「世界一受けたい授業」減量外来ドクター。「ホンマでっか!?TV」肥満治療評論家・漢方治療評論家。その他、テレビや雑誌で多数出演・監修。
※この記事は、栄養士資格を持つライターが書いています。
大根は、大根おろし、サラダ、煮物、おでん。など多くのシーンで使われています。普段あまり意識していないかもしれませんが、意外とよく食卓に登場する野菜です。
私たちの食生活と非常に馴染みのある大根ですが、実は糖質制限ダイエット中にも活用しやすい食材のひとつです。美容と健康にうれしいビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
今回の記事では、大根の糖質やカロリー、おすすめの食べ方や、注意しておきたい点について解説します。
大根は糖質制限ダイエット中に食べても良い食材ですが、食べ方を間違わないように注意しましょう。
大根のカロリー・糖質量・栄養成分は?
大根のカロリー、糖質、ビタミン・ミネラルは次の通りです。
大根(葉)の栄養成分(100gあたり) | 大根(根)の栄養成分(100gあたり) | 大根の栄養成分(1本:900gあたり) | |
エネルギー | 18kcal | 17kcal | 162kcal |
タンパク質 | 2g | 0.5g | 3.6g |
脂質 | 0.2g | 0.1g | 0.9g |
炭水化物 | 3.3g | 4.1g | 36.9g |
食物繊維 | 2.6g | 1.4g | 11.7g |
糖質 | 0.7g | 2.7g | 25.2g |
ナトリウム | 41mg | 19mg | 153mg |
カリウム | 340mg | 230mg | 2070mg |
ビタミンC | 49mg | 12mg | 99mg |
カルシウム | 170mg | 24mg | 207mg |
鉄 | 1.4mg | 0.2mg | 1.8mg |
ビタミンB6 | 0.22mg | 0mg | 0.45mg |
マグネシウム | 25mg | 10mg | 90mg |
大根は、根と部分と葉の部分で栄養成分が異なります。日本食品標準成分表2015年版(文部科学省)でも、栄養価が異なることから別で表記されているのです。
そのため、大根1本の根と葉の部分のカロリーを出すと非常に大きな誤差が生まれてしまいます。よって、大根の栄養については根と葉の部分を別で考えると良いでしょう。
大根の葉の部分のほうがビタミンやミネラルが豊富なので、大根の葉も捨てずに活用できると良いですね。
ちなみに、大根100gは、厚さ2~3センチ程度の輪切りにした状態です。太さによっても少しかわってきますので、厚さ2.5センチ程度が100g、と覚えておきましょう。
厚さ2.5センチの大根はかなりボリュームがありますので、十分お腹いっぱいになれますね。
さらに、注目しておきたいのがビタミンやミネラル。糖質オフでとりあげられる食材には、カロリーが低いという面ばかりに注目し勝ちですが、ビタミンやミネラルの少ない低栄養な食材が多いという面もあります。
大根、特に葉にはビタミンやミネラルが豊富です。もちろん、上にあげたとおり、根の部分にもビタミンやミネラルは含まれていますので、食べる部分は根でもかまいません。
コンビニおでんにある大根のカロリー・糖質量は?
冬になるとコンビニに並ぶおでん。おでんの中で低カロリーといえばこんにゃくですが、大根もヘルシーでダイエットにおすすめです。
セブンイレブンでは、大根1個14kcal炭水化物3.1g、ローソンでは大根1個あたり10kcal炭水化物2.2g、と設定されています。
各社、糖質量については公表されていませんが、炭水化物量が低めなので、糖質量もこれらを上回ることはありません。
ただし、おでんの出汁にはみりんや砂糖が使われている可能性がありますので、出汁を飲まない様にしましょう。出汁を飲まないのは、ダイエットにおいて重要なことです。
大根は糖質制限ダイエット中に食べて大丈夫?
