です。徐々にレベルをあげていき寝たきり状態を予防していきましょう。
■②運動を行う(関節を動かし、筋肉を収縮させる)
座位や立位がとれない患者さんに対しては、ベッド上で上肢、下肢の関節を動かし、意識がある方に関しては適切な負荷で徒手抵抗をかけながら筋力維持・増強運動を行っていきます。とにかくどのような状況であっても各関節を動かす必要があります。
筋力低下の予防や筋力強化は、歩行や階段昇降などの日常生活を向上させ、特に下肢筋力の筋力増強は転倒のリスクを低下させます。また筋力強化は呼吸循環系機能の低下や骨量低下を抑制し、高齢者の生活の質(QOL)の維持・改善に結びつきます。
高齢者の筋力増強の効果は若年者に比べ、小さいです。また訓練後の疲労回復はとても遅く、期待した効果が得られるまでに、かなり時間がかかります。根気よく、継続的に行う必要があります。
筋力増強のメカニズムには、筋肉自身の変化で筋肥大が生じるものと、神経系の要因で運動ニューロンの興奮性の変化によるものの2つがあり、高齢者では後者の要因が大きいことが知られています。
<高齢者の筋力強化の原則として・・・>
・筋力が弱い人でも安全に行えること
・自宅でも手軽にできること
・運動強度は低めに設定し、頻度を多くして長期間行うこと
・訓練中の血圧、脈拍、痛みなどの変化に注意すること
・合併症に対するリスク管理
などがあります。
最も簡単に行える筋力強化運度は、有酸素運動としての歩行です。運動強度は最大酸素摂取量の50%程度が望ましく、1回の歩行は30分以内、1日8000歩を目標とすると良いでしょう。
注意してほしいことは、「週に2回程度は休息日を設ける」ということです。筋力トレーニングを行う場合、負荷強度は最大筋力の1/3~2/3で5~10回、週に3回行うのが理想的です。年齢から算出した算出した予測最大心拍数の60~70%より開始し、運動前後にはストレッチを十分行いましょう。また筋力低下予防運動としては、椅子やベッドからの立ち上がり訓練があります。
疾患がある場合は必ずDr.と相談し、リスク管理を必ず行ってください。既往歴など、患者さん個々により異なります。リスクを主治医に確認し、看護師とも連携をとってリハビリを行いましょう。
■③人との関わりを持たせる
人間は臥床時に考え後をするとマイナスなことしか考えないように、臥床が続くと「やる気がなくなる」「気分の落ち込み」などがみられます。また人との関わりがなくなると精神機能の低下で、認知症が進むともいわれています。
なるべくご家族や友人が患者さんへ顔を見せること、また声かけを行うことはとても重要なことです。ご家族の方の面会は、患者さんにとって薬よりも効き目があることもあります。身体だけでなく、精神的なケアも重要になります。
まとめ
さまざまな原因で横になる→不活発になる→廃用(体力低下)になる→疲れる→横になる→→更なる廃用になる→寝たきりになるという悪循環がそこにはあります。
その悪循環を断ち切るには、活動的をする機会を作ることが最も重要です。一人で動けない、動かせない時はリハビリを積極的に行っていく必要があります。不活動の悪循環を引き起こさないような、日常生活全体の活動性の向上を目指すことを、医療従事者、また家族は支援していかなければなりません。
予防のためには、周囲の協力が不可欠です。日常生活での活動性を向上させ、自分でできることは自分で行う。また介助を必要とする場合でも、過剰な介助はしてはいけません。少しでも多くのことができるようになると、廃用症候群になりかけていても悪化せず、改善できます。
安静も大切ですが①早期離床、早期歩行 ②運動を行う ③積極的に人と話していく、ということを本人だけでなく、ご家族共に協力し合って行ってみてください。