大根は、食べ方さえ間違えなければ、ダイエット中におすすめの食材です。低カロリーで糖質も高くないため、糖質制限レシピにも活用していくことが可能です。大根で糖質制限ダイエットをする際の注意点を覚えておきましょう。
■レシピによって糖質量は大きくかわる
大根自体のカロリーは低く、糖質も多くありません。しかし、先ほどの数字は大根を生で食べた場合のことです。
当然、大根を食べるときは何らかの食材と組み合わせたり、調味料が入っていたりしますよね。おでんや煮物、揚げ物などにすると、カロリーや糖質はぐんと数字が高くなります。
■勘違いしてはいけない!アミラーゼやジアスターゼの効果
大根にはアミラーゼやジアスターゼという酵素が含まれています。これらの酵素が糖質を分解するため、ダイエットに効果があるという根拠のない情報がたくさんでまわっていることに注意しましょう。
アミラーゼやジアスターゼ自体は酵素なので、酵素そのものがはたらけば、ダイエットや美容によい効果を得ることは期待できます。
しかし、「大根を食べたこと」ことで「糖質を分解できた」「ダイエット効果があった」という明確な研究データは発表されていません。大根がそれらの酵素を持っているというだけで、大根を食べたことで効果があるわけではないのです。
大根を食べたことで糖質が分解され、ダイエットができるのであれば、大根を食べれば食べるほど痩せていくはずですが、そのようなことはおこりませんので、注意しましょう。
これらの情報から大根を食べれば痩せられると勘違いしてしまうと、食べすぎにつながり、低糖質なはずの大根からたくさんの糖質をとってしまうことになりかねません。
大根と他の根菜のカロリー・糖質量を比較
大根と他の根菜類を比較すると次のようになります。数字はすべて100gあたりの数字です。
カロリー | 炭水化物 | 食物繊維 | 糖質 | |
だいこん(根) | 18kcal | 4.1g | 1.3g | 2.8g |
にんじん | 37kcal | 9g | 2.5g | 6.5g |
れんこん | 66kcal | 15.5g | 2g | 13.5g |
ごぼう | 65kcal | 15.4g | 5.7g | 9.7g |
たけのこ | 26kcal | 4.3g | 2.8g | 1.5g |
かぶ | 20kcal | 4.6g | 1.5g | 3.1g |
カロリーに注目すると大根がもっとも低カロリーで、糖質に注目するとたけのこの糖質量が低いことがわかります。
ごぼうは65kcalとカロリーは高めですが、食物繊維が多いため、排便をうながしてくれたり、糖質の吸収をゆるやかにしてくれたりする効果が期待できます。
根菜類は糖質や炭水化物が多いといわれることもありますが、食物繊維を多く含むため、ダイエットの味方になってくれる面もあります。
糖質制限ダイエット中におすすめの大根の食べ方5つ
糖質制限ダイエット中におすすめの大根の食べ方を紹介します。
①砂糖やみりんを控える
和え物や煮物をつくるとき、砂糖やみりんなどの調味料を使いすぎない様に注意しましょう。甘味を足す調味料には糖質が多く含まれています。たとえば、切り干し大根やおでん、大根の煮物などは、調味料にたくさんの砂糖やみりんを使用しているので、覚えておきましょう。
②甘い味付けにする場合は人工甘味料を使用する
ラカントやパルスイートなどの人工甘味料を使用すれば、糖質量を抑えたまま甘い味付けをすることが可能です。塩辛い味付けの料理ばかりになると、塩分が多くなってしまうので、ときには人工甘味料も使用しましょう。
③大根おろしでアクセントに使う
大根は、大根をメインにした料理にすることもできますが、大根おろしにして、ほかの料理のアクセントにもなれます。大根自体に糖質が多くないので、大根のサッパリした風味を生かして調味料のような使いで料理に加えても良いでしょう。
④サラダにして生で食べる
大根は、大根自体にあまり味がないため、レシピにつかう調味料は多くなりがちです。そのため、糖質を十分に制限したい方には生で食べることをおすすめします。それだけでなく、生で食べることで、ビタミンやミネラルが流出したり壊れることがないというメリットもあります。生で食べる際には、にんじんや水菜など、千切りにしたときに見た目が似ている食材と組み合わせると、盛り付けをした際にきれいに映えます。野菜は緑色が多いですが、大根は白いため色味も奇麗にしやすいでしょう。ドレッシングは糖質ゼロのものを選びましょう。糖質が低いからといって、しょうゆや酢ばかりかけていては飽きてしまうので、ドレッシングのバリエーションを揃えておくことをおすすめします。
⑤具だくさんのお味噌汁にする
大根やもやしなど、糖質の多くない野菜をたっぷりいれたお味噌汁もおすすめです。味噌汁は出汁と味噌しか調味料が含まれていませんので、調味料で糖質が多くなる心配はありません。具材にさつまいもやさといもなどを使用すると糖質量が高くなってしまうので注意が必要ですが、大根のような糖質の少ない食品を組み合わせておけば、安心して食べることができるでしょう。芋類を抜きにしたけんちん汁や豚汁もおすすめです。
糖質制限ダイエット中に大根を食べるおすすめレシピ3つ
糖質制限ダイエット中におすすめのレシピを3つご紹介します。
■①ラカントで糖質制限向けに!ぶり大根
<材料(2人分)>
大根:300g
ぶり:2切れ
水:2カップ(400cc)程度
しょうがチューブ:適量
しょうゆ:大さじ1と1/2
ラカント:10g
酒:大さじ1
塩:ひとつまみ程度
<作り方>
1. 鍋に湯をわかしてぶりをさっと下茹でする。
2. 大根は食べやすい大きさに切る。
3. 下茹でしたぶりと大根を鍋にいれ、調味料を全て入れて煮る。味見をして味を調整する。
<レシピのポイント>
ラカントを使用しているので糖質オフができるメニューです。鍋のサイズに合わせて調味料の量は調節してください。
■②大根の根と葉を使った塩こうじ炒め
<材料(2人分)>
大根の葉:30g
大根の根:200g
ベーコン:2枚
サラダ油
塩こうじ:小さじ1~1と1/2
黒こしょう:適量
<作り方>
1. 大根の葉を細かく切り、大根の根とベーコンは千切りにしておく。
2. サラダ油を加熱し、フライパンで炒める。
3. 全体がしんなりしてきたら、調味料を入れて味付けをする。
4. 火が通ったら味をみて黒こしょうをかける。
<レシピのポイント>
大根の根と葉を両方使ったレシピです。大根の葉にはビタミンやミネラルが豊富で色味も足せるため、ぜひ一緒に使いましょう。調味料に甘いものを使用していないので、糖質オフメニューといえるでしょう。
■③大根と水菜のサラダ
<材料(2人分)>
大根:80g
水菜:30g
梅干し:1個
かつおぶし:1/2パック
オリーブオイル:大さじ1と1/2
酢:大さじ1/2
ラカント:小さじ1
しょうゆ:小さじ1/4
<作り方>
1. 大根と水菜を千切りにする。
2. 梅干しの種を取り除いて細かく切る。
3. 調味料と梅干しをあわせる。
4. 器に盛り付けてドレッシングをかけ、かつおを乗せたら出来上がり。
<レシピのポイント>
こちらもラカントを使った糖質オフレシピです。梅とかつおぶしで味付けをしているので、食べ応えがあります。梅干しは、はちみつ漬けのような甘い梅干しと使わないようにしましょう。
まとめ
大根は、糖質制限中に気軽に食べても良い食材の1つといえます。味付けや調理方法、ほかに組み合わせる食材に注意する必要がありますが、今回お伝えした内容を守っていれば、糖質過剰になることはほとんどないでしょう。
調味料には、砂糖やみりんなど、糖質が多いものを使用しないように気を付けてください。甘い味付けをしたい場合には、ラカントやパルスイートなどの糖質オフ・ゼロの甘味料を活用するのもおすすめです。
大根はいろいろな調理法や様々な食材と相性が良いので、いろいろ組み合わせて、飽きのこない食生活に活かしていけると良いでしょう。
栄養士の資格を活かして、美容関係の仕事をしています。